2004年の初演以来、大切に受け継がれ続けてきた唯一無二のエンターテイメント作品『DREAM BOYS』。2024年10月に、現・帝国劇場では最後の『DREAM BOYS』が上演されます。本作で主演を務める渡辺翔太さん(Snow Man)、チャンプ役の森本慎太郎さん(SixTONES)と、紫吹淳さん、鳳蘭さんが製作会見に臨みました。

堂本光一「2人にカンパニーを引っ張ってほしい」

『DREAM BOYS』製作発表には、昨年に引き続き主演を務める渡辺翔太さん(Snow Man)、チャンプ役の森本慎太郎さん(SixTONES)と、マリア役の紫吹淳さん、マダム・エマ役の鳳蘭さんが登壇。

渡辺さんは「現・帝国劇場で最後の『DREAM BOYS』に僕らを選んでいただけたことを本当に光栄に思っていますし、悔いのないように全力で駆け抜けたい」と意気込みます。

森本さんは「去年は自分たちらしく出来たかなと思うので、今年も肩に力を入れず、ラストだからと変なことをせず、(堂本)光一くん演出の良い『DREAM BOYS』をお届けできるように」と、森本さんらしい落ち着いたコメントを。

お二人は2024年『DREAM BOYS』上演決定のリリース時、演出家・堂本光一さんに「楽屋暖簾を作ってほしい」というリクエストをされていましたが、それを受けて堂本光一さんからサプライズのコメント映像が到着しました。

お二人については「元を辿れば翔太はあまり乗り気じゃなかった『DREAM BOYS』ということで(笑)。でもその翔太の謙虚さが逆に良かったのかなと思います。自分に務まるだろうかという思いが稽古に乗っていって、本番でも熱いものになってお客様に届いたんじゃないかと思います。慎太郎は僕の勝手な解釈ですけれど、翔太よりも器用なところがあって。慎太郎のチャンプは悲しみを背負っている感じや、実は心優しい部分を上手く表現してくれたなと思っている」と演出家の視点から絶賛のコメントを。

一方で堂本光一さんご自身も現在『Endless SHOCK』の大阪公演が上演中で、9月には博多座の公演が控える多忙な日々。そのため「いつ稽古するの?という心配があるんですよね。リモートでやったりだとか、映像を見て修正があれば言わせてもらったりしますけれども、まずは、やはり2年目なので、2人にカンパニーを引っ張ってほしい」とお二人への課題を課せられました。

そして話題の楽屋暖簾については、話を聞きつけて渡辺さん・森本さん分を製作中とのことですが、「はよ言ってくれへん?(笑)暖簾って作るのに半年くらいかかるんですよ。だから本当は帝劇の楽屋に暖簾をかけたいんですけれど、もしかしたら間に合わないかもしれないんですけれど…でももちろん今後舞台に立つこともあるでしょうから、そういう時に使って頂けたら良いなと思うので、とりあえず製作中です!」とコメントされ、渡辺さん森本さんも「嬉しいです!」と笑顔に。

ソンドハイムの楽曲を乗り越えたら、怖いものは無くなる

今回が現・帝国劇場で最後の『DREAM BOYS』ということで、製作発表では、紫吹淳さんが初めて帝国劇場に出演した『喝采 愛のボレロ』、鳳蘭さんが初出演したミュージカル『スウィーニー・トッド』、そして日本初演時に鳳蘭さんが出演した『レ・ミゼラブル』の舞台写真も投影され、帝国劇場での思い出を振り返られました。

鳳蘭さんは『スウィーニー・トッド』でスティーヴン・ソンドハイムの難曲に苦労され、1000回以上お稽古されたそう。「まだ覚えているんです」と苦戦した箇所「待ってよね お客さん驚いた 幽霊かしら」というフレーズをその場で歌ってくださりました。そして渡辺さん・森本さんに「若い頃の苦労はお金を出しても買えって言うんです。だから東宝のスタッフに『スウィーニー・トッド』の譜面をもらって、毎日5分でも良いからぜひ練習してほしい。ソンドハイムの楽曲を乗り越えたら、ミュージカルの歌で怖いものは無くなるから」ととても素敵なアドバイスを。

渡辺さんは「めちゃくちゃ難しいですよね…?!」と恐れ慄きながらも、「でもそれは頑張りたいですね」と大先輩からのアドバイスをしっかりと受け止めているご様子でした。

また紫吹さんは渡辺さんがジュニアとして活動時に、帝国劇場の上にある稽古場でケーキをおねだりされたことがあると明かし、渡辺さんも「思い出しました!大きなホールケーキを買ってくださいましたよね」と懐かしみます。今年は渡辺さんが座長ということで「お肉が食べたい」と渡辺さんにリクエストする紫吹さんでしたが、「僕は最後まで皆さんに甘えたい!甘え続けます!」とお茶目に宣言する渡辺さんでした。

「僕は慎太郎が良かったので、電話でめちゃくちゃ口説きました」

昨年、『DREAM BOYS』初出演の際には一度オファーを断っていた渡辺さん。そこには「僕なんかが」という謙遜の気持ちが大きかったようですが、昨年の公演を終えて「凄く達成感と、“楽しかったな、またやりたいな”とプラスの気持ちに変わっていて、それは大きい変化だなと思い。今年で帝国劇場が一時クローズすると伺い、『DREAM BOYS』のお話を頂いた時は、迷わず僕にやらせてくださいとお返事しました」と、今年の出演には強い意欲を持っていたことを語ります。

一方で森本さんは、今年も一度オファーを断ったそう。そこには「去年の公演は楽しかったんですけれど、自分の中で納得いかないことがたくさんあったので、そのままステージに立つのはお客様に失礼なんじゃないかという思いがありました。僕じゃない人の方が、より良いお芝居が届けられるんじゃないか」とご自身の中で葛藤があったことを明かします。

お芝居に真摯に向き合われている森本さんだからこそ、「舞台は映像とは全く違うお芝居が必要になってくる中で、チャンプとして出来なきゃいけないことが出来ていないんじゃないか」という思いがあったよう。

しかし渡辺さんに電話で相談された際、渡辺さんから「慎太郎とやったのが凄く楽しかったし、慎太郎とだからやりたいと思える」という言葉があったこと、またSixTONESのメンバーの皆さんから「翔太と慎太郎のドリボを見て、もう一回見たいって思うよ」という後押しがあり、「メンバーがそう思うのなら、見にきてくださった方々もそう思ってくださっているのかな」と思えたことがきっかけで、出演を決断したことを語りました。

渡辺さんは「全部喋るんだね(笑)。生々しすぎてヒヤヒヤします…大丈夫ですか?」と心配しつつも、「自分にストイックだからこそ(断るという)決断だったと思うんですけれど…でも本当に僕は慎太郎が良かったので、電話でめちゃくちゃ口説きました」と明かしました。

そんなお二人の姿を鳳蘭さんは、「二人の性格が全然違うんですよ。渡辺くんは結構おとなしくて、森本くんは太陽のような明るさがあって、全然違うから良いんだろうなと思います」と表現され、これには渡辺さんも「よく見て頂いて。恥ずかしいです、ありがとうございます」と照れつつも喜ばれているご様子でした。

互いの印象について渡辺さんは森本さんを、「常に(感情の)波が一定で、本当に太陽のようにみんなを笑わせてくれます。光一くんの演出で現場がピリッとなった時にも太陽のような明るさは変わらないから、良いバランスが取れていて、現場のムードメーカーなんです。だから慎太郎の周りに人が集まるんだろうな、と見ていて思います」とコメント。

森本さんは渡辺さんについて「稽古やステージに対する姿勢が本当に素敵で、凄く真面目なんです。その日の稽古を100%、120%完璧にするために、合間でもずっと台本を読んでいるので…僕にないものを持っているから、そこが大好きだなと思います」と、まさに稽古場でも対照的だからこそ魅力を放つお二人であることが語られました。

撮影:鈴木文彦

現・帝国劇場で最後となる『DREAM BOYS』。「選んでいただいたことを、良い意味でプレッシャーにして、素晴らしい公演にできたら。(帝国劇場で上演されてきた)この作品が今後どうなるかは分からないですし、『DREAM BOYS』も最後のつもりで、背筋を伸ばして頑張りたいと思います」と渡辺さんの強い覚悟が語られ、製作発表が締め括られました。

『DREAM BOYS』は2024年10月9日から帝国劇場にて上演。公式HPはこちら

Yurika

現・帝国劇場で最後となる今年は、「『DREAM BOYS』にゆかりのある方が主演をやるのかな、と勝手に考察していた」と語った渡辺さん。「それでも、もし自分に声がかかったらやりたいなという強い意思もあったので、本当にありがたい機会だなと思っています」と、出演の喜びを噛み締められていました。