ロングラン公演中の舞台『ハリーポッターと呪いの子』は、2023年7月で2年目を迎えます。6月から新キャストも加わり、そろそろ観に行きたいと思っている方は大勢いるはず。観劇の前に予習をしておくと安心ですが、とはいえ「ハリーポッター」は映画全8作、小説7作(全11巻)の長編作品なので全て網羅するにはかなりの時間が必要です。そこで今回は、「ハリポタ」シリーズの中から観劇前に見ておくべき舞台に関連する作品を紹介します!

舞台の主軸は映画4作目『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』

『ハリー・ポッターと呪いの子』は、ハリーが魔法界を救ってから19年後の世界が舞台となります。映画8作目『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』はハリーが息子たちをホグワーツ魔法魔術学校へ送り出すシーンで幕を閉じますが、その次男が舞台の主人公であるアルバス・セブルス・ポッターです。

アルバスはホグワーツへ向かう列車の中でドラコ・マルフォイの息子であるスコーピウス・マルフォイと親しくなり、入学後は彼と同じ寮に入ることに。常に父と比べられてプレッシャーを感じていたアルバスと、ヴォルデモートの息子ではないかと悪い噂を立てられ孤立していたスコーピウスは意気投合し、友情を育みます。

そんなある日、アルバスはスコーピウスと共にタイムスリップを決行するのですが、その行先となるのが映画4作目の『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の世界です。

『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』ではホグワーツ、ダームストラング、ボーバトンの3校の生徒が競う三大魔法学校対抗試合が行われ、ハリーとセドリック・ディゴリーがホグワーツの代表として選ばれます。2人は最終課題をクリアしますが、ヴォルデモートの復活によりセドリックは命を落としてしまったのです。

アルバスはセドリックの父・エイモスがハリーにタイムターナー(逆転時計)を使って過去に戻り、セドリックの命を救ってほしいと頼んでいるのを聞きます。リスクを恐れたハリーがそれを拒んだため、アルバスが代わりにセドリックを救おうと過去へ行くのです。

アルバスとスコーピウスは三大魔法学校対抗試合を開催中のホグワーツに紛れ込むため、劇中では『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』でお馴染みのシーンが数多く登場します。また2人はセドリックの死亡を阻止するために過去を改変していくのですが、それによって未来が悪い方向に転び、いわゆるパラレルワールドが生まれてしまうのです。

『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の物語をおさらいしておけばアルバス達の取った行動の意味がわかりやすく、また舞台で再現されている名シーンにもより感動できます。

舞台のカギを握るタイムターナー(逆転時計)が登場する作品

アルバスたちが過去へ行くときに使うのが、タイムターナー(逆転時計)と呼ばれる魔法の装置です。タイムターナーは時間を逆転させる呪文が施されている砂時計が付いたネックレス。

初めて登場したのはシリーズ3作品目の『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』で、砂時計を1回回すと1時間前に戻り、最長5時間前まで過去に戻れるというものでした。劇中ではハーマイオニーが、時間割が重複する授業を受けるためにマクゴナガル先生から借りており、シリウス・ブラックとバックビークを救う際にも使っています。

実はこのタイムターナー、マクゴナガル先生がハーマイオニーのために魔法省から借りていて、元々は魔法省神秘部が管理しているものです。

しかしシリーズ5作目『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』では、ヴォルデモートと魔法省の戦いによって全てのタイムターナーが壊されてしまいました。

ではなぜ舞台版ではアルバスたちがタイムターナーを使っているのかというと、実は戦いの後にドラコの友人セオドール・ノットによって違法品が作られたためです。

このタイムターナーは時間制限がなく何年も前の過去を自由に行き来することができ、危険性が高く魔法省に没収されていました。アルバスたちは魔法省から違法品のタイムターナーを盗み出し、そこから物語が大きく動き出します。舞台のカギとなるタイムターナーが登場する作品も予習しておけば、さらに理解が深まりますよ。

舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』はチケット好評発売中。公式HPはこちら

さきこ

『ハリー・ポッターと呪いの子』は舞台オリジナルのストーリーではありますが、歴代の『ハリポタ』シリーズに登場する人物の名前や魔法装置、呪文などがたくさん登場します。予習で抑えきれなかった部分は、舞台観劇後に映画もしくは小説でおさらいするのもおすすめです。舞台版の脚本も出版されていますので、観劇後も舞台の余韻で頭がいっぱいになってしまったときはそちらもぜひ!