音楽座ミュージカルで初演され、数々の賞を受賞したミュージカル『アイ・ラブ・坊っちゃん』が、東宝製作によって井上芳雄さんと三浦宏規さんの初共演で5月より上演されます。G2さんが演出を手がける、ゴールデンウィークにふさわしい今作について紹介します。
1992年に音楽座ミュージカルで初演!日本のオリジナルミュージカルの到達点
ミュージカル『アイ・ラブ・坊っちゃん』は、1992年に音楽座ミュージカルにて初演を迎えました。紀伊国屋演劇賞・団体賞や読売演劇大賞優秀作品賞などを受賞し、「日本のオリジナルミュージカルの到達点」として高く評価された名作です。
小説家として独立したい思いと家族を養わなければならない責任とで悩み苦しむ夏目漱石。小説『坊っちゃん』の執筆を通して漱石が自分を取り戻していく姿と、それを受け留める妻・鏡子、時代を交錯しながら周りを取り巻く人々を描いた作品です。史実とフィクションを織り交ぜ、漱石の日常と小説世界がシンクロしていきます。
<ストーリー>
1906年、39歳の夏目漱石は教師を辞め、小説家として独立したいと願っていたが、家族を養う安定した生活のためにふんぎりがつかず、鬱々とした日々を暮らしている。
妻の鏡子や幼い娘にイライラをぶつける毎日。妻の鏡子は漱石の癇癪をものともせず、明るく日々を送っているかのように見えたが、実際は心通じ合えぬ夫に言い知れぬ寂しさを深めていた。
ある日漱石は、訪ねて来た高浜虚子に新しい小説のプランを話す。タイトルは「坊っちゃん」。
江戸っ子で曲がったことが大嫌いな坊っちゃんは心に闇を抱えた漱石とは正反対のキャラクターだったが、漱石はいつしか坊っちゃんに自らを、結核で亡くなった親友の正岡子規を山嵐に重ね、自分では叶えられなかった冒険物語に筆と心を躍らせ、執筆に没頭する。
やがて漱石は登場人物たちに周囲の人間を重ね自らの闇に向き合い、時に飲み込まれそうになる漱石の筆は坊っちゃんに教え子の反抗や学校組織による理不尽な人事といった数々の試練を与えるが、坊っちゃんと山嵐はそれらを必死に乗り越えながら漱石を励まし続けるのだった。
なぜ生きるのか、苦しみ続ける漱石は、果たして「坊っちゃん」を書き上げることができるのか――。
ミュージカル初共演の井上芳雄×三浦宏規。漱石の妻役にはミュージカル音楽座の土居裕子
ミュージカル「アイ・ラブ・坊っちゃん」のキャストには多くの観客を魅了し続けてきた俳優陣が名を連ねています。主人公の夏目漱石役にミュージカル『エリザベート』や『二都物語』などに出演し、日本ミュージカル界を代表する俳優の一人である井上芳雄さん。
劇中の坊っちゃん役にミュージカル『ジェイミー』『デスノート THE MUSICAL』など話題作で舞台をけん引している三浦宏規さん。
坊っちゃんの親友・山嵐役にミュージカル『ジャージー・ボーイズ』や『レ・ミゼラブル』に出演し、劇団四季退団後も歌唱力と表現力で注目を集める小林唯さん。
漱石の妻・鏡子役に音楽座ミュージカルで数々の主演を務め、『リトルプリンス』では主演の王子役で第47回菊田一夫演劇賞を受賞した土居裕子さん。
その他にも彩みちるさん、松尾貴史さん、春風ひとみさんと豪華キャスト陣が揃いました。また井上さんと三浦さんは今作でミュージカル初共演となり、作品と合わせて注目が集まります。
演出を手がけるのはG2。代表作は『マイ・フェア・レディ』『SPY×FAMILY』など
ミュージカル「アイ・ラブ・坊っちゃん」の演出を手がけるのはG2さん。1987年に演劇ユニット『売名行為』の演出で舞台演出デビューし、1991〜2002年に戒毅さんとの劇団『MOTHER』での活動を経て、1995年より演劇ユニットG2プロデュースを主宰。2013年にG2プロデュースを解散後は劇作家・演出家として専念しています。
G2さんはミュージカル『マイ・フェア・レディ』『コレット』『SPY×FAMILY』など数多くの作品の演出を手がけ、ファンを魅了してきました。3月12日からは翻訳と演出を手がけた舞台『欲望という名の電車』が上演されます。多彩な作品を手がけるG2さんが、本作をどのように立ち上げるのでしょうか。
ミュージカル『アイ・ラブ・坊っちゃん』は2026年5月1日(金)から31日(日)まで東京の明治座にて上演、6月7日(日)から14日(日)まで北海道の札幌文化芸術劇場hitaru、6月22日(月)から28日(日)まで大阪のSkyシアターMBSにて上演されます。一般発売は2月14日(土)より販売開始です。公式サイトはこちら。
音楽座ミュージカルの大傑作。夏目漱石が執筆を通して自分と向き合う姿、時代が交錯するおもしろさも見どころです。


















