2001年の日本初演から上演を重ねてきたミュージカル『ジキルとハイド』。石丸幹二と柿澤勇人がWキャストで主演を務め、2023年3月に東京国際フォーラム・ホールCにて待望の再演です!
ひとつの体に宿った“ジキル”と“ハイド”の運命は…
『ジキルとハイド』は、イギリスの作家ロバート・ルイス・スティーヴンソンの小説「ジキル博士とハイド氏」をもとにしたブロードウェイミュージカルです。1990年にアメリカ・テキサス州の劇場にて初演。その後7年の全米ツアーを経て1997年3月にブロードウェイでプレビュー公演が行われ、1997年4月から2001年まで1500回以上も上演されました。
1997年にはトニー賞に、最優秀ミュージカル脚本賞、最優秀ミュージカル主演男優賞、最優秀衣裳賞、最優秀照明賞部門の4部門ノミネート。また、劇中の楽曲「This Is The Moment」は、1992年の冬季オリンピックの公式テーマ曲にも選ばれ、作品はもちろん楽曲も世界中から愛されています。
『ジキルとハイド』の物語の舞台は、19世紀後半のロンドン。若き医師であり科学者であるヘンリー・ジキルは、老いて衰えた父を元の父に戻したい一心で、人間の心に潜む善悪2つの別人格について研究をはじめました。
完全な善意をもってすれば、完全なる悪意を消し去ることができるという持論の元、ジキルはある一つの薬を作り出します。そして研究は、作り上げた薬を生きた人間で試してみる段階にまで到達しました。
ジキルはこの研究に対し、病院の理事会で人体実験の承諾を得ようとしますが、理事たちは「倫理に反し、神への冒涜だ」と拒絶。ジキルの婚約者エマの父親であるダンヴァース卿のとりなしもむなしく、理事会はジキルの要請を却下します。
失意のジキルを慰めようと、親友の弁護士アターソンは夜の街へとジキルを連れ出し、たどり着いたのは場末の売春宿「どん底」。そこで出会った娼婦のルーシーからの「(私を)自分で試してみれば?」という言葉に、自らを薬の実験台にすることを閃きます。
アターソンの再三にわたる忠告にもかかわらず、薬の調合を始めるジギル。薬を飲むと、ジキルの悪意=ハイドが現れます。そして、ハイドは次第に薬なしでも現れるようになるのでした…。その頃、ロンドンの街では、次々とむごたらしい連続殺人事件が発生。犯人はハイドなのか?
ひとつの体に宿った二つの魂“ジキル”と“ハイド”の運命はいかに…。
3代目ジキル&ハイドの誕生!鹿賀丈史から石丸幹二に受け継がれたバトンが柿澤勇人へ
ミュージカル『ジキルとハイド』は、日本では2001年に初演。
初演から2003年、2005年、2007年と鹿賀丈史さんがジキルとハイドを務め、2005年度第31回菊田一夫演劇賞演劇大賞を受賞しました。
その後、初代の鹿賀丈史からタイトルロールを引き継ぎ、石丸幹二さんが2012年、2016年、2018年にジキルとハイドを務め、今回2023年の公演で有終の美を飾ります。更に、2023年の公演は、そのバトンを3代目の柿澤勇人さんに繋ぎ、石丸さんと柿澤さんのWキャストで上演です。
柿澤さんは2007年、倍率が100倍以上とも言われた激戦のオーディションを勝ち抜き、劇団四季に合格。ミュージカル『春のめざめ』(2009年)では主演のメルヒオール役を演じました。2011年に劇団四季を退団して以降も、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』(2013年)ではロミオを、『デスノートTheMusical』(2015年、2017年)では夜神月を、ミュージカル『フランケンシュタイン』(2017年、2020年)ではフランケンシュタイン役を演じるなど、数々の舞台で主演を演じてきました。
ウエンツ瑛士さんと双子役を演じたミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』での好演も記憶に新しく、11月にはミュージカル『東京ラブストーリー』にて、ドラマ版で織田裕二さんが演じていた永尾完治役を務めることが決まっています。
ミュージカルスター街道をひた走ってきた柿澤さんが、ついに名作『ジキルとハイド』に。苦悩するジキルと凶暴なハイドという相反する2つの人格を柿澤さんがどのように演じていくのか期待が高まります。
恐ろしくも美しい物語を彩るドラマチックな楽曲
『ジキル&ハイド』は、初代ジギル/ハイドを演じた鹿賀さんが日本での上演を強く望んだ作品。その一因となったのが作品に強く力を与えている音楽でした。鹿賀さんは、ブロードウェイ開幕前にプリキャスト・レコーディングで収録されたCDを聞き「何て凄い音楽なんだろう。何とドラマ性が有る音楽なんだろう」と、人の心の思いがストレートに乗った音楽に魅了されたのだと語っています。
そんな、恐ろしくも美しい物語を鮮やかに描き出す楽曲を手掛けたのは、フランク・ワイルドホーンさん。実はフランク・ワイルドホーンさんが最初に作曲を全面的に手がけたミュージカルが、『ジキル&ハイド』!
『スカーレット・ピンパーネル』や『デスノート』、近年では『フィスト・オブ・ノーススター〜北斗の拳〜』『四月は君の嘘』の楽曲を手がけてた彼のデビュー作は、なんと本作だったのです。
「闇の色合いが勝っている作品であっても、希望はどこかしらに込めたい。闇が立ち込めても、光はなければいけないから」とコメントしているように、暗闇の中にも一筋の希望の光が見える楽曲です。
ミュージカル『ジギルとハイド』は、2023年3月に東京国際フォーラム ホールCにて上演予定。 4月にはツアー公演も予定されています。詳しい情報はこちらからご確認ください。
フライヤーの「石丸ジキル最後の変身、柿澤ジキル実験開始」という言葉に鳥肌が立ちました!新たなジキルの誕生、そして新たな『ジキルとハイド』の舞台の完成が待ち遠しいです。