シリーズ累計1300万部を突破する小説『十二国記』シリーズが、ミュージカル作品として日生劇場にて上演されます。小説の壮大な物語が、ミュージカル作品としてどのように表現されるのか注目です。
約30年にわたり熱烈に支持され続けている『十二国記』とは
『十二国記』は小野不由美さんによる大河ファンタジー小説で、1992年に『月の影 影の海』が出版されて以来、長く愛されている人気作です。日本から“十二国”と呼ばれる異世界に迷い込んだ女子高生・中嶋陽子が、試練と裏切りに翻弄されながらも成長し、自らの道を切り開いていく壮大なストーリーです。今回はシリーズの中でも、シリーズの導入といわれている『月の影 影の海』を題材にミュージカル化されます。
今回、脚本と歌詞を手がけるのは元吉庸泰さんです。劇団エムキチビートの主宰としてほぼ全作品の脚本と演出を手がける一方で、外部作品においても演出・脚本家として活躍しています。近年では、ミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』の脚本・作曲、舞台『僕のヒーローアカデミア』シリーズの演出などを務め、人気漫画原作の舞台化を成功させるなど今注目の演出・脚本家です。そして音楽は、舞台音楽に限らず映画やアニメ作品等幅広いジャンルで活躍している深澤恵梨香さんです。この2人が『十二国記』の世界をミュージカルとしてどのように表現するのでしょうか。
物語を彩る人気と実力を兼ねそろえたキャスト陣が集結!
このシリーズの主人公である女子高生・中嶋陽子を2人の俳優が演じます。
異世界に連れ去られた後の中嶋陽子(ヨウコ)を演じるのは柚香光さん。宝塚歌劇団花組トップスターとして活躍し、昨年ファンに惜しまれながらも退団。退団後の初舞台では『劇団☆新感線いのうえ歌舞伎【譚】Retrospective『紅鬼物語』』で愛情と繊細さを持つ鬼・紅子を演じ、宝塚時代に見せてきた凛々しい男役から一転、新境地を拓きました。今回ヨウコを演じるにあたり、「彼女の言葉はまるで、私が指摘されているかと錯覚するほど、体温を持って私に響きます。彼女を演じさせていただけるこの武者震い。喜びと共に身の引き締まる思いです」とコメント、ヨウコという役への強い思いが伝わってきます。宝塚時代に数々の剣を握ってきた経験を持つ柚香さんが、ヨウコをどのように作り上げていくのか期待が高まります。
我々が住む世界の陽子を演じるのは、幼少期より子役として舞台などで活躍し、2021年『レ・ミゼラブル』よりコゼット役を務めた加藤梨里香さん。ミュージカル俳優としての実力を着実に積み重ねている一方で、『リトルプリンス』の王子役、『四月は君の嘘』宮園かをり役など、舞台の上でみずみずしく可憐に演じられる姿が印象的な俳優さんです。今回の出演にあたり、「人目を気にして本心を閉じ込めている陽子の中に渦巻く繊細な心の機微と丁寧に向き合っていきたいです」とコメント。そして同じ人物を演じることになる柚香さんに対しては、「今回初共演となる柚香光さんと心をひとつに中嶋陽子として生きられる日々が待ち遠しいです!」とこの作品や柚香さんとの共演に対する期待感が伝わってきます。このお二人で陽子という人物をどのように表現するのか注目が集まります。
楽俊役は太田基裕さんと牧島輝さんのダブルキャスト。蒼猿役を玉城裕規さん、舒栄役を原田真絢さん、延王役は章平さん、そして景麒役を相葉裕樹さんが務めます。
ミュージカル『十二国記 -月の影 影の海-』は、12月9日(火)~12月29日(月)まで東京・日生劇場、2026年1月6日(火)~1月11日(日)まで福岡・博多座、1月17日(土)~1月20日(火)まで大阪・梅田芸術劇場メインホール、1月28日(水)~2月1日(日)まで愛知・御園座にて上演されます。詳しくは公式ホームページをご覧ください。

長年愛されてきた名作が、どのようなミュージカル作品となるのか今からワクワクします。原作が大好きな方もこの作品に初めて触れる方も、ぜひ劇場でその世界を楽しんでみてください。