現代の社会問題に切り込んだオリジナルミュージカルを製作し続ける劇団「東のボルゾイ」。4月13日にすみだパークシアター倉にて開幕する6作目の新作『ガタピシ』では、現代社会で鬱屈としている若者たちと、それに向き合う一人の教師を描きます。
勝ち目のないこと、やってごらん。
セクシャルハラスメントとセカンドレイプを描いた『バウワウ』(2022)、自己に潜んでいる差別意識に向き合う『IBUKI』(2023)、進むジェンダー理解と日本の結婚制度のギャップに焦点を当てた『イエスと言え』(2023)と、キャッチーな音楽の中で社会問題に切り込む劇団「東のボルゾイ」。
第6回公演となる『ガタピシ』は、ピアノとチェロの生演奏で、物が潤沢にあり目まぐるしく発展している現代社会で、満たされているはずなのに鬱屈としている若者たちと、それに向き合う一人の教師を描きます。
<あらすじ>
中学の恩師が死んだ。しかも、火葬炉が故障した。
つまり、先生のボディが焼けかけなのである。
私たちは、炉の中をつい想像しては、いかんいかんとかき消していた。
先生はあの頃、どんな話をしてたっけ。
とってもマトモな人だった。いや、ふざけた人だった。
ていうか、孤独な人だった。
絡まる記憶の旅は、卒業式での先生の祝辞に辿り着く。
それは全員の頭に、じわりとこびりついていた。
どう考えても、祝う気のない、不穏な言葉だったから。
君たちからは、音がする。
ガタピシ。
壊れゆく音です。 だから、楽しんで。
先生役は森加織さん。ミュージカル『東京ローズ』『生きる』『メリリー・ウィー・ロール・アロング』『レ・ミゼラブル』、劇団☆新感線『薔薇とサムライ2-海賊女王の帰還-』などに出演する実力派です。
ミュージカル『ガタピシ』はA班・B班の2チーム制で、4月13日(土)から4月21日(日)まですみだパークシアター倉にて上演されます。公式HPはこちら
毎回等身大かつ社会的なメッセージを提示しながら、キャッチーで楽しい音楽も魅力の東のボルゾイ。火葬炉が故障という特殊な状況からどう物語が展開するのか、楽しみです。