2025年4月8日に明治座で開幕したミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』。ドーヴ・アチアとアルベール・コーエンの手により2012年にフランスで世界初演され、日本では7年ぶりの再演となります。ロナン役に岡宮来夢さん・手島章斗さん、オランプ役に星風まどかさん・奥田いろはさんとフレッシュな新キャストを迎えての上演。開幕に向けて、キャストからのコメントが到着しました。ロナン役・岡宮来夢さん、オランプ役・星風まどかさんらが出演したゲネプロの様子と合わせてお届けします。
中毒性の高い音楽やエネルギッシュな群舞、豪華絢爛な美術・衣装で魅せる
『太陽王』『ロックオペラモーツァルト』など話題作を次々と世に送り出してきたプロデューサー、ドーヴ・アチアとアルベール・コーエンの手により2012年にフランスで世界初演を果たし、大好評を得てメガヒットを記録したミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』。

グルーヴ感溢れるロックナンバー、涙を誘うバラード、スピーディーなストーリー展開と、フレンチ・ロック・ミュージカル作品の中でも人気の高い作品です。日本では小池修一郎さんが潤色・演出を手がけ、2016年に帝国劇場で上演。2018年の再演を経て、今回は明治座にて7年ぶりの上演となります。

1789年7月14日、バスティーユ牢獄襲撃。1789年8月26日、人間と市民の権利の宣言(フランス人権宣言)。歴史が大きく動いた1789年を、農夫で革命に身を投じたロナンと宮廷に仕える心優しき侍女・オランプの恋を軸に描いていきます。

本作の魅力と言えば、中毒性の高い音楽と大人数でのダイナミックな群舞。貧困にあえぎ、貴族たちへの恨みを募らせながら、時代を変えようと戦う民衆の活気に溢れた姿が印象に残ります。客席まで使った演出も多く、客席と舞台の距離の近い明治座では、劇場全体が革命の波に飲み込まれるよう。

岡宮来夢さん演じるロナンは、農民の出身ながら果敢に貴族に立ち向かい、デムーラン(内海啓貴さん)、ロベスピエール(伊藤あさひさん)、ダントン(伊勢大貴さん)ら革命家とも対等に話し合おうとします。父を殺された恨みを募らせる冒頭、革命派に身を投じるエネルギッシュな姿、オランプと恋に落ちる純真な青年らしさ、哲学を学び理想を追い求めて民衆の先頭に立つ凛々しい姿。様々なロナンの姿と成長を、声色を使い分けながら多彩に演じています。

そして特筆すべきはロナンの妹ソレーヌを演じる藤森蓮華さん。『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』で目を惹くダンススキルは話題となりましたが、本作でもダンスで高い実力を発揮しつつ、ソロナンバーでは歌唱力の高さで魅了します。

憂いのある歌声から、思わず歓声を上げたくなってしまうほどのロックな歌唱まで圧巻。ソレーヌ役を任されたことが頷ける藤森さんの歌声にご注目ください。

ロナンが恋に落ちるオランプは、宮廷に仕えながらロナンと対等に接し、正義感に溢れる女性。星風まどかさんは可憐さがありながら、オランプの芯の強さを瑞々しく演じています。

機転を効かせてマリー・アントワネットとフェルゼン伯を助け、ロナンを脱獄させるためにバスティーユまで赴くなど行動力溢れる姿が魅力的です。

本作は大掛かりなセットや舞台美術、豪華絢爛な衣裳も見どころ。マリー・アントワネットの登場には度肝を抜かれます。マリー・アントワネット役を務めるのは、2025年1月に宝塚歌劇団を惜しまれながら退団した凪七瑠海さん。退団後初の舞台作品となります。

マリー・アントワネットの奔放さを軽やかに演じながらも、最後はフランス王妃として覚悟を決める姿を力強く美しく演じます。

「人間は誰もが幸せを求める権利を持っている」「どんな生まれや育ちでも等しい価値がある」「誰もが自分の職業を自由に選べる」。今や当たり前に思えるこれらが認められなかった時代に、立ち向かった彼らがいなければ、今の私たちはいません。私たちはこの先の、「明日の歴史」をどう作っていくのか。スピーディに、時にコミカルに魅せながらも、最後に大きなメッセージを手渡してくれる作品です。
キャストからのコメントが到着
岡宮来夢(ロナン役/W キャスト)
ミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』いよいよ初日の幕が上がります!
「歴史の波間に浮かんで消えてゆく
一つ一つの命の叫ぶ声が
響き合い重なって明日の歴史作る
歌い続けよう 永遠に」
僕はこの歌詞が大好きです。
フランス革命という今の僕たちにも大きな影響を及ぼした出来事と、その中で巻き起こる恋の物語を、演劇として皆様に届ける上でどんなメッセージが届くのか、楽しみでなりません。
先輩方から受け継いだこの作品を、後世にも絶対に繋いでいきたいです。
責任と覚悟を持って本日より板の上に立たせていただきます。
劇場でお待ちしております!
手島章斗(ロナン役/W キャスト)
ロナン役を務めさせて頂きます、手島章斗です。
初めての主演、グランドミュージカル、そしてWキャストと初挑戦の連続でしたが、本当に素敵なカンパニーの皆さんのおかげで、ここまで来ることができました。
今の自分にできることを、不器用なりに全力で向き合い、ロナンとして革命に身を捧げたいと思います!
「自由・平等・博愛」というテーマは、僕自身もとても大切にしていることです。
ご来場下さる皆様にとって、今という時代がより特別なものになり、そばにいる大切な方の存在を、より一層愛おしく感じていただけるよう、毎公演、命を燃やして舞台に立ちます。
星風まどか(オランプ役/W キャスト)
『1789 -バスティーユの恋人たち-」開幕致します!!
壮大な歴史の中で生きた彼女の情熱を音楽に乗せ、観客の皆様に強い感動とエネルギーをお届けできるよう、一生懸命務めます!
どうぞご期待ください。
奥田いろは(オランプ役/W キャスト)
まずは、みんなで無事に初日を迎えられたこと、とても嬉しく思っています。
一人ひとりの力が集まって、大きな塊となり、ものすごいパワーを感じられる作品になりました。
キャッチ―な音楽、華やかな衣裳やセットなど、目でも耳でも楽しめる作品なので、ぜひ全身でこの1789 の世界を感じていただけたら嬉しいです!
劇場でお待ちしております。
凪七瑠海(マリー・アントワネット役)
素晴らしい、数々の楽曲に胸が熱くなり、素敵なキャストの皆様から、沢山の刺激、パワーを頂き、毎日心震わせながら、お稽古してまいりました。
再び、この壮大な作品に携わらせて頂ける事、心から光栄に思います。
宝塚在籍当時の、色々な思い出が蘇ってきますが、役の立場も変わり、環境も、周りの方々も変わり、また新たな作品として、新鮮に取り組んでおります。
マリーアントワネットに寄り添い、全身全霊、魂を込めてフランスの王妃としての人生を全うしたいと思います。

ミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』は4月8日(火)から29日(火・祝)まで明治座、5月8日(木)から16日(金)まで大阪・新歌舞伎座で上演されます。公式HPはこちら

ロックナンバーはその場のグルーヴ感あふれる歌唱も魅力だと思うので、今後の本番でどんどんそれが進化していくと思うと楽しみです!