数々の舞台やドラマ作品で脚本・演出を手がける三谷幸喜さん。女優、そして声優としても活躍する戸田恵子さん。実力派の2人がタッグを組んだ舞台『虹のかけら~もうひとりのジュディ』が、2024年5月から7月にかけて上演されます。今回は、NYでの公演後に凱旋公演も行われる予定です。
舞台『虹のかけら~もうひとりのジュディ』とは
『虹のかけら~もうひとりのジュディ』は、三谷幸喜さんが構成・演出を担当し、戸田恵子さんが出演する一人舞台の作品。戸田恵子さんの生誕60周年を記念して、2018年に初演されました。舞台は好評のうちに幕を閉じ、2019年には再演されています。
戸田さんが演じるのは、ハリウッドを代表するミュージカル女優、ジュディ・ガーランド…ではなく、彼女の専属代役兼付き人だったジュディ・シルバーマン。シルバーマンの日記から、ジュディ・ガーランドについて書かれたところを抜き出し、朗読する形で物語が展開していきます。また、随所にジュディの持ち歌が盛り込まれていて、オリジナルストーリーだけでなく歌唱シーンも見逃せません。
知られざる“もうひとりのジュディ”の目を通して、スターであるが故の栄光と苦悩に翻弄されたジュディ・ガーランドの姿が描き出されています。
ジュディ・ガーランドは、映画『オズの魔法使い』のドロシー役で一躍有名になりました。彼女の歌う「オーバー・ザ・レインボー(虹の彼方に)」は、今なお世界中で愛される名曲のひとつです。
若くしてトップスターとなったジュディですが、薬物依存や私生活でのスキャンダルにより、一転してお騒がせ女優に。1969年に47歳で急逝するまで、その人生はまさに波乱万丈でした。
「ジュディのことをもっと知りたい!」という方には、2019年公開の映画『ジュディ 虹の彼方に』もおすすめ。(関連記事:ステージに愛され、苦しめられた半生。映画『ジュディ 虹の彼方に』 – 演劇メディアAudience(オーディエンス))
三谷幸喜と戸田恵子が贈る人間ドラマ
三谷幸喜さんといえば、独特の笑いをちりばめながら人物を生き生きと描く作風が大きな魅力。学生時代に劇団を結成した経歴を持ち、活動のルーツは舞台にあるともいえるでしょう。(関連記事:日本の喜劇といえば三谷幸喜!人物像とおすすめ作品をご紹介)
戸田恵子さんも、ミュージカルに舞台、TVドラマなど幅広いジャンルで活躍する実力派女優です。彼女が“もうひとりのジュディ”という難しい役をどう演じるのか、気になりますね。また、音楽監督の荻野清子さんはこれまで多くの三谷作品に携わっていて、強力なメンバーによる舞台演出にも期待が高まります。
2019年以来、5年ぶりとなる今回の公演は、日本でのプレビュー公演からスタート。その後、ニューヨークにあるカーネギー・ホールのワイル・リサイタルホールにて上演されます。さらに凱旋公演が予定されていて、観劇のチャンスが多いのも嬉しいポイントです。
実は今回、「ニューヨーク・カーネギー・ワイル・リサイタルホールバージョン」としてリメイクした演出となっているそう。初めて観劇する方はもちろん、初演・再演を観た方も、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
『虹のかけら~もうひとりのジュディ』は、5月31日(金)から6月15日(土)まで東京・埼玉・新潟・愛知・大阪でプレビュー公演を実施。6月25日(火)から27日(木)までNYにて上演され、7月6日(土)から15日(月・祝)にかけて大阪・埼玉・三重・東京で凱旋公演を開催します。詳細は公式HPをご確認ください。
ジュディ・ガーランドの影として寄り添い続けたという、ジュディ・シルバーマン。世間ではあまり知られていない人物を主役に据えた挑戦的なストーリーに、とても興味を惹かれます!