2006年の初演以来、20年に渡って愛され続けるミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』。5月の開幕に向けて、出演者の山口祐一郎さん、城田優さん、フランク莉奈さん、中村麗乃さん、太田基裕さん、寺西拓人さん、演出の山田和也さんが製作発表会見に臨みました。

城田優とのWキャストに「ようやくいらしていただきました」

ミヒャエル・クンツェが脚本・歌詞を手がけ、ジム・スタインマンが音楽を手がけたミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』。日本ではクロロック伯爵を山口祐一郎さん、演出を山田和也さんのタッグで2006年に初演されて以来、再演を重ね、観客を魅了してきました。そして今回、クロロック伯爵役にWキャストとして城田優さんを迎え、新カンパニーで再演に挑みます。

製作発表会見には、クロロック伯爵役の山口祐一郎さん・城田優さん、サラ役のフランク莉奈さん・中村麗乃さん、アルフレート役の太田基裕さん・寺西拓人さん、演出の山田和也さんが登壇しました。

まず、サラ役・アルフレート役の4名による「外は自由」の歌唱披露が行われました。サラへのまっすぐな想いを力強く歌う太田基裕さんと、自由への渇望を伸びやかに歌うフランク莉奈さん。

中村麗乃さんはサラの自由への憧れを無邪気に表現し、寺西拓人さんは温かみある歌声で、サラを包み込むように歌い上げます。

5月に開幕する本作ですが、演出の山田さんによれば「歌が厄介な作品」ということで既に3月10日から歌稽古が開始。続いてダンスの稽古、芝居の稽古も始まっていると言います。

山口祐一郎さんは「早く相棒が来ないかなとずっと思っていたんですけれど、その時頭に最初に浮かんだのが城田さんだったんです。ようやくいらしていただきました」と語り、城田優さんは「ありがたいお言葉をいただきました」と喜びを噛み締めながら、「何度も帝劇の舞台でこの作品を客席から観ていて、いつか僕もクロロック伯爵を演じられたらいいなと思っていたので、念願です」と語ります。

続けて「いつも優しく背中を押してくださる山口さんと再び…」と語ると、山口さんは城田さんの背中を押し、城田さんが「物理的ではないんですけれども(笑)」とツッコミ。チャーミングな山口さんと、山口さんを「パパ」と慕う城田さんの和やかな関係性がうかがえます。

サラ役のフランク莉奈さんは本作に対して強い思い入れがあるそうで、「上京を本格的にする前に初めて帝国劇場で観た作品で、私がミュージカル界に飛び込んでから初めて目標となった役がサラなんです。13年間、いつかサラを演じたいと願い続けて、やらせて頂けることになって本当に幸せ」と熱い想いを語ります。

中村麗乃さんも「素敵なキャストの皆さんの中にご一緒させていただけるなんて本当に夢のようだなと今でも思っています。どうやってサラを演じていこうかと考える日々が今は凄く幸せ」と出演の喜びをコメント。

アルフレート役の太田基裕さんは役柄について「お客様と一緒に物語を旅する非常に重要な人物だと思いますので、お客様を惹き込んで、そして僕はたっぷり汗をかきながら、右往左往しながら、楽しく、一生懸命演じていけたら」と意気込みます。

寺西拓人さんは「長い間、愛されてきたこの作品に参加できることを凄く光栄に思います。今、巻き毛が首に刺さって痛くて(笑)、早く慣れて千穐楽まで頑張りたい」とチャーミングにご挨拶しました。

「音楽のパワー、中毒性があるからこそ愛されてきた」

本作の魅力の1つと言えば、帝国劇場でのコンサート『THE BEST New HISTORY COMING』でも1幕ラストを飾った楽曲「フィナーレ」をはじめとする、中毒性の高い音楽。演出の山田さんは「激しいロック的なサウンドもあれば、荘厳なクラシカルなコーラスもあれば、とてもキャッチーなポピュラーな、シングルカットできそうなキラーチューンもある。音楽の多彩さと、強烈さ。音楽がドラマや興奮、あるいは恐怖、あるいは恍惚を運んできてくれます」と魅力を語ります。

「音楽のパワー、中毒性があるからこそ、繰り返し観たくなり、20年にも渡って愛されてきたのだと思うので、ぜひ期待して頂きたいです。既に中毒になっている方は、どんどん来てください」と呼びかけます。

山口祐一郎さんも「音楽や作品の持っているパワーから元気が引き出される」と語りつつ、脚本・歌詞を手がけるミヒャエル・クンツェさんから本作のテーマとなる「永遠」についてレクチャーされたエピソードを。

「例えば地球の自転は東の方に回っているように思えますが、角度を変えると逆に見えますよね。地球の裏側からやってきて、素敵なファミリーと会えたら、その瞬間は僕たちにとって永遠だよね、と仰って。永遠の命を求めるような歌もありますが、僕たちプレイヤーにとっては永遠と瞬間は同価値で、既に自分の中で体験していることなんだとレクチャーを受け、面白いなと思いました」と本作の本質に迫るお話が明かされました。

城田優はミュージカル界の大谷翔平?!

城田優さんはご自身のアピールポイントについて「体が大きいので、存在感の大きさ」と語ると、山口さんは「大谷翔平さんくらい大きいので、ミュージカル界の大谷さんだと思います」とコメント。城田さんは「変な見出しがついて叩かれる…」と恐縮しつつも、「どうも、ミュージカル界の大谷翔平です!」と会場を沸かせました。

本作の魅力について「びっくり箱みたい」と表現したのは、フランク莉奈さん。「劇場のロビーも飾り付けされていたり、客席降りもあったり、舞台上から飛び出してくる3Dのような作品」と魅力を語ります。Wキャストである中村麗乃さんについては「ぷにぷにで、赤ちゃんみたいで可愛い」とメロメロなご様子。

中村さんもフランクさんに対して「めちゃくちゃお優しくて、わからないことを聞いたら何でも教えてくださいますし、とてもフレンドリーに接してくださるので、私は一生ついていこうと思っています」と心を許しているご様子でした。

一方、太田基裕さんはWキャストの寺西さんについて「たくぴーって呼ぼうかなと(笑)。以前もミュージカルで同じ役をやったことがありまして、運命を感じます。今回も支え合いながら作れたらいいなと思っています」と語ると、寺西さんも「僕はもっさんと呼ぼうかなと。稽古場の居方や、他の人との接し方、距離の詰め方が似ていて、凄く気を遣われる方だと思います。色々とご迷惑をおかけするとは思うんですけれども、一緒に乗り越えられたら」と応えました。

撮影:鈴木文彦

最後に城田さんは「ジャンルとしてはホラーというか、少しおどろおどろしいシーンももちろんあるんですけれども、観終わった後に少し晴れやかな気持ちだったり、自分の欲望と向き合う時間だったり、それぞれのたくさんの楽しみ方を感じていただきつつ、最後には一体感溢れる作品になっています。この作品を観て、明日からまた頑張ろうというエネルギーをもらえるよう、心を込めて頑張りたい。長丁場ですけれども、誰1人欠けることなく、最後まで続けられるようにタイムレス(timelesz)に頑張っていきたいと思います」と寺西さんが新たに所属されたグループ「timelesz」にかけたメッセージを。

山口さんも「タイムレス(timelesz)で、2025年の『ダンス オブ ヴァンパイア』、皆さんと素敵な瞬間、空間を共有したい」と語り、愛の溢れる会見となりました。

ミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』は2025年5月10日から31日まで東京建物 Brillia HALLにて上演。6月には愛知・御園座、7月には大阪・梅田芸術劇場メインホール、福岡・博多座にて上演されます。公式HPはこちら

Yurika

城田さんを筆頭に、甘いものが好きだという皆さん。太田さん、フランクさんは「毎日生クリームを食べたい」というお話で意気投合されており、城田さんに「(会見で)一番盛り上がる話がお菓子?!」と突っ込まれていました。稽古場でも甘い差し入れが増えるかもしれませんね…!