奇跡は本当に存在するのか。そんなことを考えさせてくれるのが、ミュージカル『奇跡を呼ぶ男』です。この作品で、わたしたちは奇跡を目撃できるのでしょうか?
1992年の映画が日本ミュージカル界へ
ミュージカル『奇跡を呼ぶ男』は、スティーヴ・マーティンさん主演の映画『奇跡を呼ぶ男』(1992年)を原作として、2010年にミュージカル化され、ラウル・エスパルザさん主演でブロードウェイに進出しました。
音楽にアラン・メンケンさん(『アラジン』『リトル・マーメイド』)、作詞にはグレン・スレーターさん(『塔の上のラプンツェル』『スクール・オブ・ロック』)など、ブロードウェイのトップクリエイターたちが参加。ゴスペル調のソウルフルな音楽が、物語を色鮮やかにしてくれます。
今回の日本演出を手掛けるのは、イギリスの新進気鋭演出家、ジェニファー・タンさん。グローブ座での演出なども手掛け、ロンドン・ウエストエンドで高く評価されています。『ELLE UK』の2020年ホットリスト(ファッション、美容、政治、文化の世界の革新者を称えるリスト)にも選出されました。
1992年のアメリカ映画を、2026年の日本でどうアップデートするのか、ジェニファー・タンさんの演出に期待が高まりますね!
竹内涼真が5年ぶりのミュージカルで進化する
主人公のジョナス・ナイチンゲールを演じるのは、竹内涼真さんです。『17 AGAIN』(2021年)でミュージカルデビューし、今回が5年ぶりの舞台となります。竹内さんのコメントはこちら。
「5年ぶりの舞台とてもワクワクしています。
『奇跡を呼ぶ男』という題名を目の前にして、これは僕がやるべきなのでは、と直感しました。作品が持つエネルギー、音楽、グルーヴ感に心を奪われた感覚があります。
それと同時にリズム感、音楽の歴史、言語の違いに大きな壁を感じましたが、あえてそのリスクに向き合い、日本で組むチームで超えていきたいという思いで作品に臨む決心をしました。
「ウソから始まる本当」この言葉はいろんな角度から捉える事が出来ると思います。
そして僕自身、この言葉に物凄く可能性を感じています。
その可能性とチーム、そして自分を信じて奇跡を起こしにいきたいと思っています!
劇場でお待ちしています」
映像作品で強い存在感を放つ竹内さん。連続テレビ小説『ひよっこ』(2017年)、映画『センセイ君主』(2018年)などに出演し、ドラマ『テセウスの船』(2020年)では日曜劇場の初主演を務めました。さらにドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(2025年)では、亭主関白を脱却するべく料理に挑戦するという役を演じ、俳優としてさらなる進化を遂げています。
『17 AGAIN』で伸びやかな歌声とダンスで観客を魅了した彼が、今回は珠玉の楽曲を歌い上げます。詐欺師という新たな役柄で、どんなヒューマンドラマをつくりあげるのか、今からとてもワクワクしています!
そしてジョナスの妹サム役を、昆夏美さんとセントチヒロ・チッチさんがWキャストで演じます。ジョナスと対立するアイザイア役には、糸川耀士郎さんと木原瑠生さんが選ばれました。車椅子の少年ジェイク役は川口調さんと小林佑玖さん。アイザイアの姉オルネラ役をMARIA-Eさんが担当します。
さらに、ジョナスが率いるエンジェルスのリードボーカル、アイダ・メイ役としてマルシアさん。最初はジョナスを警戒していたものの、次第に心を通わせていく保安官のマーラ役は、真瀬はるかさんが演じることになりました。
最高のキャストとスタッフが集結し、「信じる心」と奇跡の物語を紡ぎ出すのを、ぜひ劇場で目撃してくださいね。

<ストーリー>
伝道師 ジョナス・ナイチンゲール(竹内涼真)。
彼が神の教えを説く伝道集会で見せる「奇跡」のショーに、人々は熱狂し、涙し、心を動かされていく——
しかし、それは真っ赤な嘘。
彼の正体は、妹サム(昆 夏美/セントチヒロ・チッチ)、仲間のアイダ・メイ(マルシア)、オルネラ(MARIA-E)らと共に「奇跡」を演出し、献金を集めて各地を渡り歩く詐欺師だ。
そんなジョナス達一行の乗ったバスがカンザスの片田舎スウィートウォーターで故障し、立ち往生。ジョナスはそこでも集会を開き、金儲けしようと企む。
そこで出会ったのは、保安官のマーラ(真瀬はるか)。彼らに疑いの目を持つマーラは、ジョナス達に立ち退きを迫る。そんなことはお構いなしにテントを立て説教を行うジョナスはインチキの数々で見る人たちを虜にしていく。
そんな中、マーラの一人息子であり足の不自由な少年ジェイク(川口 調/小林佑玖)が声をかけてくる。
アイダ・メイの息子で聖書学校に通う青年 アイザイア(糸川耀士郎/木原瑠生)も休暇で家族のもとに戻ってきたが、ジョナスたちのイカサマに嫌悪感を抱いている。
それぞれの想いが交錯する中、ジョナスの中で何かが変わり始める。
ウソを重ねてきた男は、果たして“本当の奇跡”を起こすことができるのか——。
ミュージカル『奇跡を呼ぶ男』は、2026年4月4日(土)から4月24日(金)まで東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)で上演。5月1日(金)から5月3日(日)まで大阪公演(フェニーチェ堺 大ホール)、5月8日(金)から5月10日(日)まで福岡公演(久留米シティプラザ ザ・グランドホール)、5月15日(金)から5月17日(日)まで愛知公演(名古屋文理大学文化フォーラム(稲沢市民会館))が行われます。詳しい情報は公式サイトをご確認ください。
出会いをきっかけに変化し、「本当の奇跡」を起こそうとする詐欺師。竹内涼真さんが、そんな複雑で繊細な役をどう立ち上げるのか。ぜひ劇場で、ジョナスと竹内さんの覚悟を感じ、「その瞬間」に立ち会ってほしいと思います。


















