2001年の日本初演以来愛され続け、新キャスト、新演出版で9回目の上演を迎えるミュージカル『ジキル&ハイド』。本作に出演する柿澤勇人さん、佐藤隆紀さん、真彩希帆さん、和希そらさん、Dream Amiさん、唯月ふうかさんと、演出の山田和也さんが製作発表記者会見に臨みました。

「時が来た」をスペシャルバージョンで歌唱披露

「時が来た」をはじめとする、フランク・ワイルドホーンさんが手がけた名曲の数々と共に、人間の持つ光と影、表と裏を描き出すミュージカル『ジキル&ハイド』。

2023年公演からヘンリー・ジキル/エドワード・ハイド役を務める柿澤勇人さんは前回公演を「体力的・精神的にも、そして喉もギリギリ、もはやボロボロの状態で、最後の千穐楽まで何とか終えて生還した」と振り返りながらも、「成長した姿を見せなきゃやる意味がない」「役者としては表現できる幅が大きい作品なので、そこに再トライできる喜びも感じる」と意気込みます。

今回から新たにジキル/ハイド役をWキャストで務める佐藤隆紀さんは、「ミュージカル『レ・ミゼラブル』でジャン・バルジャンを演じさせてもらった後に、他に何かやってみたい役が自分の中にあるかなと思った時、思い浮かんだのが『ジキル&ハイド』で、そう思ってからはイベントやコンサートで「時が来た」を歌ってアピールしてまいりました(笑)。今日はその想いが叶った日ということで、まさに“時が来た”という思いでいっぱい」と出演の喜びを語ります。

「二面性のある役を、優しい、穏やかだと思われがちな私シュガーが、どれだけしょっぱく、苦っぽく演じられるかをぜひ観ていただきたい(笑)」とユーモアを交えながらアピール。

23年公演から引き続きヒロインで娼婦のルーシー役を演じる真彩希帆さんは「またルーシーの音楽に触れて、『ジキル&ハイド』という世界の中でどんなことを私自身が思うのか、楽しみにお稽古をしていきたいと思います。出産したことによって色々な考え方が変わったりして、新たなものを私自身も受け取るのかなと思うので、ぜひ劇場に楽しみにいらしていただけたらと思います」とご挨拶しました。(真彩さんはお仕事の都合で冒頭のみ出席)

今回から新たにルーシー役を務める和希そらさんは「このような重厚感のあるクラシカルな世界観が大好きでして、今回新たに『ジキル&ハイド』の世界に飛び込むことができて嬉しく光栄に思っています」と語ります。

ジキルの婚約者でもう一人のヒロインとなるエマ役には、前回公演がグランドミュージカル初出演となったDream Amiさん。「同じ役を二度やらせていただくのは初めてになるので、どんなふうに感じるのか、どこまで自分ができるのか、不安もありますし、楽しみでワクワクしています」と心境をコメント。

Wキャストで今回から新たにエマ役を演じる唯月ふうかさんは「歴史ある、多くの方々から愛される作品に出演できることを本当に嬉しく、その反面、しっかり責任を持ってこの世界に飛び込んでいきたいという気持ちでいっぱいです。色々な先輩方が演じてきたエマという役をしっかり皆様にお届けできるように」と意気込みます。

演出を務める山田和也さんは本作の魅力について、「やっぱり一番は音楽が圧倒的に力を持っている。初演の時、鹿賀丈史さんが“音楽がとても官能的”だとおっしゃいました。全くその通りだと思います。どの瞬間も、鳴っている音楽に凄く力がある。そしてストーリーですね。主人公のジキルは、父親の病を直したいという一心で新薬の研究が進むわけですけども、崇高な目的で始まった実験が結果的に暴走して、悲劇的な結末を迎えている。一方で愛情や信頼、友情といった美しいものが描かれていて、さらには世の中の腐敗や権力者の横柄も描かれており、ご覧いただいた方それぞれがどこかに必ず引っ掛かるところのある、奥深い作品」と語ります。

新演出については「鹿賀丈史さん、石丸幹二さんの時それぞれのバージョンがあって、舞台美術には耐久年数みたいなものがあるので、10年以上が経った前回公演で大道具を廃棄処分してしまったんですね。全く同じものを作っても良いんですけれども、だったら新しくしようと。あらゆる価格が前回から上がっているので豪華になることはないだろうと思うのですが、シンプルだけれど今までと違う見せ方ができれば」と語りました。

多くの名シーン、名曲が彩るミュージカル『ジキル&ハイド』の世界。柿澤さんは「自分でやっているシーンの曲というのはやはり大変な思いが強いので、楽しいとか気持ち良いと思ったことは1回もないんですけれども、ルーシーちゃんが登場する、ジキルがある種の好意を抱くシーンは見ていて凄く美しいですし、ジキルの行為としては見ているだけなので他のシーンと比べてちょっと楽で好きです(笑)」とお茶目に語ります。

佐藤さんは「2面性を切り替えながら歌う「対決」はやはり今まで出演されていた方を凄いなと思って観ていましたし、自分がこれから稽古でどういうふうにやるのかわからないですけれども、しっかり作り上げていかないといけないなと思っています。ぜひ楽しみに観ていただきたい部分です」と語ります。

和希さんは「街中でどんどん新たな殺人が起きていくナンバーがあるんですけれども、そこはいち観客として拝見している時も次はどんなやられ方をするんだろうというワクワクがありました(笑)」と独自の視点で魅力をコメント。

Dream Amiさんは「結婚式のシーンでジキルと一緒に歌う楽曲は、事件が起きる前の幸せな2人が描かれていて、ジキルが人にはあまり見せない弱い部分をエマに見せ、エマはそれを包容力と愛で包み込んでいくので、この後起こるダークな世界観への振りにもなりますし、その幸せなシーンがあるからこそ救われる部分もあるので、歌っていてもとても幸せな気持ちになります」と語ります。

唯月さんは「エマとルーシーが2人で歌う楽曲が、観客として観ていてもすごく大好きで、実際に歌稽古で歌った時も、難しいんですけども、やっぱり美しい曲だなと思いました。1人の人に対して別の角度から思いをぶつけて歌う、その重なりがとても綺麗で大好きです」と想いを語りました。

そして会見では柿澤さん、佐藤さんによるスペシャルバージョンでの「時が来た」楽曲披露も行われました。

エネルギッシュな歌声でジキルの強い信念と心の揺れ動きを感じさせる柿澤さんと、深みある歌声を身体の奥底から響かせ、ジキルの希望溢れる姿も垣間見せた佐藤さん。

異なる魅力を持つジキル/ハイド像への期待を高めながら、楽曲を歌い終えると、お2人は熱いハグを交わされました。

最後に佐藤さんは「まだ稽古にも入っていない今だから大口を叩かせてもらいますと、観に来てくださったお客様が、ただ“観にきてよかったな”とかではなく、“本当に感動した”“歴史に残る作品を観た”と思ってもらえるように。皆さんの心の歴史の1ページに名を残せるような舞台をお届けしていきたいと思います。東京だけでなく、全国各地、色々な地方を回ってやっていきますので、近いところでぜひ観に来ていただきたいと思います」と力強いメッセージを。

柿澤さんからは「鹿賀丈史さん、石丸幹二さん始め諸先輩方が紡いできたこの作品を、新カンパニー、山田さん新演出のもと、新しい魅力的な『ジキル&ハイド』として生まれ変わると思っていますし、このメンバーだったらそれが可能だと思います。ぜひお楽しみに、乞うご期待ください」とメッセージが送られ、会見が締め括られました。

撮影:蓮見徹

ミュージカル『ジキル&ハイド』は2026年3月15日(日)から29日(日)まで東京国際フォーラム ホールCにて上演。4月3日(金)から6日(月)まで梅田芸術劇場メインホール、4月11日(土)から12日(日)まで福岡市民ホール 大ホール、4月18日(土)から19日(日)まで愛知県芸術劇場 大ホール、4月25日(土)から26日(日)までやまぎん県民ホールにて上演が行われます。公式HPはこちら

Yurika

お二人の圧巻の「時が来た」を聴いてすでに胸がいっぱいになりました…劇中で歌われるのも今から本当に楽しみです。