2025年8月2日(土)から10日(日)まで東京ガーデンシアターで上演される『ナイツ・テイル -騎士物語-』ARENA LIVE。本作に出演する堂本光一さん、井上芳雄さんらが開幕記念会見に臨みました。
「音に溺れていただけたら」「ミュージカルの新たな試みに」
シェイクスピア最後の作品として知られる「二人の貴公子」(共作・ジョン・フレッチャー)を原作に、世界的演出家のジョン・ケアード氏による脚本・演出、堂本光一さん、井上芳雄さんによるタッグで舞台化されたミュージカル『ナイツ・テイル -騎士物語-』。

2018年に帝国劇場で世界初演を迎えたのち、2020年にコンサート版、2021年に再演と、上演が重ねられてきました。そして2025年、本作は演奏に東京フィルハーモニー交響楽団を迎え、アリーナライブという新たな形に。
開幕記念会見には堂本光一さん、井上芳雄さん、音月桂さん、上白石萌音さん、島田歌穂さん、宮川浩さん、大澄賢也さんが登壇しました。

「去年イギリスに行かせていただいてジョンと話をさせていただいて、そこからずっと楽しみにしていた」と明かした堂本さん。ガーデンシアターという大きな会場での上演にあたり、「どういった形になるのか想像がついていなかったんですけれど、未だに想像がついておりません。お客様が入って、どういった感じになるのか。ジョンは“新たな演劇が出来た”と仰っていたんです。『ナイツ・テイル』という演劇も楽しんでいただけるし、コンサートという形で、東京フィルハーモニーの素晴らしい演奏の中で歌わせていただけるし、そこにお客様が入っていただいて、完成する瞬間というのを楽しみにしております」と心境を語りました。

井上芳雄さんは、「新たなジャンルなのかもしれないんですけれど、でもミュージカルをこの大きさのホールでやるというのは前例がないと思うので、とても楽しみです」と語りつつも、「聞いていた話と全然違うっていうか、こんなはずじゃなかったなって」とぼやき、キャストから笑いが。
「コンサートなので立って歌えばいいんだろうと思って来たんですけれど、ものすごい動きと、残念ながら殺陣もあって…(キャスト笑い)。でもお客様が喜んでくださるなら出来る限りのことをしたいなと思っていますし、この作品でこのメンバーで、宮川さんは初めてですけれども、集まれたのがとても嬉しくて、稽古で既に幸せな夏だなと感じているので、お客様とさらにその時間を共有できたら」と語りました。

音月桂さんは「衣装もガラッと変わって、私は実はパンツスタイルになりました。初演から7年経つのですが、セットや衣装にまた背中を押されて役に対して新たな発見がありました。シャツスタイルの光一さん・芳雄さんも凄く素敵で、お客様も多分そういうのも楽しみにしてらっしゃるのかなと。映像でアップで映るシーンもあるので、ミュージカルとライブの良い歩み寄りがあってとても楽しみです」とコメント。

上白石萌音さんは「オーケストラの皆さんも、バンドの皆さんも、和楽器の皆さんも、全員常に舞台上にいらっしゃいますし、我々演者も基本的にはずっと舞台上に居続ける、ちょっと光一さんは隙あればはけようとされますけれど(堂本さん「違う違う!そんなことない!笑」)、今まで以上に全員で作って、全員でお届けしているなというのを強く感じています」とカンパニーの一体感をアピール。

島田歌穂さんは「稽古場では稽古すればするほどジョンが色々なことを思いついて、劇場に入ってからも新たな発見がジョンの中で生まれてきて。きっとお客様の反応を見ながら本番も、新しいアイデアが生まれていくのかなと。千秋楽までずっと進化し続ける作品なのかなと感じています」と演出家ジョン・ケアード氏の創作風景を明かしました。

本作に初参加となる宮川浩さんは「皆どうなるかわからないっておっしゃっているんですけれど、僕こそ本当に何がなんなのか訳がわからない(笑)。こんな広い会場にきて、本編に出ていたかったなとつくづく思っています。ただただ、本当に頑張るだけです」と意気込みを。

大澄賢也さんは「ジョンのクリエイティブに対する情熱・想像力に驚かされています。今回、振付アシスタントという立場で、初演再演のものを振り起こしすれば良いのかなと思っていたんですが、どんどんと新しい振りを作ってくれと言われて、それに付いていくのに必死でした。光一くんのソロナンバーを振付させていただいたり、芳雄くんのソロナンバーを男性陣みんなで作っていたり、ラストも振付させていただきました。ライブ用にお客様と一体になれるような演出をジョンが作ってくださり、すごく盛り上がれるものになっておりますので、ぜひ楽しみにしていただきたい」と語ります。
本作はペンライトもグッズとして販売されており、客席のペンライトが「星」や「森の中の蛍」としての役割も担っているのだとか。堂本さんは「座っている席から見える景色というのがあると思うんです。ペンライトで埋めつくされたときにやっぱり景色は変わっていくと思うので、そういった意味でも想像できていないというのがあります。演劇的な部分もあるんですけどちょっと緊張せずに見てねというジョンの思いもあると思う」と語りました。
また東京フィルハーモニー交響楽団の演奏については、「1人1人が素晴らしい演奏家の皆さんですから、その中で歌わせていただけるというのは、もちろん気持ち良さもありますし、凄くありがたいなという思いの中でやらせていただいております。お客さんはとにかくその音に溺れていただけたら」とコメント。
井上芳雄さんからは「指揮は音楽監督のブラッド・ハークさんが自らやってくれます。日本語は基本的に分からないんですけれど、僕たちの台詞のきっかけをローマ字で起こして全部聴きながらやってくれていて」と明かされました。

最後に堂本さんから「前回のコンサート版はコロナ禍で、これからどうなっちゃうんだろうという雰囲気もある中、僕らもソーシャルディスタンスを保ちながら演じた記憶があります。今こういう形ができることを喜ばしく嬉しく思いますし、お客様には世界に浸っていただきたいなと思います」、
井上さんから「出演者・ミュージシャン100人以上の人たちが舞台上に立って、大きなステージ、大きな画面でミュージカルをお届けするというのが新たな試みだと思います。これから『レ・ミゼラブル』のワールドツアーも来ますし、『のだめカンタービレ』もこの後同じような形でやるみたいなので、新しいミュージカルの流れができるんじゃないかなとワクワクしています。ぜひ皆さんも一緒に楽しんでいただきたいなと思います」とメッセージが贈られ、会見が締め括られました。
『ナイツ・テイル -騎士物語-』ARENA LIVEは8月2日(土)から10日(日)まで東京ガーデンシアターにて上演。公式HPはこちら

お互いの印象の変化を問われるとお互いに「変わらない」と答えた堂本さんと井上さん。堂本さんは井上さんに対して「忙しくて、序盤は稽古に全然来ない(笑)。連続してステージに立っているのが本当に尊敬できるところだし、決しておざなりにせず、一つ一つに真摯に取り組み、本番に間に合わせてくる。稽古場では色々なことをチャレンジしていく姿が、カンパニーに“ここまでやって良いんだ”と思わせてくれるので、いつも安心して一緒にステージにいます」とコメント。井上さんは「光一くんを取り巻く状況はどんどん変わっているので、大変なこともあるでしょうけれども、光一くんの持っている世界が広がっているなと感じて、凄く刺激を受けます。でも稽古場での居方は変わらないし、朝全然起きていない感じも変わらなくて愛おしい(笑)」と語られました。