2026年3月から4月にかけて、東京・大阪・福岡の3都市で上演されるミュージカル『破果(パグァ)』。ミュージカル界をけん引する花總まりさんと浦井健治さんが共演する本作は、殺し屋たちが描かれる韓国発のアクション・ミュージカルです。
ベストセラー韓国文学を原作としたアクションミュージカル
近年、韓国文学では、『82年生まれ、キム・ジヨン』(作:チョ・ナムジュ)や『アーモンド』(作:ソン・ウォンピョン)など、日本でも大ヒットを記録した名作が多く生み出されています。
その中でも、「韓国文学史上最高の『キラー小説』」として知られているのが『破果(パグァ)』(作:ク・ビョンモ)です。日本でも2022年に岩波書店より刊行され、2024年には第15回翻訳ミステリー小説大賞に輝きました。
そのほか、アメリカのニューヨークタイムズによる「注目すべき本100選」にも選定され、世界13ヶ国で翻訳されているベストセラー小説です。
主人公・爪角は、60代女性の殺し屋。韓国文学史上、前例のない主人公だと言われています。
【あらすじ】
人生のほとんどをプロの暗殺者として生きてきた爪角(チョガク)。
超一流の暗殺者であった彼女も年を重ね、身体の衰えから引退を決意する。
今まで守るべきモノを作らず独りで生きてきたが、捨てられていた老犬や心を開いて接してくる近所の家族など気がつけば守りたいモノができていた。
喜怒哀楽とは無縁の孤独な人生を送るつもりが、他人の痛みを感じるようになりいつしか心にぬくもりを求めるようになっていく…
そんな中、過去の記憶から突如現れた、爪角に復讐を誓った者が現れ、心を許した近所の子供を連れ去った…
人生で初めて誰かのために戦うことを決意した彼女に待ち受けるものとは?!
花總まりの新境地に期待。悲哀の殺し屋×アクション
60代の女殺し屋という、個性的かつ悲哀に満ちた爪角を演じるのは、今やミュージカル界になくてはならないプレイヤーのひとり、花總まりさんです。1994年に宝塚歌劇団雪組トップ娘役に就任、その後宙組でもトップを務め上げた花總さんは、“100年に1人の娘役”とも呼ばれています。
宝塚歌劇団を退団した後、さまざまなグランドミュージカルのタイトルロールを務めました。
特に『エリザベート』でのエリザベート役、『マリー・アントワネット』でのマリー・アントワネット役、『レディ・ベス』(現タイトルは『レイディ・ベス』)でのベス(エリザベス1世)役など、華麗なプリンセス役が印象的な花總さんです。
ところが、今回の『破果(パグァ)』では、これまでのイメージを変化させる“女殺し屋”を演じるだけでなく、殺陣やアクションシーンも多く取り入れられています。ミュージカル『破果』では、さらにパワーアップした花總さんの姿が観られるのではないでしょうか。
花總さんは「私が殺し屋?!まさかそんなオファーがくるとは思っていなかったので、驚きましたが、人物像を読んで是非演じたい!即答でした。熟すことなく腐った果物「破果」の様な人生と感じていた彼女の心の変化、生き様を精一杯演じたいと思います。なんとアクションもあります。私の新たなチャレンジ、是非観にいらして頂けたら嬉しいです。劇場でお待ちしております」と心境を語っています。
実力派・浦井健治との初共演にも注目
そして、かつて爪角に家族を殺され、彼女への復讐を誓う青年・トゥを演じるのは、浦井健治さんです。
浦井さんは2004年の『エリザベート』で皇太子ルドルフ役に抜擢されて以降、ミュージカルからストレートプレイまで多くの舞台作品に出演しています。第22回読売演劇大賞最優秀男優賞ほか、数々の演劇賞の受賞経験がある浦井さんですが、意外にも、ミュージカルで花總さんと本格的に共演するのは、今回が初めてとなります。
爪角とトゥ。“恨み”で繋がったこのふたりを、花總さんと浦井さんがどのように演じるのか、興味深いポイントです。
浦井さんは「やがて消える全てのものへの賛辞。この作品がメッセージとして心に問いかけてきたのは、消えることの真意と、人の中に残るものの“尊さ”でした。有限だからこその、真っ直ぐな刹那。年を取るという人生の挑戦にどう立ち向かうべきか。その問いを、作品の中で共感に変える凄みです。愛した人の死後、人生の喜怒哀楽を無視して生きてきた人生は、もしかしたら、それこそが、愛の形の一つとも言えるのかもしれない。。そんなことも考えてしまいます。そして何よりも、今回、花總さんと共演させて頂けること、心から嬉しく思いますし、激しい格闘、銃撃戦、武器アクションが見どころなので、どう対峙していけるのか、今から楽しみで仕方ありません」と作品への期待を語りました。

そのほか、共演には武田真治さん、中山優馬さん、熊谷彩春さんなど、華やかなメンバーが舞台を彩ります。演出を手がけるのは、スペシャルドラマ「坂の上の雲」、「精霊の守り人」シリーズ、大河ドラマ「麒麟がくる」などでも知られる一色隆司さんです。
ミュージカル『破果(パグァ)』は2026年3月7日(土)から3月22日(日)まで、東京・新国立劇場 中劇場で上演されます。
その後、3月27日(金)から3月29日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホール、4月4日(土)から4月5日(日)まで福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホールで上演されます。
チケット情報など、詳しくは公式ホームページをご覧ください。
ミュージカル、ポップス、文学。魅力的なカルチャーが溢れる韓国ですが、この強烈な作品をどうやってミュージカルに仕上げるのか、非常に楽しみです。 韓国発の新しいエンターテインメントは、日本のミュージカル界にどんな新風を吹き込むのでしょうか。


















