2025年7月〜8月シアタートラムにてせたがやアートファーム 2025『キャプテン・アメイジング』が上演されます。アリスター・マクドウォール氏の話題作を、田中麻衣子さん演出、近藤公園さん、田代万里生さん、松尾諭さんのトリプルキャストで日本初演を迎えます。
父と娘の6年間の「記憶」の物語
『キャプテン・アメイジング』は劇作家アリスター・マクドウォール氏によって2013年にイギリスで初演。一人芝居でありながら、客席への語りかけではなく、すべてが登場人物との対話として描かれ、いくつもの役を一人の俳優が演じて物語が進行していく作品は瞬く間に話題となりました。
父と娘の6年間の記憶の物語は、ファンタジーと現実が交差する、陽気でありながら、胸が張り裂けるような冒険の物語。アリスター・マクドウォール氏は本作を「記憶の芝居であり、ある種、ベッドで読み聞かせをする大人にとっての子どもの本」と表現しています。
演出を手掛けるのは、日本の近代戯曲から海外の翻訳作品、そしてミュージカルと多岐にわたる活躍で才能を発揮し、2022 年には『ライカムで待っとく』で第 30 回読売演劇大賞作品賞を受賞するなど高い評価を得ている田中麻衣子さん。田中さんは「メチャクチャな時空を軽やかに行き来することで私たちが意識していないところまで入り込む、記憶と思い出の物語ではないかと考えています。3人の素晴らしいキャストの皆さんと刺激に満ちた一人芝居を創り上げていきたいと思います」と意気込みます。
出演は、近藤公園さん、田代万里生さん、松尾諭さんのトリプルキャストとなります。
近藤さんは「あらすじを読んだら、その展開に目が回り、粗訳台本を読んでみたら、「これどうやるんだい!?」と頭がグラグラしました。でも、この物語の核にある“何か”をもっと確かに感じてみたい思いと、“演劇の可能性”に委ねているこの作品に飛び込んでみたいという衝動に駆られました」と本作の魅力を語ります。
田代さんは「普段、圧倒的にミュージカルの舞台に立つことの多い自分にとって、セリフのみで紡いでいく【ストレートプレイの一人芝居】は、役者としてこれ以上ない史上最大の挑戦」と語ります。
松尾さんは「いつかはスーパーヒーローになりたい、と誰しも子どもの頃は思っていたのではないでしょうか。恥ずかしながら実はすっかりおっさんになった今でも、せめてスーパーヒーローを演じてみたいという願望を密かに抱き続けておりました。なんとそれがこの度ついに実現します!とても喜ばしい事なのですが、そんな喜びよりも大きく募らせるのは不安です。初の一人芝居なんです。台本を読むと内容はとても面白いのですが、こんなの一人でできるのかと不安でいっぱいです…とは言いつつも本当のところは少し楽しみです。憧れのスーパーヒーローになるために、勇気を持って演じたいと思います」と喜びと不安をコメントしました。
<ストーリー>
「名前は?パパの、スーパーヒーローとしての名前。」
「えっと、キャプテン、、、アメ、、、イジング。ミスター・アメ、、キャプテン・アメイジング。」
「その名前めちゃくちゃダサい! そんなダサいヒーロー、聞いたことないよ! キャプテン・アメイジングは、何する人??」
ガランとした部屋。
男が一人、汚れたマントを着て立っている。彼の名はマーク。キャプテン・アメイジングだ。ホームセンターで働く、世界で最も地味で不健康で冴えないスーパーヒーロー。
宿敵との戦いに娘の学校への送迎、燃え盛る炎に飛び込んでの人命救助。空を飛びながらスーパーマンと苦悩を語り合い、酔っ払ってパブでバットマンと喧嘩。娘の「なんで? どうして?」と質問攻めの日々。娘のためにスパイダーマン柄の布団を買い、寝かせるために物語を作って語る日々。
そんな英雄的冒険の傍らで、男は逃れられない最後のミッションに立ち向かうことになる。そしてスーパーヒーローも、悲劇と無縁ではないことを思い知らされるのだった。
これはマントを着た一人の男とその娘の、たった 6 年間の記憶の物語である。
せたがやアートファーム 2025『キャプテン・アメイジング』は2025年7月〜8月にシアタートラムで上演。公式HPはこちら