ミュージカル『ビートルジュース』は、2019年にブロードウェイで初演されて以降、ダークなコミカルさで世界中を魅了してきました。そんな傑作が2025年5月、待望の日本再演を迎えます。『ビートルジュース』のストーリーと見どころ、多彩なキャスト陣をご紹介します。

2025年もビートルジュースブームは止まらない

ミュージカル『ビートルジュース』は、『チャーリーとチョコレート工場』『スウィーニー・トッド』などで有名なティム・バートン監督の映画『ビートルジュース』が原作です。1988年に公開されたのち、11週連続でトップ10にランクイン。また、第61回アカデミー賞ではメイクアップ賞を受賞しました。

ミュージカル版は2019年にブロードウェイで初演され、第73回トニー賞では作品賞・脚本賞・音楽賞など計8部門にノミネートされました。

ダークな第一印象を軽やかに裏切るコミカルなストーリーと演出、一度耳にしたら忘れられない音楽、隅から隅までセンスが行き渡った衣裳やメイク……SNSを通じて作品の魅力が広まり、2021年には韓国での公演も実現しました。

2023年には、福田雄一さん演出、SixTONES ジェシーさん主演で日本初上演が実施され、笑いと感動に満ちたエンターテインメント作品として、大好評で幕を閉じました。そして2025年、ファンの熱烈な声に応えて、進化を遂げた『ビートルジュース』が帰ってきます。誕生から35年以上経っても、まだまだビートルジュースブームは止まりません!

「死後の世界の厄介者」が幽霊も人間も振り回しまくる!

不慮の事故で命を落とし幽霊となったアダムとバーバラ夫婦は、死後彼らの家に引っ越してきたチャールズと恋人のデリア、娘のリディアを追い出すべく、死後の世界の厄介者であるバイオエクソシストのビートルジュースの力を借りることに。

ビートルジュースの荒唐無稽なアドバイスを元にアダムとバーバラは住人らを脅かすものの、なぜか幽霊が見えるリディアが、亡き母への思いと両親への反抗心でアダム夫婦に協力を申し出る展開に。リディアはこの家の幽霊の存在をチャールズとデリアに伝えて家を手放すように説得するが、逆に天然のホーンテッドハウスとしての価値を見込まれてしまう。

追い詰められたリディアはビートルジュースに協力を求めるが、現世への生き返りを企むビートルジュースが暴走しーー。

ちなみに「ビートルジュース」は、ベテルギウスの英語読み(Betelgeuse)の発音に、「beetle(カブトムシ)」と「juice(ジュース)」を当てはめた名前です。生きている人が名前を3回呼ぶと、死後の世界から現れるというビートルジュース。彼が巻き起こす大騒動は、幽霊夫婦や少女をどう振り回していくのでしょうか?

ジェシー流ビートルジュースが100倍面白くなって帰ってくる

2023年の日本初演に続いて主人公を演じるのは、SixTONESのジェシーさん。歌唱力、身体能力、演技力、そして太陽のような明るい人柄を余すところなく発揮し、舞台からバラエティ番組まで幅広く活躍されています。

ミュージカル初主演だった前回、稽古中に「自信ないです。誰にも観られたくない」と不安をこぼしていたジェシーさんですが、実際はとびきりのハマり役で大絶賛。5月の開幕を控えて「もっと面白く、もっと楽しく、もっと美しく、もっと汚く、始めから終わりまでビートルジュースが笑わせます!」とコメントしています。パワーアップしたジェシー流ビートルジュース、想像するだけでワクワクしちゃいますね。

共演には、初演時の強力キャストが再集結しました。幅広い映像作品に出演し、『世界は笑う』『ハザカイキ』などの舞台でも活躍してきた勝地涼さんはアダム役。宝塚歌劇団雪組トップ娘役を務めたのち、培った歌唱力と演技力でミュージカルを中心に活動する愛加あゆさんは、バーバラを演じます。

リディア役はダブルキャストです。1人目は、『レ・ミゼラブル』や『ジョジョの奇妙な冒険』などの大作ミュージカルに次々と出演している、新進気鋭のアーティスト・女優の清水美依紗さん。高音域の歌声が高い評価を受け、「三重のアリアナ・グランデ」とも称されています。

2人目は、2023年からミュージカル『ピーター・パン』で11代目のピーター・パン役を務めるなど、18歳にして豊富なミュージカル経験を持つ山﨑玲奈さん。冒険を恐れない自由で果敢な少年から、聴覚障害によって人間関係に課題を抱えている女性まで演じ分ける彼女が、リディア役にどんな新風を吹かせるのか楽しみです!

そして、華やかなダンスと存在感で日本ミュージカル界には欠かせない存在の吉野圭吾さん。宝塚歌劇団月組トップスターとして活躍後、ミュージカルを中心に数多くの舞台に出演し、高い評価を得ている瀬奈じゅんさんと、多彩な出演者が一癖ある役に挑戦します。

演出を務めるのは「コメディの奇才」福田雄一さんです。『今日から俺は!!』『勇者ヨシヒコ』『聖☆おにいさん』などの映像化も手掛け、コメディ作品を数多く世に送り出しています。初演時は、原作ならではのダークな笑いに日本らしいジョークを散りばめつつ、キャストの魅力を120%引き出す手腕に大きな賞賛が寄せられました。

ビートルジュース、ビートルジュース、ビートルジュース——。さあ、ブラックでユーモラス、奇想天外な彼の世界へ、一緒に飛び込んでみませんか?

ミュージカル『ビートルジュース』は、2025年5月9日(金)から28日(水)まで日生劇場で、6月4日(水)から29日(日)まで新歌舞伎座で上演予定です。詳しい情報は公式HPをご確認ください。

さよ

ブラックユーモアと感動が絶妙に絡み合うミュージカル『ビートルジュース』。作品に触れたことがある方も、初めての方も、きっと忘れられない劇場体験になるはずです!