韓国発のオリジナルミュージカル『最後の事件』が、2026年2月に日本で初めて上演されます。アーサー・コナン・ドイル役を加藤和樹さん、矢崎 広さん、髙橋 颯さん。シャーロック・ホームズ役を渡辺大輔さん、太田基裕さん、糸川耀士郎さんが務める、トリプルキャストによる2人芝居で、それぞれのペアが紡ぐ物語を楽しめるところが大きな魅力です。
あの名探偵キャラクターと生みの親を描くミュージカル
ミュージカル『最後の事件』は、2021年に韓国で初演された2人芝居です。
作品のモチーフとなっているのは、作家のアーサー・コナン・ドイルが1893年に発表した短編集『シャーロック・ホームズの回想』の「最後の事件」。主人公のシャーロック・ホームズが宿敵であるモリアーティ教授と対決し、衝撃の結末を迎えるというストーリーです。
「シャーロック・ホームズ」といえば、架空の人物でありながら世界で最も有名な探偵として知られ、その小説シリーズは今なお多くの人に愛読されています。魅力的なキャラクターを生み出して一躍人気作家となったコナン・ドイルですが、実は華々しい成功の裏には知られざる苦悩と葛藤がありました。
本作ではそんなコナン・ドイルの人物像に焦点を当て、自らの夢を叶えるために「シャーロック・ホームズ」と対峙することになる背景が、舞台上で描かれます。
日本では、2023年に初めて開催された韓国ミュージカルの紹介イベント『K-Musical Roadshow in TOKYO』にて、本作のダイジェストシーンが上演されました。そして来たる2026年2月、満を持して日本に初上陸します。
<あらすじ>
患者が訪れない病院の医師であり、読者に見放された作家、アーサー・コナン・ドイルは人生を変えるため探偵小説を書き始める。その小説の主人公の名はシャーロック・ホームズ。ホームズは完璧なプロファイリング能力を備え、探偵として必要な全てを兼ね備えた最高の探偵である。作家と小説の中の登場人物でありながら、ドイルとホームズは最高のパートナーとなり、探偵短編小説を完成させていく。小説内の様々な事件を華麗に解決していくホームズに、人々は熱狂していった。ドイルはホームズが主人公の探偵短編小説で成功している中、長年夢に見てきた歴史長編小説を書きたいと願うが、出版社からは「ホームズが登場しない小説は必要ない」という拒絶ばかりを受ける。ドイルは自身の夢を叶えるため、ホームズとの運命を変える重大な決断を下す。小説と現実が入り混じる中、果たして二人の結末はどうなるのか――
日韓のクリエイターが共創する舞台
ミュージカル『最後の事件』の脚本・作詞・演出は、オリジナル版の作・演出を手掛けたソン・ジェジュンさんです。韓国を代表するクリエイターであり、2008年の『SINGLES』で第2回ミュージカルアワードの最優秀賞と作詞・脚本賞を同時受賞。2019年には『READY TO FLY』で第3回韓国ミュージカルアワード・ニューウェーブ賞を獲得しました。また、脚本・作詞・演出を担当したミュージカル『CAFFEINE(カフェ・イン)』と『RUN TO YOU』(原題:『StreetLife』)で日本にも進出。特に『RUN TO YOU』は韓国人キャストによって何度か上演されただけでなく、2024年には日本人キャストでの公演も実現しました。
また、作曲もオリジナル版と同じくホン・ジョンイさんが担当。
そして、福田響志(なるし)さんが日本版に欠かせない翻訳・訳詞と演出補を担います。福田さんは幼少期にキッズダンサー、子役として活動し、大学の演劇科を卒業。近年は振付や海外戯曲の翻訳・訳詞を数多く担当するほか、オリジナルの脚本や作詞も手掛けています。
6名の俳優陣が織りなす物語に期待
本作の登場人物は2人だけだからこそ、俳優同士の演技がぶつかり合ってどんな化学反応が起こるのか期待が高まります。しかも、それぞれの役がトリプルキャストとなっているのも見どころのひとつ。組み合わせが変わることで物語の見え方も多様に広がっていき、何度でも劇場に足を運びたくなります。
アーサー・コナン・ドイル役の1人目は、俳優に歌手、声優と幅広い分野で才能を発揮する加藤和樹さん。直近では、2025年12月に開幕するミュージカル『サムシング・ロッテン!』への出演が控えています。また、韓国創作ミュージカルの中で日本でも人気の高い『マタ・ハリ』や『フランケンシュタイン』に初演から参加しており、2021年には『ジャック・ザ・リッパー』の日本版に出演。韓国のミュージカル俳優達とも親交があるといい、両国のミュージカル界をつないでいます。
2人目は、数々の舞台やミュージカルで存在感を示している矢崎 広さんです。2024年7月から2025年6月まで舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』のロン・ウィーズリー役を務めたほか、2025年はミュージカル『ボニー&クライド』をダブルキャストで主演。また、リーディングシアター『シャーロック・ホームズシリーズ』の『緋色の研究』『四つの署名』に出演した経験も、役に対する解釈や表現に活きてくるでしょう。
3人目は、ダンス&ボーカルグループ「WATWING」のメンバーである髙橋 颯さん。2020年のミュージカル『デスノート THE MUSICAL』ではL役、2021年と2025年の『ジェイミー』では主役のジェイミー役を演じ、俳優としての経験値を着実に積んでいます。
一方のシャーロック・ホームズ役を演じる1人目は、ミュージカルや舞台を中心に活動し、演技力を高く評価されている渡辺大輔さん。近年の出演作に、2024年のミュージカル『20世紀号に乗って』『next to normal』、2025年の舞台『1789 -バスティーユの恋人たち-』、ミュージカル『ジェイミー』など。過去に共演経験のあるコナン・ドイル役3名との掛け合いに注目です。
シャーロック・ホームズ役の2人目は、太田基裕さん。ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズや『ロミオ&ジュリエット』『ダンス オブ ヴァンパイア』など多彩なジャンルの作品で主要な役を務めてきました。2025年12月からはミュージカル『十二国記 -月の影 影の海-』に参加します。
3人目は、『刀剣乱舞』シリーズや『「黒執事」~緑の魔女と人狼の森~』といったミュージカルの2.5次元作品で活躍する糸川耀士郎さん。2024年のミュージカル『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』や、2025年に世界初演されたオリジナルミュージカル『ミセン』などにも出演し、活躍を続けています。
ミュージカル『最後の事件』は2026年2月7日(土)から3月8日(日)まで東京の博品館劇場、3月13日(金)から16日(月)まで大阪のサンケイホールブリーゼで上演されます。東京・大阪公演ともに、チケットの一般発売は11月29日(土)より開始。なお、一部公演では終演後に出演者2名が登壇するアフタートークも開催予定です。詳細は公式HPをご確認ください。
シャーロック・ホームズとコナン・ドイルの2役それぞれがトリプルキャストとあって、ペアの個性が物語にも反映されるかと思うと、全ての組み合わせを観たくなります。


















