2020年、トニー賞を受賞。3世代にわたるNYのゲイコミュニティを描いた傑作巨編が、気鋭の演出家・熊林弘高さんによって日本で初演されます。スケールの大きい演劇作品に触れられるこの貴重な機会をお見逃しなく。
前後篇約6時間半に及ぶ傑作を気鋭の演出家・熊林弘高が日本初演を手掛ける
2010年、文化庁芸術祭演劇部門大賞のほか、多くの賞を受賞した舞台『おそるべき親たち』以来、演出家・熊林弘高さんと東京芸術劇場は共に作品を発表し続けています。シェイクスピアなどの古典作品を斬新な現代劇へと蘇らせるなど、唯一無二の演出で名優たちから一目置かれている熊林さん。また寡作の人であるため、次回作が注目されていました。
その中でアナウンスされた本作。2019年にローレンス・オリヴィエ賞4部門、2020年にトニー賞4部門を受賞、前後篇で約6時間半に及ぶ話題作で、今回が日本初演になります。作者であるマシュー・ロペスさんは、この作品でラテン系の作家として初めてトニー賞ベストプレイ賞を受賞しました。
病気やマイノリティに対し、差別などを乗り越え力強く生きる人々を描く本作。自分らしく生きて愛することを未来にどう伝えるのか。副題にある「継承」という言葉の通り、熊林さんが作品からいま語られなければならない物語を見出します。
3世代にわたるゲイの人々の物語を通じ、自分らしく生きて愛することは何かを問う
舞台は2015年~18年のアメリカ・ニューヨーク。1980年代のエイズ流行初期を生きた60代、HIVと向き合い生きる30代・20代の3世代にわたるゲイの人々を描きます。未知の感染症と生き、様々な差別を受けながらも、真実の自分に出会い、愛を貫いていく彼らを描く本作。LGBTQなどの多様な個性の人々が自分らしく幸せに共生できる社会は一体何かを問いかけます。
キャスティングにもこだわる熊林さんの指名により、若手俳優陣には、本作が初の東京芸術劇場プレイハウスでの主演となる実力派の福士誠治さん。昨年大河ドラマにも出演し今後の活躍が期待される田中俊介さん。正反対の2人を演じ新たな表現の扉を開く、新原泰佑さん。そして、直近ドラマでの活躍も目ぼしい柾木玲弥さん。
ベテラン俳優陣には、現代演劇の女形をはじめ多彩な役に定評のある篠井英介さん。俳優のみならず、声優としても活躍の幅を広げ続けている山路和弘さんが本作を支えます。また、後篇のみ、熊林さんの作品には欠かせない名優、麻実れいさんがクライマックスで登場します。
2024年2月11日(日・祝)~24日(土)東京芸術劇場 プレイハウスでの公演後、3月2日(土)大阪・森ノ宮ピロティホール。3月9日(土)福岡・J:COM北九州芸術劇場と巡演します。
また今作品は前後篇と分かれており、全体で6時間半になるため…。同日の前後篇通し券の他、前後篇で違う日を選びたい方向けのチケットや、前篇、後篇のシングルチケットも選択することができます。詳しくは公式HPをチェックしてください。また、R-15指定の公演になるため、15歳未満の方の入場、チケットの購入は出来ませんのでご注意を。
世界エイズデー前日の11月30日(木)に、東京プリンスホテルにて、一般公開セミナー「40年のパンデミック:エイズの教訓を受け継ぐ」が開催されます。そこに本作品の主演、福士誠治さんが登壇され、本作品の意気込みを語る他、長年日本でのHIVやLGBTQの問題に取り組まれてきた生島嗣さんと対談される予定です。より理解を深めたい方は参加してみてはいかがでしょうか。