音楽活動や役者業、マルチに活躍するSUPER EIGHTの安田章大さん。この夏、約2年ぶりに“唐十郎作品”に出演します。そして今回は “テント演劇”にも初挑戦。安田さんの更なる進化から目が離せません!
アングラ演劇の真骨頂!時空を超えて蘇る唐作品
皆さんは唐十郎さんをご存知でしょうか。前衛的で実験的、そして過激な、いわゆる“アングラ演劇”の先駆者とも言える方。演劇の歴史を語るには欠かせない人物です。新宿・花園神社境内や小学校跡地に紅テントを建て演劇を行うその革新的なスタイルは数々の話題を呼びました。
この度上演が決まったのが、そんな唐十郎さんの初期作品である『愛の乞食』『アリババ』の2つ。唐さんが主宰の劇団「状況劇場」の作品の中でも“原点”と言われる名作です。
演出を務めるのはかつて「状況劇場」で役者として活躍した金守珍さん。現在は「新宿梁山泊」の主宰として数々の作品に出演、そして演出を手掛けています。
「新宿梁山泊」といえば2024年12月・第59回 紀伊國屋演劇賞【団体賞】受賞、2025年2月・第32回 読売演劇大賞【最優秀作品賞】受賞と、アングラ演劇界のエースとも言える存在。今回はこの劇団の新公演として、唐十郎さんの傑作たちが半世紀以上の時空を超えて上演されます。総力を上げて紡がれる愛とロマンの物語……期待は高まるばかりです。
会場はもちろん新宿・花園神社境内。「新宿梁山泊」お馴染みの特設“紫テント”にて上演されます。
そしてこの公演の主役に抜擢されたのが、SUPER EIGHTの安田章大さん。2023年の『少女都市からの呼び声』ぶりに金さんとタッグを組み、再び唐作品に挑みます。

安田さんについて金さんは「一昨年の『少女都市からの呼び声』では、安田氏の演技の勘のよさと、溢れるエナジー、そしてなによりも美しい歌声に心底しびれた。稽古中、唐さんの言葉を大事にするがゆえに、いったん自分の言語である関西弁に置き直して感情をつくってから元の台詞に戻すと聞き、舞台に賭ける情熱と並々ならぬ努力に感動した」と大絶賛。
そんな金さんからの期待を背負いつつ、安田さんは「僕は今回紫に立たせて頂きます。紫や赤やそれぞれの色が混ざることで、唐十郎の意志を繋ぐ役目になれればと強く願います」と彼らしい言葉選びで決意を語りました。安田さんはこれまでテント芝居に憧れを抱いていたのだとか。満を持して新しい世界に挑戦する姿に大注目です。
王道の魅力を!精鋭メンバーで唐十郎の原点へ
本公演は2025年の6月から7月にかけて上演されます。加えて、安田さん・金さんコンビは8月から世田谷パブリックシアターにて上演される同作、『愛の乞食』『アリババ』にも主演・演出として参加予定。こちらは東京公演を皮切りに10月まで全国ツアーが続きます。
テント公演とツアー公演、それぞれ同じ2作品が上演されますが、その内容はかなり違うもの。8月からのツアー公演はなんと、あえて“全編関西弁”という新たなアプローチで挑むのです。これを“ネオ”唐作品とするならば、6月からのテント公演はまさに “王道”唐作品そのもの。唐十郎さんを心から愛する「新宿梁山泊」の紫テントだからこそ出せる味は、絶対に現地で体感すべきです。
“王道”と“ネオ”、出演する役者陣も変わるので、同じ作品でも違った世界を楽しめるはず。どちらも観劇して唐作品の魅力にどっぷり浸かるのも素敵ですね。
テント公演の出演は、安田さん・金さんをはじめ、水嶋カンナさん、藤田佳昭さん、二條正士さん、宮澤寿さん、柴野航輝さん、荒澤守さん、宮崎卓真さん、原佑宜さん、寺田結美さん、若林美保さん、紅日毬子さん、染谷知里さん、諸治蘭さん、本間美彩さん、河西茉祐さん、芳田遥さん、町本絵里さん、森岡朋奈さん、とくながのぶひこさんの全21名。アングラ演劇だけでなく幅広い舞台作品で経験を積んだ“演劇人”たちが、全力で作品に挑みます。
金守珍さん率いる「新宿梁山泊」が鮮やかに蘇らせる唐作品、珠玉の2作。安田章大さんの新しい挑戦。“アングラ”らしさがギュッと詰まった世界をぜひ、生でご体感ください!
新宿梁山泊 第79回公演『愛の乞食』『アリババ』は、2025年6月14日(土)~7月6日(日)まで、新宿・花園神社境内 特設紫テントにて上演されます。前売り券の一般発売は5月3日(土・祝)の10時よりスタート。詳しくは公式サイトをご覧ください!

学生時代、授業でよく唐十郎さんのお話が出ました。こんなにも作品と世界観が長く愛され続けるのは、作品だけでなく、唐さんご自身にも人を惹きつける魅力があったのだろうなと感じます。