戦時中に広島・呉で生きる“すずさん”の人生を描いた、こうの史代さん原作漫画『この世界の片隅に』。2度の映画化、実写ドラマ化が行われた不朽の名作のミュージカル化が決定しました。日生劇場2024年5月公演として、主人公の浦野すず役を昆夏美さんと大原櫻子さん(Wキャスト)、すずが嫁ぐ相手の北條周作役を海宝直人さんと村井良大さん(Wキャスト)が務めます。
戦時中の暮らしの中で見つける、「ささやかな幸せ」
軍港の街として栄えた広島・呉を舞台に、18歳のすずさんが北條周作のもとに嫁ぎ、生活していく様子を描いた『この世界の片隅に』。2011年にドラマ化され、2016年にはすずの声を女優・のんさんが務め、アニメーション映画化されました。さらに2018年には松本穂香さん×松坂桃李さんで日曜劇場『この世界の片隅に』が放送され、大きな話題に。時代を超えて愛され続ける作品が、世界初のミュージカル化となります。
主人公の浦野すず役は、昆夏美さんと大原櫻子さんがWキャストで務めます。
『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』『マリー・アントワネット』『マチルダ』などミュージカルの名作に多数出演し、2024年1月には『トッツィー』への出演も発表されている昆夏美さん。「初めてこの作品に触れた時、登場人物たちが日々の生活の中でささやかな幸せを見つけながら懸命に生きていた姿が心に残りました。かつてあった日本の日常と歴史をキャスト・スタッフ一同、舞台上で丁寧に描いていければと思います」とコメントを寄せています。
アーティストとして活躍しながらも、ドラマ・映画・ミュージカル・舞台と幅広く活躍する大原櫻子さん。舞台『ザ・ウェルキン』での力強くも繊細な演技も印象的です。大原さんは本作の台本を読んで涙が止まらなかったと語り、「劇中に歌わせていただく音楽を聴いて、改めて、この作品ですずを演じたい、と自分の気持ちが強まりました」と音楽の魅力についてもコメントしています。
すずが嫁ぐ相手の北條周作役を務めるのは、実写映画化された『リトル・マーメイド』でエリック王子の声を務めたことも話題の海宝直人さんと、9月にはミュージカル『生きる』に出演する村井良大さん。「この作品に初めて触れた時、淡々と描かれる日常の中にある生々しい温度感や息遣いに惹き込まれ胸を打たれました」(海宝さん)、「生きていく事の愉快さ、賢明さ、日常の中の小さな幸せ、前向きに生きている日本人たち。その細やかさを、心の奥深くに響く素敵な旋律にのせてミュージカルとして創作される事にとても興味が湧いています」(村井さん)と本作への深い興味を語っています。
また、すずと周作の三角関係となる白木リン役を平野綾さんと桜井玲香さん(Wキャスト)、周作の姉ですずにとっては義姉の黒村径子役を音月桂さんが務めます。脚本・演出は『四月は君の嘘』のミュージカル化も手がけた上田一豪さん。上演は2024年5月に日生劇場、6月〜7月には札幌・松本・水戸・大阪・広島(呉)ほかで全国ツアーが行われます。作品の公式HPはこちら
昆夏美さんと大原櫻子さんの、力強くも繊細で表現力豊かな歌声で綴られるすずの物語に、期待が高まります!