フレンチミュージカルの名作『ロミオ&ジュリエット』が5月16日から3年ぶりに上演!キャストを一新して、新たな魅力が“ロミジュリ”に加わります。2024年版のみどころをみてみましょう!
ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』の歴史
このミュージカルの歴史は2001年にさかのぼります。フレンチポップのヒットメーカー・ジェラール・プレスギュルヴィックさんの脚本と作曲で、フランスで初演されると大ヒットし、世界各国で上演されてきました。
日本では2010年に宝塚歌劇団が上演、さらに2011年に城田優さんと山崎育三郎さんがロミオ役をWキャストで務めた日本オリジナル版が梅田芸術劇場などで上演されました。宝塚版だけでなく、ミュージカル俳優が集結したバージョン(日本オリジナル版)も生まれたことで、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』の知名度は一気に高まりました。
シェイククスピア原作の『ロミオとジュリエット』といえば、ルネサンス時代風のコスチューム。そんなビジュアルの固定観念も覆し、前衛的な衣装とロック・テクノを駆使した音楽は日本でも新鮮に受け止められ、フレンチ・ミュージカルの魅力を印象付けました。『ロミオ&ジュリエット』の後も、フランスのミュージカルは『赤と黒』『1789』『ロックオペラ モーツァルト』などが日本で上演されています。
そもそも、『ロミオ&ジュリエット』はなぜこれほどまでにヒットしたのでしょうか?「世界の王」「エメ」など美しいナンバーと誰もが知る悲恋の物語であること、また「死」という抽象的な概念を役にしたことも挙げられます。幸福そうなロミオとジュリエットのカップルやヴェローナの若者たちの後ろに「死」が妖しく付きまとい、彼らの運命を暗示させて観客はより舞台に惹き込まれるのかもしれません。宝塚版ではさらに「愛」が役に加わり、梅芸版では「死」は男性のダンサーがたくましく演じています。
注目の2024年版新キャストは?
若い悲劇のカップルには、ロミオ、ジュリエットともに若手のミュージカル俳優が出演してきましたが、2024年版はロミオに小関裕太さんと岡宮来夢さん、ジュリエットに吉柳咲良さんと乃木坂46の奥田いろはさんというキャストです。
小関さんは1995年6月8日生まれの28歳で、最近ではドラマ『不適切にもほどがある!』第8話で過去のスキャンダルに翻弄される若手アナウンサー役で出演しました。ミュージカルでは一昨年『四月は君の嘘』で主演し、舞台『キングダム』『ジャンヌ・ダルク』でも大きな役を演じています。
岡宮さんは2015年にジュノン・スーパーボーイ・コンテスト準グランプリを受賞してデビューすると、ミュージカル『刀剣乱舞』の鶴丸国永役でブレイク。他にも『進撃の巨人-the Musical』では主演のエレン・イェーガー、ミュージカル『SPY×FAMILY』ではユーリ・ブライアを演じ、2.5次元ミュージカルの人気俳優です。確かなビジュアルづくりと歌唱力にも期待が高まります。
ジュリエット役の吉柳さんは、20歳の誕生日の前日の4月21日にシングル『Pandora』でアーティストデビューしたばかり。ミュージカル俳優としては2017年に『ピーター・パン』で、史上最年少の13歳で主演に抜擢。5年間ピーター・パンを務め、今年はNHK朝ドラ『ブギウギ』で若手歌手の水城アユミ役で歌も披露し話題になりました。歌謡曲もエレクトロもお任せの吉柳さんは、どんな美声を披露してくれるでしょうか。
乃木坂46の奥田さんは加入から3年目、最も若手の5期生メンバーですが、すでにグループ屈指の歌姫という呼び声が高いメンバーです。特技はギターで、レギュラー出演中の『超!乃木坂スター誕生!』では度々Jポップの名曲をカバーしてファンを沸かせています。さらに、乃木坂46のYouTubeチャンネルでは、駅前で弾き語りに挑戦する動画も公開。初々しさと確かな歌の表現力でファンを集めています。
乃木坂46からは生田絵梨花さんが、2017年版と19年版でジュリエットを演じました。今回の奥田さんはロミオ・ジュリエットの4人のキャストの中では最年少ですが、先輩メンバーも演じた16歳の恋する少女をどう演じるか、新しいヒロイン像が見られそうです。
2024年の『ロミオ&ジュリエット』は5月16日から6月10日まで東京・新国立劇場中劇場、6月22日と23日に愛知・刈谷市総合文化センター、7月3日から15日に大阪・梅田芸術劇場メインホールでの上演。ミュージカル界の新しいスターが誕生する舞台は、まもなく開幕です。公式HPはこちら
ミュージカルスターの登竜門にもなりつつあるフレンチミュージカルの『ロミジュリ』。今年のキャストの皆さんのこれからにも期待大です!