子供も大人も夢中になったディズニー映画『アナと雪の女王』。みなさんは2019年に公開された続編映画『アナと雪の女王2』はご覧になりましたか?大ヒット映画の続編というとあまり期待できないかもしれませんが、『アナと雪の女王2』には前作に見劣りしない魅力が詰まっています。
前作で明かされなかった王国のヒミツに迫る
舞台は前作から3年後のアレンデール王国。妹のアナと一緒に平和で豊かな国を築いていた女王エルサは、自分を呼ぶ不思議な歌声を耳にします。歌声に誘われたエルサが氷の魔法を放つと、国を取り巻く自然が荒れ狂い、アレンデールは大混乱。
不思議な歌声は国のはずれにある魔法の森から聞こえたもので、森に住む精霊たちの目覚めによって王国に危険が及んだのでした。エルサは精霊たちの怒りを静めるため、アナ、オラフ、クリストフ、スヴェンと共に謎に満ちた魔法の森へ向かいます。
魔法の森というのは、エルサとアナが幼い頃に両親から教えられた伝説の場所。森には風、火、大地、水の力をつかさどる精霊たちと、その精霊と共存するノーサルドラという民族が暮らしていました。実はアレンデールとノーサルドラの人々には、歴史に隠された深い秘密があるのです。この秘密が、エルサとアレンデール王国を予期せぬ方向へ変えていきます。
アナとエルサの両親がすべてのはじまり
今作で重要なカギを握るキャラクターが、アナとエルサの両親であるアグナル国王とイドゥナ王妃。2人が船の難破で亡くなっているのは、1作目を観た方ならご存じかと思います。しかし、なぜ王と王妃が船で出かけたのかまでは明かされていませんでした。エルサは魔法の森とアレンデールの関係を探るうちに、両親の過去と2人が船に乗った理由を知ります。
アグナル国王とイドゥナ王妃が結ばれて、2人の娘に恵まれたこと。姉の方にだけ、氷の魔法の力が与えられたこと。
これらの出来事には意味があり、国王と王妃の出会いが『アナと雪の女王』のすべてのはじまりを作っていたのです。
1作目では冒頭にしか登場しなかったアグナル国王とイドゥナ王妃は、ミュージカル版『アナと雪の女王』でも名前のある役として重要視されています。『アナと雪の女王2』を観て彼らの物語を知れば、ミュージカル版をより深く楽しめそうですね。
神曲ばかり!キャラクターたちの個性溢れる持ち歌に注目
『アナと雪の女王2』で音楽を担当したのは、前作の大ヒット曲「レット・イット・ゴー」を手掛けたロバート・ロペス、クリステン・アンダーソン=ロペス夫妻。今回もキャラクターの個性に合ったドラマチックなミュージカルナンバーを数多く生み出しています。
エルサが不思議な歌声と会話するように歌う「イントゥ・ジ・アンノウン」は、第92回アカデミー賞の歌曲賞にノミネート。授与式では世界各国のエルサがこの曲をそれぞれの国の言葉で歌い紡ぎ、圧巻のステージを見せました。
また、エルサ以外のキャラクターにも一度聴いたら耳に残る印象的な持ち歌があります。なかでもぜひ聞いてほしいのが、アナの恋人であるクリストフが歌った「恋の迷い子」。アナへの切ない思いを歌ったロックバラードで、このシーンは80年代のミュージックビデオを参考にしながら制作されています。共感とくすりとした笑いを誘うクリストフの神曲は、一度聴いたら忘れられません。
『アナと雪の女王2』は1作目『アナと雪の女王』のその後の物語でありながら、エルサに魔法の力が与えられた理由やアレンデールの歴史などの“過去”が解き明かされる物語でもあります。前作で満足してしまったという方にも、ぜひ観ていただきたい作品です。1作目のおさらいも劇中で踏まえているので、ミュージカル版を鑑賞する前にこの映画で『アナ雪』をおさらいするのもおすすめですよ。