ブロードウェイやウエストエンドで上演された話題のミュージカル『9 to 5』が、2024年10月に日本で開幕します。大企業で働く女性3人が繰り広げる、愉快で痛快な物語。現代の女性が笑って励まされるミュージカル作品をご紹介します。

働く女性にスポットを当てた痛快コメディ

ミュージカル『9 to 5』は、1981年公開の同名映画を原作とするコメディ作品です。大企業に勤める3人の女性社員が横暴な社長相手に戦う姿を、ユーモアを交えながら描いています。本作は2009年にブロードウェイで上演されて話題となり、2019年にはロンドンのウエストエンドでもヒットを記録しました。

“9時から5時まで”働くなかで、上司からの理不尽な仕打ちに悩まされる主人公たち。しかし、諦めたり悲観したりするのではなく、協力して逆境を跳ね返そうとするストーリーに勇気づけられます。時代は違えど、現代に生きる女性にとって深く共感できるのではないでしょうか。

また、ミュージカル版で音楽と歌詞を担当したのは、これまで何度もグラミー賞を受賞している音楽界のレジェンド、ドリー・パートン。彼女は原作映画にメインの女性社員役として出演し、主題歌「9 To 5」も歌っています。作品と所縁の深い歌手による音楽演出も、聞き逃せないポイントです。

ハラスメント社長を懲らしめろ!女性たちの奮闘劇

舞台は1979年のアメリカ・ロサンゼルス。

主人公のヴァイオレットは、大企業で働くシングルマザーです。仕事と家庭を両立し、若手社員のジョーにも慕われているヴァイオレットですが、悩みの種は社長であるフランクリン。社内では、わがままに振る舞うフランクリンのハラスメントが横行していました。社長秘書のドラリーも、その被害を受けている1人です。

ある日、ヴァイオレットとドラリー、そして新入社員のジュディは、社長に対する鬱憤を打ち明けたことで意気投合。そして、3人でフランクリンを懲らしめようと計画します。しかし、敵対する社員のロズに計画について知られてしまい、思わぬ騒動が巻き起こることに。

果たして3人は復讐を達成できるのか、ハラハラドキドキの展開にぐっと引き込まれます。

実力あるキャスト陣と演出家にワクワク!

主人公のヴァイオレット・ニューステッド役を務めるのは、宝塚歌劇団の元花組トップスターである明日海りおさん。最近では、ミュージカル『王様と私』でシャムの国王と対等に向き合おうとするアンナを演じられました。今回も、社会で戦う力強い女性像を見せてくれるのではないでしょうか。

秘書のドラリー・ローズ役は、ミュージカル俳優だけでなく声優や歌手としても活躍されている平野綾さん。また、宝塚歌劇団の雪組で男役として人気を集めた和希そらさんが、ジュディ・バーンリー役に。和希さんは2024年2月に宝塚歌劇団を退団して以来、初めての舞台出演となります。

そして、俳優の別所哲也さんがハラスメント社長のフランクリンとなって登場します。

若手社員のジョー役は、7月までミュージカル『ロミオ&ジュリエット』に出演していた内海啓貴さん。舞台『東京ローズ』やミュージカル『この世界の片隅に』などの出演経験を持つ飯野めぐみさんが、3人の敵であるロズ役を務めます。

さらに本作では、翻訳・訳詞・演出を上田一豪さんが担当しています。上田さんは、『四月は君の嘘』や『この世界の片隅に』といった話題作で演出を手がけている実力派。キャストはもちろん、演出面にもますます期待が高まります。

ミュージカル『9 to 5』は、2024年10月6日(日)から21日(月)にかけて東京・日本青年館ホールで上演されます。チケットの一般前売は7月27日(土)から。

その後、10月25日(金)から28日(月)には大阪、11月1日(金)から3日(日)には福岡、11月7日(木)・8日(金)には静岡にて上演予定です。スケジュールやチケットの詳細については、公式HPをご確認ください。

もこ

鮮やかな赤い衣装に身を包んだ3人の女性。ぱっと目を引くメインビジュアルからは、「負けないで!」というエールが聞こえてきそうです。実は筆者も観に行く予定なので、存分に笑ってスッキリしたいと思います。