舞台芸術を上演する「劇場」とひと言でいっても、規模や特徴は実にさまざまです。そこで今回は、総客席数が1,000席以上ある大劇場に注目。北は関東から南は九州まで、個性の光る大劇場を10か所ご紹介します。
日生劇場(東京都)
総客席数:1,334席(2階席まで)
日生劇場は、近隣に東京宝塚劇場やシアタークリエ、帝国劇場といった劇場施設が集う日比谷・有楽町エリアに位置。昭和を代表する建築家の村野藤吾氏の設計により、1963年に開場しました。劇場の中は壁も天井も全て曲面で構成され、ガラスタイルやアコヤ貝の装飾も相まって唯一無二の幻想的な雰囲気が漂います。GC(グランドサークル)と称される中2階席は、ほどよい目線の高さでゆったり座って観劇できると好評。
また、小学生を無償で招待する「ニッセイ名作シリーズ」や家族揃って楽しめるファミリーフェスティヴァルなど、大人から子どもまで舞台芸術に触れられる機会を提供しています。公式HPはこちら。
静岡県舞台芸術センター Shizuoka Performing Arts Center(静岡県)
総客席数:静岡芸術劇場401席、野外劇場「有度」400席、屋内ホール「楕円堂」110席、稽古場棟「BOXシアター」約110席
「SPAC」の通称で知られる静岡県舞台芸術センターは、専用施設において俳優やスタッフが活動する公立文化事業集団。人材の育成や『SHIZUOKAせかい演劇祭』の開催、中高生対象の鑑賞事業など、舞台芸術の未来につながる取り組みにも注力しています。
その拠点の1つが、県立複合施設のグランシップ内にある静岡芸術劇場です。広く開放的な舞台を馬蹄形の客席で取り囲み、役者と観客がより深く一体感を味わえるように工夫。もう1つの拠点である「静岡県舞台芸術公園」の広大な敷地内には、劇場やホールなど創作のための施設が点在しています。公式HPはこちら。
高崎芸術劇場(群馬県)
総客席数:大劇場2,027席(2階席まで)、スタジオシアター389~568席、音楽ホール412席
高崎芸術劇場は、高崎の都市文化を創造・発信する新たな場として2019年に誕生。中核をなす3つのホールのうち、大劇場は国内最大級の舞台面積と舞台間口の広さを誇り、臨場感溢れる空間となっています。また、スタジオシアターは舞台や客席の構造をフレキシブルに変えられるところが強み。演劇や能、舞踊など多彩な演目に対応する中劇場としてだけでなく、スタンディングのライブハウスとしても利用できるんです。さらに音楽専用ホールでは、リサイタルから小編成のオーケストラ公演まで本格的な音の響きを体感できます。公式HPはこちら。
まつもと市民芸術館(長野県)
総客席数:主ホール1,800席(オーケストラピット使用時1,633席、中ホールスタイル時1,367席)、実験劇場360席、小ホール288席
2004年開館のまつもと市民芸術館は、松本の芸術拠点として市民の鑑賞体験や文化交流を促進することを目指しています。
4層のバルコニー席が馬蹄のように広がる主ホールは、客席の天井を昇降させることで中ホールのキャパシティに変化。さらに舞台の後方には収納式の客席を備え、実験劇場という名の仮設舞台を作り出せるところもユニークです。公式HPはこちら。
愛知県芸術劇場(愛知県)
総客席数:大ホール2,480席(2階席まで)、コンサートホール1,800席、小ホール282~330席
愛知県芸術劇場は、名古屋市の栄にある愛知芸術文化センターで美術館とともに運営されている施設。1992年の開館以来、芸術文化の普及と発展に向けたプロジェクトを展開しています。
日本初の多面舞台を有する大ホールでは、本格的かつ大規模なオペラやバレエを上演することが可能。また、日本最大級のパイプオルガンを備えたコンサートホールは音響に優れ、クラシック音楽の演奏にぴったりです。一方、長方形で箱型の小ホールは台詞が聞き取りやすいうえに、移動式の客席を活かしてより自由な舞台演劇を表現できるようになっています。公式HPはこちら。
KAAT 神奈川芸術劇場(神奈川県)
総客席数:ホール約1,200席(3階席まで)、大スタジオ約220席
「KAAT」の愛称で親しまれる神奈川芸術劇場がオープンしたのは2011年。モノ・人・まちをつくるというテーマのもと、社会に「ひらかれた」劇場を目指して舞台芸術の創造と発信に努めています。
2021年より、劇作家・演出家・俳優の長塚圭史さんが芸術監督に就任。同時に、4月から8月までをプレシーズン、9月から翌年3月までをメインシーズンとするシーズン制が導入されました。長塚さん曰く「劇場にリズム感、季節感を生み出す」KAATならではのシステムも注目ポイントです。公式HPはこちら。
SkyシアターMBS(大阪府)
総客席数:1,289席(2階席まで。オーケストラピット使用時1,197席)
かつて大阪城周辺にあった劇場・シアターBRAVA!の後継という位置づけで、2024年にオープンしたSkyシアターMBS。JR大阪駅直結かつ地下鉄や各私鉄の駅からも徒歩圏内と、近場に住む方はもちろん、新幹線や飛行機で遠征する方にとってもうれしい好立地です。
広々とした劇場空間は快適さにこだわって設計され、座席の座り心地やどこからでも見やすい配置など、細やかに観客に配慮。今後も演劇やミュージカル、伝統芸能、バレエなどバラエティ豊かな公演を予定しており、大阪を代表する劇場として成長し続けています。公式HPはこちら。
梅田芸術劇場(大阪府)
総客席数:メインホール1,905席、シアター・ドラマシティ898席
梅田芸術劇場のルーツは、1956年より関西における大衆演劇の中心地として栄えた梅田コマ劇場です。「舞台芸術を通じて大阪に文化を発信していく」ことを掲げ、2025年には開場20周年を迎えました。運営する2つの劇場では、演劇からミュージカル、コンサート、落語に至るまで多種多様な演目を上演。宝塚歌劇団の外部公演や招聘公演も実施しています。また、オリジナルの作品づくりや海外との共同制作など、型にとらわれないラインナップも魅力のひとつです。公式HPはこちら。
宝塚大劇場(兵庫県)
総客席数:2,550席 ※2026年1月1日より2,617席(2階席まで)、バウホール約500席
宝塚歌劇団の専用劇場であり、本拠地でもある宝塚大劇場。現在の建物は、劇団創立80周年を前に1993年にリニューアルされました。舞台上には大階段や銀橋(ぎんきょう)といった独特の装置を備え、オーケストラの生演奏とともにタカラヅカならではの華やかな世界を演出します。また、衣装を着て写真撮影できるスタジオや歴代スターを紹介する宝塚歌劇の殿堂など、ここにしかない施設も充実。さらに小劇場のバウホールを併設し、劇団員が活躍する場を広げています。公式HPはこちら。
博多座(福岡県)
総客席数:約1,500席 ※オーケストラピット使用時や花道の設置時など公演によって変動有(3階席まで)
九州最大級の演劇専用劇場である博多座は、1999年6月の「博多座大歌舞伎」から始まりました。セリや廻り舞台、花道など国内有数の舞台機構を完備し、あらゆる演出に対応。歌舞伎にミュージカル、演劇、宝塚歌劇といった幅広いジャンルの作品を上演しています。
また、1階席から3階席まで、それぞれ座席の配置やデザインを調整して舞台の見やすさを追求。さらにロビーにある売店ではオリジナル商品を取り扱っており、観劇の思い出やお土産にぴったりです。公式HPはこちら。

皆さんがお住まいの場所から近い大劇場はあったでしょうか?ちょっとしたお出かけはもちろん、思い切って観光を兼ねた旅行プランを立てて大劇場を訪れてみるのもおすすめです。