手塚治虫さん原作の『W3 ワンダースリー』が脚本・福田響志さん、演出・ウォーリー木下さん、音楽・和田俊輔さんにて舞台化されることとなりました。SF活劇に、HiHi Jets 井上瑞稀さん、平間壮一さん、成河さんら豪華キャストが挑みます。
「どうやったら地球上から争いを無くすことができるのか」
1965年から66年まで「週刊少年サンデー」に連載された手塚治虫さんの漫画『W3 ワンダースリー』。地球の偵察に来た3人の宇宙人たちと少年・星真一が活躍する、未来のためにできることは何かを考えさせてくれるSF活劇です。
世界のどこかで戦争が起き、温暖化や食糧危機、地震、エネルギー不足など、自然との共存の課題も多く抱えた地球。“豊かさ”とは、“悪”とは、“正義”とは—。手塚治虫さんが提示する、そして今私たちが直面している問題の数々を、福田響志さんの脚本、ウォーリー木下さんの演出、和田俊輔さんの音楽で描き出します。
ウォーリー木下さんは本作について「以前に、ノンバーバルパフォーマンス(セリフのない劇)として上演しました。パペットやマイム、ダンスに生演奏、プロジェクションマッピングなど、アナログとデジタルを混ぜて、地球を救うことになるひとりの男と宇宙人3人組の交流を描きました。その時の心残りがあるとすれば、手塚作品の中のきらりと光る言葉を全く使えなかったことで、今度は、言葉を中心に、また新しい「W3」を作ってみたいと思っています。「どうやったら地球上から争いを無くすことができるのか」 このシンプルなメッセージは今上演する価値があると思っています。もちろん、演劇としての挑戦も今回もするつもりです。様々な仕掛けを舞台上に配置し、観客を不思議な世界に引きずりこみたいと思います」とコメント。
主人公の星真一役を務めるのは、アイドルグループ “HiHi Jets”のメンバーでドラマ『95』や舞台『劇走江戸鴉~チャリンコ傾奇組~』などに出演した井上瑞稀さんです。
井上さんは「僕は今回初めて手塚さんの作品を読ませていただいたのですが、ここから深堀りし、漫画という歴史にも触れながら、作品について勉強して頑張っていきたいと思います。歌もある中で、演出のウォーリー(木下)さんには以前初めてご一緒したときに勉強になるお話をたくさんしていただいたので、この作品でさらに僕自身の成長につながる機会になればいいなと思っています。来てくださったお客様が、ポジティブな気持ちになれるような作品を目指して精いっぱい頑張りたいと思います」と意気込みます。
兄の星光一役には『IN THE HEIGHTS』など話題作への出演が続く平間壮一さん。「手塚さんの作品は、キャラクターがとてもポップでかわいらしさがありながら、迷いがなく、キャラクターの意思がストレートに伝わってくる印象があります。また、全体を引きで見ると、一つ一つがアート作品のような複雑な絵をしていて、いろんな角度から命の大切さや平和への思いを伝えているんだなと感じています」と語りました。
地球に偵察に来たワンダースリーのブッコ役に永田崇人さん、ボッコ役に松田るかさん、ノッコ役に相葉裕樹さん。
星兄弟の母役は彩吹真央さん、星商店の土地を買収しようとするハム・エッグ役は中村まことさん、そしてランプ少佐役は成河さんが務めます。
成河さんは、「中学生のころ、学校の図書室にあった手塚作品をみんなで読み漁ったことを覚えています。手塚さんの作品は、とても普遍的で、人間の業というか哲学といったものを間口広く楽しく味わえて、そして何より舞台との親和性が高いという印象があります。以前「アドルフに告ぐ」に出演したときもひしひしとそう感じました」とコメント。また「古い作品ではあるので、原作をご存じではない方もいらっしゃると思いますが、台本は「W3」の世界を現代(いま)によみがえらせる創意工夫がなされているということなので、皆様一緒に楽しんでいただければと思います」と語りました。
『W3 ワンダースリー』は2025年6月にTHEATER MILANO-Za、7月に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて上演されます。公式HPはこちら