平野啓一郎さんの名作小説で映画化もされた『ある男』が、音楽:ジェイソン・ハウランドさん、脚本・演出:瀬戸山美咲さん、歌詞:高橋知伽江さんで初のミュージカル化されることが決定しました。浦井健治さん、小池徹平さんをはじめ、濱田めぐみさん、ソニンさん、上原理生さん、上川一哉さん、知念里奈さん、鹿賀丈史さんら豪華キャストで2025年8月に世界初演を迎えます。

生きづらさを抱える人たちにそっと寄り添えるような作品に

人間の存在の根源と、この世界の真実を描き、読売文学賞を受賞した平野啓一郎さんの長編小説『ある男』。映画化もされた名作が、2025年8月東京建物 Brillia HALLにて世界初演ミュージカル化されることが決定しました。

『ザ・グレート・ギャツビー』などブロードウェイでも数々の新作を生み出し高い評価を受けるジェイソン・ハウランドさんの音楽、人間の心を深く表現することで定評のある瀬戸山美咲さんによる脚本・演出、日本ミュージカル界に欠かすことのできない高橋知伽江さんの歌詞によって、心揺さぶるミュージカルが誕生します。

『デスノート THE MUSICAL』『生きる』『東京ラブストーリー』にも携わったジェイソン・ハウランドさんは本作について「物語の核心にあるストーリーには、外面的なミステリーと内面的な葛藤を同時に解き明かしていくという、非常に心を動かされる魅力があります。そして、この物語は音楽のために生まれたような豊かな要素を持っています」と語ります。

2023年に『スラムドッグ$ミリオネア』『ザ・ビューティフル・ゲーム』(上演台本・演出)で第48回菊田一夫演劇賞を受賞、脚本・演出を手がける瀬戸山美咲さんは「生きづらさを抱える人たちにそっと寄り添えるような作品にしたいと思います。お客さまの心の奥に届くよう、ジェイソン・ハウランドさんと高橋知伽江さん、そしてこれ以上ない素晴らしいキャストのみなさんとともに、この「心の旅」を繊細に積み上げてまいります」と意気込みます。

映画『アナと雪の女王』訳詞や劇団四季オリジナルミュージカル『バケモノの子』『ゴースト&レディ』の脚本・歌詞も手がける高橋知伽江さんは「目の肥えた大人も楽しめる粋な舞台誕生の予感に胸を躍らせています。現代社会が抱える問題がいくつも描かれ、その陰影の中に永遠に輝く真実が見えてくるという繊細なストーリーです」と魅力を語りました。

<あらすじ>
「仮に、X さんと呼ぶことにします」
弁護士の城戸章良は、「ある男」についての奇妙な相談を受ける。
宮崎に住む谷口里枝は、愛する夫を仕事中に起きた不慮の事故で失ってしまう。
しかし、夫の兄から知らされたのは、遺影に写る愛した人が全くの別人だということだった。
戸籍で示されるはずの個人の証明。人は何をもって「個人」として存在するのか。
真実を追う中で城戸もまた自身の葛藤と向き合うこととなる。
自分の価値とは何なのか―。自分の生きる道は、自分で選ぶことができるのか―
ある男が生きた人生を通して見えてくる、自分の存在と意義。
我々は、この世界の真実に触れる。

浦井健治、小池徹平ら豪華キャストが集結

そして本作に出演するのは、浦井健治さん、小池徹平さんをはじめ、濱田めぐみさん、ソニンさん、上原理生さん、上川一哉さん、知念里奈さん、鹿賀丈史さんら豪華キャスト陣。

城戸章良役の浦井健治さんは「ある男。この素晴らしい小説を、まさかミュージカルに!?しかもキャスト陣の凄い顔ぶれに興奮しています!ジェイソンさんとは、「デスノート THE MUSICAL」からお世話になっていて、ただただ信頼しかありません。物語に寄り添い、余白までも豊かに膨らんでいく楽曲。そして、台詞の後ろに流れる音達も、豊かで、多彩で、音で「思想」までも表現し、我々をその世界に誘って下さる。音の中に役を演じる上での「道標」もある。ジェイソンさんとオリジナルミュージカルを立ち上げる創作現場で組めること、心から幸せに思います」と喜びを語りました。

ある男・Xを演じるのは、小池徹平さん。「今回、「デスノート THE MUSICAL」以来の共演となる浦井健治さんをはじめとした素敵なキャスト、スタッフの皆さんと共に、新しい作品に携われる事にとても気持ちが高揚しております。皆さんに楽しんでもらえる作品になる様に、全力で励んで参ります」と心境をコメントしました。

「新しい世界の幕開き。どんな舞台に仕上がるのか今から興味深々です」と語ったのは、後藤美涼役の濱田めぐみさん。「それぞれの生き様、考え方、捉え方。生々しくリアルにかつ不思議で、それでいて身近で共感出来る様な舞台。ドラマチックな展開で、皆様と一緒にラストまでの旅を楽しみたいと思います」と意気込みました。

谷口里枝役のソニンさんは「この作品に参加する事は、私の人生にとって意味のあるものになると思うので、どのような景色が見えるのだろうと胸を膨らませています。キャストのほとんどの方が、何度も共演経験ある気心知れた方々なので心強く、切磋琢磨しながら良い作品に作り上げていく事、また、演出家の瀬戸山さんとの初のお仕事も、2 度目ましての作曲家ジェイソンとの再会も、とても楽しみにしています」とコメント。

谷口恭一役の上原理生さんは「お話をいただいて原作を読むことから始めたのですが、人が名前や戸籍、その素性を全部脱ぎ去った時に残る「培ってきた時間」や「愛情」は本物なのか、「人」とは何を基準に存在するものなのかを考えさせられました。平野啓一郎さんの緻密で濃密なヒューマンミステリーがどんな舞台作品になるのか、そしてこのオリジナルミュージカルをゼロからどんなふうに作り上げていくのか今から楽しみでなりません」とコメント。

谷口大祐役の上川一哉さんは「カンパニーの一人としてこの作品に携われる事に、心から感謝いたします。海外でも人気の高い小説がどのような形でミュージカルとして誕生するのか、今から期待と興奮でいっぱいです。この作品には、今を生きる我々に問いかけるメッセージがたくさん描かれていると思いますので、その一つ一つをお客様に丁寧にお届けできるよう、全身全霊で務めさせていただきます」とコメント。

城戸香織役の知念里奈さんは「日本で新しく生まれるオリジナルミュージカルに参加できることを嬉しく思っています。原作が面白くて映画も拝見していたので、この物語がミュージカルになったときにどんな魔法がかかるのか、私自身とても楽しみです。素敵な作品になるように、カンパニーの皆さんと一緒にベストを尽くします」とコメント。

そして小見浦憲男と小菅を演じるのは、鹿賀丈史さん。「新作のオリジナルミュージカルに出演できることを非常に嬉しく思っています。特に今回は2役、2人の人物を演じるということです。それも2人は真逆な性格の持ち主で、それぞれ歌うナンバーも当然違ってくるわけで、非常に楽しみにしております。かなり面白い作品になると思いますので、皆様もどうぞご期待していただきたいと思います。1つ付け加えますと、相変わらず 1 番年上の役でございます。笑」とコメントしました。

ミュージカル『ある男』は、2025年8月に東京建物 Brillia HALLにて上演されます。広島、愛知、福岡、大阪でのツアー公演も予定。