2025年の締めくくりに、カムカムミニキーナの舞台『くまむく〜閻魔悪餓鬼温泉騒動記〜』が上演されることになりました。劇団35周年という節目にふさわしい、笑いと感動が渦巻くステージが幕を開けます!

舞台『くまむく〜閻魔悪餓鬼温泉騒動記〜』のあらすじ

花の散るのは 餓鬼のお目目が ひとつつぶらに瞬いた時
月の満ちるは 餓鬼のお目目が じっとかかあを見つめてた隙

熊に命を拾ってもらった赤ん坊は、
やがてその熊の生まれ変わりと信じる男を命がけで守り続ける影となる。

だが男の悲劇は避けられない。
それでも悲劇を乗り越える「むく」なる思いの届く先へ…。
説教節「小栗判官」を下敷きに描く、善意と復活の物語。

※説教節:仏教の経義や内容を解説し、道理を説いて聞かせる物語。

劇団「カムカムミニキーナ」の魅力とは?

1990年、早稲田大学演劇サークル「演劇倶楽部」を母体に、カムカムミニキーナは結成されました。旗揚げ以来、主宰の松村武さんが全作品の脚本・演出を手がけ、毎年継続して新作公演を実施しています。

八嶋智人さん、山崎樹範さんなど、映像作品でも大活躍する個性豊かな俳優が揃い、ハイテンションかつテンポのよい笑いで、壮大な物語へ観客を巻き込みます。唯一無二の作風と、舞台上を端から端まで活かし切る演出が特徴です。

カムカムミニキーナの作品は、どれも日本史をベースにしています。

たとえば『ひーるべる』(2012年)は、1300年前の物語、古事記をテーマに、生と死という人間の根源を真正面から追求しました。『鶴人』(2024年)では、奈良時代に屋敷で鶴を飼っていた「長屋王」をテーマに、史実から「ありえない大河ドラマ」を紡いでみせました。

日本史は苦手と感じるかもしれません。でもカムカムミニキーナは、「歴史ものは難しい」という気持ちを、心地よくひっくり返してくれるんです。コミカルな演出や演技に心を奪われているうちに、シリアスさを自然と受け入れ、物語に身を委ねられることでしょう。

『くまむく〜閻魔悪餓鬼温泉騒動記〜』は、2013年の小公演『熊の親切〜閻魔悪餓鬼温泉騒動記〜』を大幅アップデートした作品です。12年間でカムカムミニキーナがどう進化したのか、ぜひ劇場で目撃してください!

22人のキャストが贈る、特別な35周年公演

本作には22名の俳優陣が出演します。

ゲストキャストは10名。天野翔太さん、小島颯太さん、小宮夏奈子さん、桜木雅さん、佐藤佳奈子さん、高品雄基さん、福井将太さん、安田啓人さん、山本こころさん、夕輝壽太さんです。特に夕輝壽太さんは、カムカムミニキーナと縁が深く、『G(ギガ)海峡』(2014年)、『>(ダイナリィ)』(2015年)を経て、10年ぶり3度目の出演となります。

劇団からは12名。相原未来さん、岩坪成美さん、亀岡孝洋さん、北久保実佑さん、スガ・オロペサ・チヅルさん、土井優華さん、長谷部洋子さん、福久聡吾さん、藤田記子さん、松村武さん、八嶋智人さん、柳瀬めいみさんです。

みなさん本当に魅力たっぷりなのですが、わたしは特に八嶋智人さんの大ファンです。以前の公演を拝見した際、コミカルとシリアスの切り替えに感動しました。チャーミングな人柄、何事も面白がる姿勢、演技に対する泥臭いほどの真面目さが、演技ににじみ出ていると感じます。本作もとても楽しみです!

舞台『くまむく〜閻魔悪餓鬼温泉騒動記〜』は、2025年11月13日(木)から23日(日)、東京の座・高円寺1で上演されます。11月29日(土)・30日(日)には、大阪の近鉄アート館でも公演予定です。詳しい情報は公式サイトをご確認ください。

さよ

カムカムミニキーナの魅力は、映像では決して伝わりきらない「劇場の熱」にあります。俳優たちの息づかい、笑いのテンポ、舞台上を駆け抜けるエネルギー。どれもその場にいなければ感じられません。35周年という節目の作品を、ぜひ劇場で体感してください。きっと、舞台でしか生まれない瞬間に出会えるはずです!