脚本家・演出家の福原充則さんを中心に結成された大人気ユニット「スリーピルバーグス」。2024年9月、兵庫県豊岡市の野球場「こうのとりスタジアム」にて、第2回野外公演 in スタジアム!『リバーサイド名球会』を開催します。この記事では、一風変わったあらすじから豪華出演陣まで、その魅力をたっぷりお伝えしていきます。

野球場で繰り広げられる謎めいた喜劇

豊岡演劇祭のディレクターズプログラムとして上演される『リバーサイド名球会』。舞台は、豊岡市にある広大な野球場「こうのとりスタジアム」です。

「9月?台風の時期に野外で演劇?」とビックリした方もいるかもしれません。実は、スリーピルバーグスは「全天候型創作ユニット」「アンチ屋根の会の急先鋒」という面白いコンセプトを持っています。2022年の旗揚げ野外ツアーでは、駅や百貨店の屋上、畑のど真ん中などで公演を行っており、まさに自ら屋根の下から離脱しているユニットなんです。

そんな『リバーサイド名球会』は、このようなあらすじになっています。

「草野球チームが集まって作った名球会に、かつて八百長で地元を追われた男が帰ってくる。しかも不思議な”なにか”を引き連れて…。」役者5人だけで、こうのとりスタジアムの駐車場、放送室、グラウンドと場所を変えながら物語は展開。野球へのLOVEが、すべてのLOVEへとつながっていく60分の喜劇。

謎めいた雰囲気と「きっと面白いだろうな」感に満ちていますね……。

そして、この作品には「楽しむための注意ポイント」があります。その中でも目を引くのが、「物語の後半、客席とステージが一塁側と三塁側に分かれ、2つの物語が同時に展開します。お好きな方をお選びください。片側だけの観賞でもストーリーはわかるようになっていますのでご安心ください。」という部分。野球場という舞台を最大限に生かす福原さんの手腕に、楽しい想像が止まりません!

5人の役者、5人の個性

先ほどのあらすじにもあったように、『リバーサイド名球会』の出演者はたった5人。どんな方々が参加されるのかご紹介したいと思います。

まず、舞台だけでなく、テレビドラマや映画ナレーションなど、幅広く活躍されている八嶋智人さん。福原さんとは、2017年上演の『あたらしいエクスプロージョン』以来、7年ぶりのタッグとなります。

福原作品に初参加となるのは、お笑いコンビ「男性ブランコ」の平井まさあきさん。2021年「キングオブコント」準優勝、2022年「M-1 グランプリ」決勝進出といった結果を残している、今大注目の芸人です。『鴨川ホルモー、ワンスモア』『正偽の芸能プロダクション』といった舞台にも出演されています。ちなみに、今回の舞台となる豊岡市ご出身とのこと!

また今回は、福原作品常連の久保貫太郎さん、永島敬三さん、佐久間麻由さんが、出演者に名を連ねます。中でも佐久間麻由さんは、スリーピルバーグスのメンバーで、近年は俳優活動だけでなく、企画・制作・プロデュースなど様々な形で表現活動をされています。

広大な野球場で、5人の役者の個性はどのように光を放つのでしょうか?

「みなさんが物語そのものになって欲しい」

『リバーサイド名球会』の上演に向け、福原さんは次のようにコメントされています。

「何事も諦めの早い人生を送ってきた私ですが、今回は「とにかくダメ元でお願いする」という劇団方針に沿ってみたら、手練れの役者とスタッフと、そして大きな野球場と…、ぜんぶオッケーが出てしまいました。

結果、全身の毛穴から血の涙が噴き出すくらいの困難な公演が予想されますが、なにせ諦めの早い私なので、予想に抗うことは諦め、真正面から困難に突っ込んでいこうと思います。野球場で待ってます!」

さらに、福原作品に初参加の平井さんは、こんなことを述べています。

「手が震えております。我が地元豊岡で、こんなにも新しく挑戦的でおもしろそうな演劇に携われるなんて幸せです。野外劇ですと?舞台は球場ですと?よほどのことがない限り雨天決行ですと?なんてワクワクするのでしょうか。

テーマは野球ですと?僕は野球経験ないですよ?コールド負けの意味を知りませんよ?ゲッツーは響きがかわいいなという認識しかありませんよ?野球の勉強を始めます。手が震えております。」

そして八嶋さんは、少し謎めいたコメントを残しています。

「球場で行われるお芝居ということも珍しいですが、内容自体もその1回こっきりというか、毎回、1回しか起きない奇跡を目撃するような、そういう物語になりそうなんで、是非現場に来ていただいて、僕らと一緒に1つの物語を体験してもらえたら…、いや、みなさんが物語そのものになって欲しいなと思ってます」

知れば知るほど気になってくる『リバーサイド名球会』。みなさんも球場という名の劇場に足を運んで、この言葉の意味を自分の五感で確かめてみてください!公式HPはこちら

さよ

野球場で演劇、しかも台風の時期に。そして私の大好きな平井さんが俳優として参加される。「そんな美味しい話ある!?」と興味津々です。演劇と野球が出会うとき、どんなシナジーが生まれるのか、とても楽しみですね。