上橋菜穂子さん原作の人気ファンタジー『精霊の守り人』が音楽劇に。日生劇場開場60周年記念として、日生劇場ファミリーフェスティヴァル公演と特別公演が実施されます。本作に出演する明日海りおさん・梅田彩佳さん、村井良大さん・山崎樹範さんらキャストが登場した舞台挨拶と、ゲネプロリポートをお届けします。
「心を込めて、慎重に」
舞台挨拶には、バルサ役の明日海りおさん・梅田彩佳さん(Wキャスト)、タンダ役の村井良大さん・山崎樹範さん(Wキャスト)、ジン役の渡部秀さん、 シュガ役の水石亜飛夢さん、ゼン役の小野塚勇人さん(劇団EXILE) 、ユン役の健人さん、帝役の唐橋充さん、チャグム役の黒川想矢さん・込江大牙さん(Wキャスト)、トロガイ・二ノ妃役の雛形あきこさんと、メインキャストが集結しました。
作品の世界観が感じられる衣装に身を包み、明日海りおさんは「心を込めて、慎重に(本番当日まで)稽古を重ねて参りたいと思います」とコメント。梅田彩佳さんは「日生劇場から始まり、たくさんの劇場に旅公演で行けることを本当に楽しみにしております。たくさんのお子さまにも見ていただける公演になるので、1つでも多くのものを持ち帰っていただけるように、最後まで精一杯頑張りたい」と語りました。
ジン役の渡部秀さんや帝役の唐橋充さんは、本作の音楽が生演奏も魅力であることを強調。タンダ役・村井良大さんは本作が日生劇場ファミリーフェスティヴァル公演と特別公演の2種あることに触れ、「特別公演ではタンダのあるシーンが増えているので、それも楽しみにしていただきたい」とコメント。
山崎樹範さんはWキャストのため、客観的に本作の稽古を見る機会もあり、「客観的に、見ている観客として、本当に本当に面白い舞台になっております。アンサンブルの歌や踊り、殺陣も大活躍しています。美しい舞台で見どころが満載なので、いちファンとしてお勧めしたいです」と本作への愛を語りました。
孤独の中で生きるバルサが見つける、戦い続ける理由とは
精霊の卵を宿した皇子チャグム。国が干ばつの危機に陥ることを危惧した帝は、チャグムが魔物に取り憑かれたと勘違いし、武人のジンとゼン・ユンに、チャグムを秘密裏に暗殺するように命じます。チャグムの母・二ノ妃から、チャグムを守るよう言い渡された短槍使いの用心棒・バルサ。大呪術師のトロガイと、その弟子・タンダの助けを借りながら、チャグムを守る旅が始まります。
ゼンやユンと勇敢に戦い、チャグムを守るバルサ。チャグムには「命全ては大切な宝物」であり「この世の全てに意味がある」と語りながら、用心棒として様々な人のために戦い続ける中で、自分は「なぜ戦い続けるのか」が見えなくなっています。
父から暗殺を企まれ、ショックを受けるチャグムと、強さの中に迷いや孤独のあるバルサを、チャーミングで大きな愛を持ったタンダが優しく包みこむ姿が印象的です。そして3人は精霊の卵を無事にかえすため、水源のあるサアナンを目指します。
布やリボンで表現された本作のキーポイントとなる水の流れや、村人たちが掲げる松明の光が象徴的に表現されており、視覚的にも美しい作品。バルサ役の明日海りおさんの歌声は希望が感じられ、本作に込められた世界への祈りが染み入るように入ってきます。ファンタジー作品でありながら、干ばつでの危機というのは猛暑の続く今、身近な話題にも感じます。様々な課題と戦いながらも希望を持って前に進んでいくバルサたちの姿は、現代の私たちに明日を生きる温もりを渡してくれるでしょう。
音楽劇『精霊の守り人』は7月29日(土)から8月6日(日)まで日生劇場で上演。その後全国公演が行われます。公式HPはこちら
ファミリーフェスティヴァル公演もあるため、ドラマ版よりも明るいテイストの作品となっています。バルサの凛々しいアクションシーンも必見です!