ドストエフスキーの『罪と罰』を翻案したミュージカル『天翔ける風に』が、9月29日(金)から東京芸術劇場 プレイハウスにて上演されることが決定しました。出演者には宝塚退団後ミュージカル初出演となる、珠城りょうさんと、屋良朝幸さん、剣幸さんら様々なミュージカルで活躍してきた実力派俳優が集結!
ミュージカルで繰り広げる日本版『罪と罰』の世界
NODA・MAPの主宰で、日本を代表する演出家・劇作家の野田秀樹さんが、ドストエフスキー原作の『罪と罰』を幕末の日本に翻案した『贋作・罪と罰』。 その痛烈な宿命劇を、謝珠栄さんが演出・振付を務め、大胆にミュージカル化したのが『天翔ける風に』です。
『天翔ける風に』の主人公・三条英は、江戸開成所に通う塾生。彼女以外は全て男という社会で孤軍奮闘しています。英は、生活が苦しい人々から法外な利息を取る高利貸しの老婆の殺害を計画。実行に移すも、偶然そこに居合わせた老婆の妹までも殺してしまったのです。
この予定外の殺人が英の“1人の悪人を殺してでも万の善人を救う”という理想を揺るがせ、心を大きくかき乱します。
捜査の担当刑事・都司之助は、事件の確信犯的な性格を見抜き、英に対して疑惑の目を向け始めます。
英と同じ志を持つ才谷梅太郎は、動揺する英の様子に気づき、彼女を陰ながら心配しています。しかし、1867年、幕末の真っ只中、才谷も大きな時代の流れの中心にいるのでした…。
本作で演出・振付を務める謝珠栄さんは、宝塚歌劇団を経て、ニューヨークへ留学。帰国後は、井上ひさしさんや、野田秀樹さんなど小劇場作品で振付を始め、宝塚歌劇団、劇団四季、東宝等の作品、映画、TVと活躍の幅を広げています。その振り付けは”演劇的な踊り”と高く評価され、 第43回芸術選奨文部大臣新人賞、第16回読売演劇大賞 優秀スタッフ賞、第31回松尾芸能賞、第43回紀伊国屋演劇賞 個人賞など多数の受賞歴を持っています。
謝さんの溢れるイマジネーションを駆使した空間演出は、スタイリッシュに音楽の美しさを際立たせ、これまでの上演でも高い評価を受けてきました。
男尊女卑が当然という価値観であった時代に、男性の中に一人混じって、迷い、悩みながらも自分の信じた人生を駆け抜ける主人公・三条英の姿は私たちに何を訴えかけるのでしょうか。
珠城りょう、屋良朝幸、剣幸ら、ミュージカル界を牽引する実力派が集結!
三条英役を演じるのは、珠城りょうさん。2016年、宝塚歌劇団に入団9年目で月組トップスターに就任。2021年に退団後は、舞台『8人の女たち』や『マヌエラ』と強い女性像を好演。2022年10月、オリジナルアルバム「Freely」、カバーアルバム「Shine」でアルバムデビューを果たし、コンサートツアー「RYO TAMAKI LIVE TOUR 2022~Freely~」を開催するなど、活躍の幅を広げています。
『天翔ける風に』の三条英という役では、新たに、男性社会の中で生き抜く女性を演じます。出演にあたり珠城さんは「役者人生の中で自分が三条英を演じる日が来るとは夢にも思っていなかったので、とても幸せに思います。 海外作品が多く上演される中で、今この日本オリジナル作品を再演するという事に大きな責任も感じますが、原作の罪と罰にはその時代背景ゆえの思想や理想、様々な人間模様が描かれています。 私自身が楽しんで苦しみながらも謝さん、キャストの皆さんと熱い舞台を作っていきたいです」とコメントしました。
才谷梅太郎役を務めるのは、圧巻のダンス技術で数々の舞台・ミュージカル作品に出演、『マリー・キュリー』でヒール役を演じ新たな扉を開いた屋良朝幸さん。
「『天翔ける風に』に出演させて頂くにあたり、過去の公演映像を拝見させていただいた時に、パフォーマンスに込められた、爆発的なエネルギーが伝わってきました。
一人ひとりの身体能力の高さから湧き出るエネルギーにも感動しました。 謝さんのつくる世界に、自分がどのようなスパイスを加えることが出来るのか楽しみです。 皆様にも、自分が感じたエネルギーをお届けできたらと思います」とコメントしました。
都司之介役を務めるのは、劇団四季を経て、ミュージカルをはじめ様々なジャンルの舞台で、高い歌唱力と演技力を武器に活躍している今拓也さん。ミュージカル『レ・ミゼラブル』、『マリー・アントワネット』、『HEADS UP!』、『天使 にラブ・ソングを~シスター・アクト~』、『ローマの休日』などに出演しています。
溜水石右衛門役を務めるのは、自身のカンパニーとして「DIAMOND★DOGS」や「BOLERO」を持ち、ダンスパフォーマンスや身体表現を追究している東山義久さん。『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』、『モーツァルト…オレは誰だ!!』、『CLUB SEVEN-ZERO II-』などに出演しています。
志士ヤマガタ役を務めるのは、ストレートプレイからミュージカルまで幅広く活躍している原嘉孝さん。近年は、『Endless SHOCK/Endless SHOCK- Eternal-』、『喜劇 老後の資金がありません』『BARNUM』、『リチャード二世』『Les Miserables~惨めなる人々~』などに出演しています。
三条智役を務めるのは、子役時代からミュージカルを中心に活躍している加藤梨里香さん。2016年の『花より男子 The Musical』では、応募総数3,000人以上の中から牧野つくし役を射止めました。近年は、ミュージカル『ザ・ビューティフル・ゲーム』、『シンデレラストーリー』『レ・ミゼラブル』などに出演し、存在感を放つ若手女優として注目を集めています。
甘井聞太左衛門役を務めるのは、2月に上演されたミュージカル『ドリームガールズ』のマーティ・マディソン役の好演が記憶に新しい駒田一さん。主なミュージカル出演作に、『ラ・マンチャの男』、『屋根の上の ヴァイオリン弾き』、『レ・ミゼラブル』、『ダンス・オブ・ヴァンパイア』、『ミス・サイゴン』、 『メリー・ポピンズ』など、数々のグランドミュージカルに出演。2015年度第41回菊田一夫演劇賞・演劇賞を受賞しています。
三条清とおみつの2役を演じるのは、ミュージカル『エリザベート』のゾフィー役が特に印象深い剣幸さん。1993年、アガサ・クリスティー劇場『蜘蛛の巣』で第18回菊田一夫演劇賞。2010年の『この森で、天使はバスを降りた』『兄おとうと』、14年の『ハロ ー・ドーリー!』で第17回・第21回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞しています。
注目の実力派キャストが集結したミュージカル『天翔ける風に』は、9月29日(金)〜10月9日(月・祝) に東京芸術劇場 プレイハウスにて上演。その後、兵庫、愛知でも上演予定です。公式HPはこちら。
公開されたビジュアルから、赤色の鮮烈な印象を受けました。 舞台美術や舞台衣装も楽しみです!