宮藤官九郎さん主演の『結びの庭』や、小泉今日子さん主演の『家庭内失踪』、黒島結菜さん主演の『少女ミウ』など話題作を次々と発表しているM&Oplaysと、俳優・演出家・脚本家の岩松了さんが定期的に上演している人気プロデュース公演の最新作『峠の我が家』が10月25日(金)~11月17日(日)本多劇場にて上演されます。

ひと里離れた峠の一軒家で起こる緊張感あふれる人間ドラマ

M&Oplaysと岩松了さんが定期的に行っている、人気プロデュース公演、待望の最新作『峠の我が家』が10月25日(金)から下北沢・本多劇場にて上演されます。

俳優・演出家・脚本家として多彩に活躍している岩松さん。近年の主な作・演出作品に、『カモメよ、そこから銀座は見えるか?』、『クランク・イン!』、出演作品に、映画『若武者』、ドラマ『季節のない街』、『舟を編む~私、辞書つくります~』などがあります。

本作でも作・演出を務め、出演もされる岩松さん。上演にあたり、以下のようにコメントしています。
「峠にある家。それは社会から逸脱しているようにも見え、堅固に家を守ろうとしているようにも見える。その家に嫁いだ女は自身の居場所を見つけられずにいる。そしてその峠を越すために家に立ち寄ることになった男の自分を偽ろうとするその苦悩に激しい感動を覚え、恋に落ちる。
峠は文字通り、人が越えようとする自身の高みの形象なのかもしれない。
 二階堂ふみには、女子高生(『不道徳教室』)から、人妻への成長を、仲野太賀には、逸脱する男の色気を期待してます」

本作の舞台となるのは、人里離れた峠にある古い一軒の家。

この家は、夏の間観光客を受け入れる《峠》という旅館を営んでいます。この家には主人の佐伯稔 (岩松了さん) 、その息子・正継(柄本時生さん)と、正継の妻の斗紀( 二階堂ふみさん)の3人が住んでいます。

夏が過ぎ、訪ねる人もいないこの家に、安藤修二(仲野太賀さん)という若者と、その兄嫁(池津祥子さん)が訪ねてきます。安藤は峠を越えた所にある兄の戦友の家に、戦友の軍服を届けに行くのだと話します。この家に嫁ぎながら、ここでない場所に出ていきたいと望む斗紀はこの若者に救いを求めます。

また、たまたまここを訪れたような安藤にも、何か隠された事情があり…。
やがて若い二人の間に芽生える感情、それは、恋心なのでしょうか。

この家を度々訪れる彫刻家の中田(豊原功補さん)と、その部下の富永(新名基浩さん)も加わり、事態は人々の思惑や企みの中、不穏な方向へと転がっていきます。

出演者には岩松作品の常連たち

今回主演を務めるのは、2021年に映画『すばらしき世界』で日本アカデミー賞優秀助演男優賞、ブルーリボン賞助演男優賞。ドラマ『拾われた男』や『初恋の悪魔』などの話題作でも主演を務め、2026年の大河ドラマ『豊臣兄弟!』で、主演の豊臣秀長役を務めることとなった仲野太賀さんです。

仲野さんは、 2011年の『国民傘』で初めて岩松作品に出演。これまでに5本の作品に出演し、今回6作目にして初の単独主演に挑みます。

仲野さんは出演にあたり以下のようにコメントしています。
「岩松了さんの演劇に出演するのは、僕にとってとても特別な経験です。M&O playsプロデュース作品『国民傘』に出演してから13年程経ちました。当時からある岩松作品への憧れは近くづくほどに輝きを増し、その背中の大きさを知れば知るほど、遠のいていくような感覚があります。二階堂さんをはじめとする素敵なキャストの皆さんと、「やっぱり岩松さんやばいね…‼︎」なんて言いながら、稽古場でのたうち回る日々が今から楽しみでなりません」

また共演には、『不道徳教室』以来11年ぶりの岩松作品への参加となる二階堂ふみさん。

二階堂さんは、2020年にはNHK連続テレビ小説『エール』で“朝ドラヒロイン”を務め、2023年には映画『月』で報知映画賞助演女優賞、キネマ旬報ベストテン助演女優賞を受賞。そして2024年には話題沸騰のドラマ『Eye Love You』などに出演し、その記憶に残る演技で観る人を魅了し続けています。

二階堂さんは出演にあたり、「岩松さんの舞台に出させて頂くのは、11年ぶりになります。何年経っても岩松さん書かれた言葉は身体に残っていて、時たま口に出してみたりしてました。(ソバコが鳴いてる…)
今回はどのようなお話になるのでしょうか。筆は進んでいるのでしょうか。
初舞台でご一緒した太賀くんと、岩松さんの紡ぐ言葉をお届けできるよう頑張りたいと思います。
劇場でお待ちしております」とコメントしました。

そして、映画『PERFECT DAYS』や、舞台『ひげよ、さらば』、M&Oplaysプロデュース『帰れない男~慰留と斡旋の攻防~』に出演の柄本時生さん。

大人計画のメンバーで、ドラマ『だが、情熱はある』、『エルピスー希望、あるいは災いー』、舞台『ドクター皆川~手術成功5秒前~』や『宝飾時計』などに出演。『市ヶ尾の坂』以来6年ぶりの岩松作品参加となる池津祥子さん。

2022年、NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』の”空さん”こと空山樹役にて注目を集め、2023年の『らんまん』には堀田寛太役で出演。柄本さんとともに舞台『帰れない男~慰留と斡旋の攻防~』に出演した新名基浩さん。

映画『福田村事件』、『キリエのうた』、『朽ちないサクラ』などに出演。近年では舞台『名人長二』や『後家安とその妹』などで脚本・演出も手掛けている豊原功補さんが作品を彩ります。

M&Oplaysプロデュース『峠の我が家』は、10月25日(金)〜11月17日(日)に東京・本多劇場にて上演です。その後、新潟、宮城、富山、愛知、広島、岡山、大阪と全国を回ります。チケットは発売中です。詳細は公式HPをご覧ください。

ミワ

10月の終わりから上演されるということで、夏も終わり、普段なら訪ねる者が居ない中始まるこの物語にぴったりの時期の上演となっています。