『ピーター・パン』と『不思議の国のアリス』。どちらも世界中で愛されている名作ですが、実際にモデルとなった人物がいたことをご存知でしょうか?本作はその二人が奇しくも数十年後に出会い、それぞれの人生を語り合う物語。来年2月より日本版が上演されます。アリス役には古川琴音さん、ピーター・パン役には青木 柚さん。今回は有名作品のモデルとなった2人の数奇な運命が描かれる本作を取り上げます。
『ピーター・パン』と『不思議の国のアリス』のモデルとなった2人が大人になり、出会った
舞台は1932年。『不思議の国のアリス』の作者である、ルイス・キャロルさんの展覧会の会場で2人が出会うことから物語が始まります。
<あらすじ>
1932 年、ロンドンのとある書店で開催された「ルイス・キャロル展」の開幕式で、アリス・リデル・ハーグリーヴス(当時 80 歳)と、ピーター・ルウェリン・デイヴィス(当時35歳)は出会う。永遠の子どもとして物語に刻まれた2人は、そのとき一体何を語り合ったのか。現実の世界に”ピーター・パン”と”不思議の国のアリス”が登場し、過去と幻想が複雑に交錯してゆく。大人になった2人が辿り着く、人生の終幕とは――
私も今回の戯曲を知り、初めて『ピーター・パン』と『不思議の国のアリス』に実在の人物のモデルがいたことを知りましたが……。調べてみると、時代の流れに翻弄され、時には名作のモデルであるということが重い足枷になっていたこともあったのかと感じます。
本作は2013年、演出はトニー賞やオリヴィエ賞で数々の受賞歴を持つマイケル・グランデージさんが担当し、イギリス・ロンドンのウエストエンドで初演されました。脚本はミュージカル『ムーラン・ルージュ!』や映画『ラストサムライ』『007 スカイフォール』『007 スペクター』等、数々の名作を世に送り出しているジョン・ローガンさんが手掛けています。
今回の日本版の演出には、『陽気な幽霊』や『夜への長い旅路』ほか、唯一無二の世界観を作り上げる気鋭の演出家、熊林弘高さん。翻訳は、直近『インヘリタンス-継承-』『陽気な幽霊』などでも熊林さんとタッグを組まれている、早船歌江子さんという信頼の布陣になっています。
古川琴音、青木 柚、佐藤寛太、麻美れい…盤石の布陣で紡がれる不思議な世界
不思議の国のアリス役は、多くのドラマ、映画、CMに引っ張りだこ、直近連続テレビ小説『あんぱん』への出演も記憶に新しい、類稀なる存在感と繊細な演技で多くの人々を惹きつけている、古川琴音さん。
ピーター・パン役は、現在放送中のドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』や、映画『秒速5センチメートル』など、キャラクターの多面性を巧みに演じ、注目を集めている若手実力派俳優の、青木 柚さんが演じます。
加えて、『不思議の国のアリス』の作者ルイス・キャロル役に、重厚な演技で作品を支える、名バイプレイヤーとも名高い、飯田基祐さん。
『ピーター・パン』の作者ジェームズ・バリー役には、SNSであげられているお子さんの動画も非常に話題ですが…!映像や舞台などでは、ジャンルを越え柔軟な芝居で観客を魅了しつづけている、岡田義徳さん。
さらに、一昨年『仮面ライダーギーツ』で主役を演じ、世間の注目を集めるなか、本作が初の舞台出演となる、簡 秀吉さんが、アリスの夫とピーターの弟の二役に挑戦されます!ピーターの父には、文学座のベテランであり、確かな技術と豊かな表現力を持つ、山森大輔さん。
そして、書店で出会った、名作のモデルとなった二人。
『ピーター・パン』のモデルとなった、ピーター・ルウェリン・デイヴィス役には、高い身体能力と瑞々しい感性から若き才能として高く評価され、多くのドラマや映画に出演されている劇団EXILEの佐藤寛太さん。
『不思議の国のアリス』のモデルとなった人物、アリス・リデル・ハーグリーヴス役は、今年、芸能生活55周年を迎え、引き続き多くの舞台作品に参加されている、麻実れいさんが演じられます。
本当に豪華な出演者のみなさんが参加し、過去、現在、そして物語が入り交じる世界観が描かれます!
東京・東京芸術劇場 プレイハウスにて、2026年2月9日(月)~2月23日(月・祝)。その後、大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて、2月28日(土)~3月2日(月)で上演されます。上演時間は、約100 分予定(休憩なし)。要予約ですが、聞こえない・聞こえにくい方のための「ポータブル字幕機」の提供も行われているので、詳しくは公式HPをご確認ください!※演出の都合により、変更となる可能性があります。
現在、過去、物語が交差していくとのことで、どのように舞台が展開されていくのか、とても興味深いです。 特に大人になったピーターとアリスが、人生を振り返ったときにどのように感じていたのか、名作の奥に隠された内容、非常に気になります。


















