下北沢と言えば、おしゃれなカフェや雑貨屋、ライブハウスや古着屋などが集結した人気の街。実は、多くの劇場が集まった「演劇の街」でもあるのです。今回は下北沢の代表的な劇場である本多劇場を中心にご紹介します。
若手俳優の聖地!?歴史ある本多劇場
下北沢には多数の小劇場が密集しており、その数なんと10以上。その中心的な存在を担っているのが、駅から徒歩2分の場所にある本多劇場です。1982年のオープン以来、東京小劇場の代表として人々に愛され続けてきました。
座席数は386席、小劇場の中では最大規模と言われています。こけら落としは唐十郎の『秘密の花園』。過去には野田秀樹さん演出の作品や、柄本明さん率いる劇団・東京乾電池の作品も多数。若手舞台俳優の登竜門的存在としても知られています。
若手への熱い想いを胸に作り上げた劇場街
本多劇場を設立した本多一夫氏は若い頃、新東宝所属の俳優として活躍。しかし新東宝が倒産してしまい、下北沢でバーを開業しました。その後飲食店やビルを運営する実業家に。しかし演劇の世界を諦めきれず、下北沢に劇場を設立することを決意します。
この頃の演劇界の主流は、誇張した表現やリアリティのない設定を避ける「リアリズム演劇」。これに対抗し、自分たちで自由に表現を追求したいと願った若者たちは小劇場で演劇を行なっていました。多彩な才能と創造性を持った若者の夢を叶えようと、本多氏は演劇専用劇場の本多劇場をオープン。これを皮切りに、「OFF・OFFシアター」「駅前劇場」など下北沢に次々と小劇場を設立、本多劇場グループが形成されました。こうして下北沢は演劇の街として発展し、また東京の小劇場演劇発展の重要な拠点となったのです。
週末は下北沢で演劇を楽しんでみませんか?下北沢にはよく行くという人も、演劇の街としての新たな魅力をぜひ発見してみてください。周辺のカフェ巡り、雑貨屋巡りと合わせて、充実した1日になること間違いなしです!