俳優のムロツヨシさんが主催するmuro式.の4年ぶりの新作公演が決定しました。ムロさんのライフワークともいえるmuro式.とは、そもそもどういったプロジェクトなのか、最新作は一体どんな作品になるのか、昨年11月に行われた制作発表での話を交えながら紹介していきたいと思います。
“やりたい役者、脚本家とやりたいことをやる”がコンセプト muro式.とは
2008年に始まった本プロジェクト。オムニバス形式でつづる会話劇を軸にほぼ毎年上演されてきました。多くの劇作家やムロさんご自身が脚本を書き、それらをムロさんの演出で上演するという舞台。2018年にいったん幕を閉じましたが、2021年に『muro式.がくげいかい』として再開しました。劇場という枠にとらわれず、時には能舞台、時にはトラックの荷台を舞台にした野外劇と豊かな発想で数々の作品が上演されてきました。
今回が実に4年ぶりとなるmuro式.。昨年の11月にトークショーを交えた制作発表が開催され、ムロさん本人から今回の舞台の概要や舞台に対する思いが語られました。
今回上演される『トイ』は、いろんな“問い”を舞台上で表現するという作品になると言います。ムロさんがスタッフと食事をしていた際、最近よく門番を演じることが多かった本多さんの話になり、そこで「門に口をつけたら問いじゃない?問いっていいね」となり、今回のタイトルとなったそうです。制作発表では、「いろんな問いをみなさんに想像してもらって舞台にきていただきたい」と話していました。
そして今回公演を行うのは、東京・下北沢にある本多劇場。ムロさんは今回初めて本多劇場の舞台に立つことになりました。本多劇場の舞台に立つことが夢だったというムロさん、本多劇場での公演を皮切りに全国を回ります。
新たなmuro式.を作る個性豊かな出演者たち
今回、ムロさんとともに『トイ』を作り上げるのは、muro式.に多数出演されている本多力さん、そして初出演となる大西礼芳さんです。
本多さんは、映像・舞台問わず多くの作品で個性の光る演技で活躍されています。そんな本多さん、制作発表会に登壇された際、「またあの時間がやってくることに、楽しくもありしびれる時間でもなんですけど、なんとかして仲が悪くならないまま終わりたい。むちゃくちゃ楽しみ。」と語っておられ、何度もmuro式.に参加し、ムロさんと気心が知れた仲だからこそ出てきた言葉なのかなと思います。
そして初出演となる大西さん。大西さんも映像・舞台問わず多くの作品で活躍されており、昨年は舞台で主演を務められました。大西さんも制作発表に登壇され、緊張しながらも「歴史あるムロさんの舞台に参加させていただくのは嬉しい」と語っていました。
そんな3人によって作り上げられる舞台『トイ』がどんな作品になるのかとても楽しみです。またメインテーマソングを東京スカパラダイスオーケストラが手掛けることが発表されています。
muro式.『トイ』は、4月5日(土)から29日(火)まで東京・本多劇場、5月3日(土)から5日(月・祝)まで広島・アステールプラザ中ホール、5月8日(木)から11日(日)まで福岡・福岡市民ホール中ホール、5月16日(金)から18日(日)まで石川・能登演劇堂、5月21日(水)、22日(木)は石川・石川県立音楽堂邦楽ホール、5月25日(日)から6月1日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて行われます。詳しくはホームページをご覧ください。

今回全国ツアーに含まれている能登演劇堂は、昨年の地震や大雨で甚大な被害を受けた地域にある劇場です。演劇堂自体も被災し舞台機構などに大きな被害が出ました。今回のmuro式.を絶対能登でやりたいというムロさんの強い希望が叶い、今回公演ができることが決まったそうです。すてきな打ち上げ花火が上がることを願いたいです。