トニー賞に8部門ノミネート、ブロードウェイにて通算1004回公演を達成した人気ディズニーミュージカル『ニュージーズ』。主人公ジャック役にアイドルグループ「美 少年」の岩﨑大昇さんを迎え、10月9日(水)に日生劇場にていよいよ開幕します。

「時は来た」少年たちが生活と権利を守るべく立ち上がる

ディズニーミュージカル『ニュージーズ』は、1899年のニューヨークを舞台に新聞販売の少年たち“ニュージーズ”を描いた作品。音楽を『美女と野獣』『アラジン』『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』などを手がけたアラン・メンケンが担当しています。

ボブ・ツディカーとノニ・ホワイトが脚本を手掛けた同名映画を原作に、ブロードウェイではディズニー・シアトリカル・グループ製作により初演され、トニー賞ミュージカル作品賞をはじめとする8部門にノミネート、振付賞とオリジナル楽曲賞の2部門を受賞しました。2021年には京本大我さん主演・小池修一郎さん演出にて日本初演され、第29回読売演劇大賞作品賞にも輝きました。

写真提供/東宝演劇部

今回ニュージーズのリーダー的存在であるジャック役を、「美 少年」のメンバーとして数々のテレビドラマ、コンサート、舞台を経験し、演技力と歌唱力に定評のある岩﨑大昇さんが務めます。

若き女性記者で“ニュージーズ”を応援するキャサリン役には元宝塚歌劇団花組トップ娘役で退団後初舞台となる星風まどかさん、“ニュージーズ”の一員でありながら少し他の少年たちとは異なるバックグラウンドを持つデイヴィ役には初演に引き続きの出演となる加藤清史郎さん、ジャックの弟的存在で足の不自由な孤児クラッチー役には数多くのミュージカル出演経験のある横山賀三さん。

バーレスクのスターでジャックの絵の才能や人柄を認める人物メッダ役には初演から続投の霧矢大夢さん、利益のために“ニュージーズ”への新聞の卸値を引き上げようと画策する新聞社オーナー・ピュリツァー役は石川禅さんです。

写真提供/東宝演劇部

岩﨑さんは開幕に先立ち、「ついに『ニュージーズ』の開幕が間近に迫ってまいりました。「時は来た」といったところでしょうか。カンパニーが一丸となって、より良い作品になることを目指し稽古を重ねてきました。演じている自分でも、この作品の世界観に日々魅了されています。皆様が心の底から楽しんでいただけますよう全力を尽くしますので、『ニュージーズ』の世界を全身でご堪能ください!」とコメント。

岩﨑さんはまろやかな歌声に力強さが加わり、ジャックのカリスマ性と孤独を繊細に演じます。数々のダンスナンバーはもちろん、辛い現実から逃げ出したいと強く願う1幕ラストの楽曲「Santa Fe」は圧巻です。

写真提供/東宝演劇部

ヒロインのキャサリンを演じる星風まどかさんは、「課題と向き合いながら模索していたお稽古期間でしたが、やはり『ニュージーズ』のストーリーや素敵な楽曲がいつも背中を押してくれました」と稽古を振り返ります。星風さん演じるキャサリンは、1899年に新聞記者として働き、時代を切り拓く女性ながら、強さよりも知性や軽やかさを感じさせるキャラクター。ニュージーズの少年たちとも自然に打ち解けて踊る姿がチャーミングです。

写真提供/東宝演劇部

加藤清史郎さんは「自分の身は自分自身で守らなくてはいけない社会環境に身を置き、未成年ながら働いて、お金を稼ぎ、生きていく。そんな生活の中にでさえも、各々が悦びを見つけ、それを仲間と共有し、全体の喜びに変換することに長けている“ニュージーズ”。理不尽な事柄をきっかけに、彼らが何のために、誰のために立ち上がり結束するのか。その熱量を、劇場で体感していただき、お客様ご自身の生活や経験に重ね、今日を生きる力の1部に替えていただけますように」とコメント。本作に深い愛情を持つ加藤さんは、デイヴィがジャックと出会って変わっていく様子を丁寧に描いていきます。

写真提供/東宝演劇部

またニュージーズの大きな敵として立ちはだかる新聞社オーナー・ピュリツァーを演じる石川禅さんは、「19世紀。産業革命で大量生産という魔法を手に入れて、世界は一気に資本主義の社会に傾きます。身分の差はなくなっても、資本家階級と労働者階級の貧富の差は、現代社会にも連綿と引き継がれ、時に働く私達に大きな問題を投げかけます。“ニュージーズ”の嘆き、怒り、喜びは、今を生きる私達に大きな勇気を与えてくれるでしょう」とコメント。

写真提供/東宝演劇部

少年たちとキャサリン、この時代の“弱者”は“支配者”にどのように立ち向かうのでしょうか。アラン・メンケンの美しくキャッチーな音楽と、ステージいっぱいに繰り広げられる圧巻の群舞によって生まれるエネルギーは、きっと私たちに生きる力を与えてくれるはずです。

10月9日(水)から29日(火)まで日生劇場にて上演。その後、11月3日(日・祝)から4日(月・休)まで兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール、11月9日(日)から11日(月)まで福岡サンパレスホテル&ホールにて上演されます。公式HPはこちら

Yurika

仲間たちを率いる強さだけでなく、現実から逃げ出したいと願う弱さもあるジャックはとても人間らしく、自分とは正反対なデイヴィと最強のコンビになっていくのが印象的でした。