医療漫画の金字塔として君臨する、手塚治虫作品の名作「ブラック・ジャック」がミュージカル化されることが決定しました。演出に栗山民也さん、主演に坂本昌行さんを迎え、2025年6月28日からIMM THEATERにて開幕します。

個々のキャラクターが人間味溢れる作品に

1973年「週刊少年チャンピオン」での連載開始から50年以上を経ても、手塚治虫作品の中でも根強い人気を誇る「ブラック・ジャック」。今いちど手塚作品を掘り下げ、「命の価値」、「再生」をテーマに、生演奏でのミュージカル『ブラック・ジャック』として上演されます。

演出は、紀伊國屋演劇賞個人賞、読売演劇大賞最優秀演出家賞、芸術選奨文部科学大臣賞など多数の受賞歴を有する日本を代表する舞台演出家・栗山民也さん。栗山さんは過去にも手塚作品の演出を手掛けており、「今まで創ってきた舞台は『火の鳥・鳳凰編、黎明編、未来編』、『ブッダ』、『アドルフに告ぐ』。全身で呼吸するたくさんの登場人物たちの声が、今でも熱く聴こえる。今回は医学を通し人間の身体という永遠の謎に向かう。「この世に不必要な人間や生命は一つもない」これはブッダの言葉だが、このブラック・ジャックというダークヒーローも同じく、「すべて命あるものは平等だ」と、生きるあらゆるものの身体に取り憑く病と真に向き合うのだ」とコメントしました。

そしてブラック・ジャックを演じるのは、数々のミュージカル作品で主演を演じ常に高い評価を得る坂本昌行さん。「子供の頃に読んでいた、あの主人公を自分が演じることになるとは、夢にも思いませんでした。大変光栄な事であり、重責に身が引き締まる思いです」と出演の喜びを語り、「今作は、原作から飛び出して来たものではなく、より個々のキャラクターが人間味溢れる作品になると思います」と語りました。

双子の姉の腹の中で18年間生き続けていた畸形嚢腫でブラック・ジャックに摘出され人工の身体を得た女の子、ピノコ役を演じるのは、ミュージカル初挑戦となる矢吹奈子さん。安楽死の必要性と正しさを信念とする医師ドクター・キリコ役は、2年ぶりの舞台出演となる味方良介さん。

さらに、今井清隆さん、大空ゆうひさんといった実力派俳優が出演し、作品の奥行きを深めます。

日本を代表する舞台演出家の栗山民也さん。脚本は、劇団「ラッパ屋」主宰で、“大人のエンターティーメント”を志す作風で人気の鈴木聡さん。音楽は、演劇やオペラなど数々の舞台作品で日本にとどまらず海外でも活躍する笠松泰洋さんが務め、作品に彩りを加えます。

<あらすじ>
天才外科医で、世界中で死の危機にさらされた重症の患者をいつも奇跡的に助けるが、法外な治療費で、闇医者、守銭奴、と悪い評判もある黒男=ブラック・ジャック。
今まさに新進気鋭のスターとなろうとしている真理子という女優が、初主演映画の撮影中に倒れる。彼女は食べ物をいっさい受け付けない奇病に冒され、やせ細り、命までも風前の灯火。そんな彼女のために、叔父で医師でもある白川がブラック・ジャックに依頼をする。しかし、彼でも原因がわからないと知り絶望した彼女は、安楽死も医療のひとつのあり方だと主張するドクター・キリコに出会う。一方、真理子をなんとか直そうと没頭しているブラック ・ジャックに助手のピノコはやきもちを焼きながらも優しく寄り添う。そんなある日、ブラック・ジャックは真理子の昔の話を聞き―――

ミュージカル『ブラック・ジャック』は2025年6月28日(土)から7月13日(日)までIMM THEATERにて上演。7月18日(金)には新潟公演(新潟テルサ 大ホール)、7月21日(月・祝)には名古屋公演(COMTEC PORTBASE)、7月23日(水)には浜松公演(アクトシティ浜松 大ホール)、7月26日(土)には札幌公演(カナモトホール[札幌市民ホール] 大ホール)、7月31日(木)から8月2日(土)には兵庫公演(兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール)が行われます。公式HPはこちら