2024年春に日本に初上陸し、2025年に再びジャパンツアーを開催している新作ミュージカル『ディズニー くまのプーさん』。A.A.ミルンの原作とクラシカルなディズニーの⻑編アニメーションの流れを組んだ作品で、等身大のパペットを役者たちが操り、100エーカーの森の世界へと惹き込みます。2024年公演からプーさんを演じる養田陸矢さんと、ピグレット/ルーを演じる新田恵海さんにお話を伺いました。(写真のぬいぐるみはショーで使用するパペットではございません。)
個性を受け入れ合い、愛し合っている姿が素敵

−2024年の公演に出演してどんなことを感じられましたか。
養田「この作品はとても包容力のある作品だなと思いました。プーさんたちは本当に個性的な仲間たちですが、それぞれの個性を受け入れ合い、愛し合っている姿が描かれているのが素敵だと思います。パペットも子どもの頃に好きだったぬいぐるみを思い出させるような愛らしさがあって、帰りたくなる場所・作品だと感じました」
新田「私たちにとって初めての挑戦が多かった中で、プーさんたちの可愛さを受け取ってもらえて、子どもの皆さんにも、大人の皆さんにも楽しかったという声をたくさん頂いたので、私たち自身もこの温かい作品に元気や勇気、癒しをもらいました。この作品に関わることができて幸せだなと感じました」
−VIB席では終演後に100エーカーの森の仲間たちとの記念写真撮影特典が付いています。皆さんの反応はいかがでしたか。
養田「プーさんたちのことを大好きだという気持ちがたくさん伝わってきて、こんなに愛されている作品に出演できて光栄だな、幸せだなと凄く感じました。僕自身も、プーさんのことをより好きになれる時間でした。プーさんに“今日誕生日なんだよ”と報告してくれたり、“最近辛いことがあったんだけれど、今日プーさんに会って楽しくて、また頑張ろうと思ったよ”と伝えてくれた方もいました」
新田「お子さんもいらっしゃるのですが、大人のファンの皆さんがたくさんいらっしゃって、本当にプーさんたちのことが大好きなんだなと感じられたのが新鮮な驚きでした。私にではなくピグレットに対して、“楽しかったよ” “可愛かったよ”と声をかけてくれるのが嬉しかったです」
−VIB席での撮影を体験させて頂いた時、自然にプーさんたちと目を合わせて会話している自分に驚きましたし、大人でもとても癒されるんだなと実感しました。
養田「それはめちゃくちゃ嬉しいですね!」
新田「私たちはピグレットたちがそこにいると感じていただくのが役目だと思っているので、そう言っていただけるのが嬉しいです」
歌っていると純粋に楽しい気持ちになれる

−パペットで演じる上で工夫されたことはありますか。
養田「自分からは動きが見えにくいので、ダブルキャストの動きを見る大切さを知りました。肉体は離れているけれど、血管や神経が繋がっているような感覚で僕は演じています。ある意味、自分の体も離れた感覚で、客観性を持って演じるので、これは普段の芝居を演じる時も役立つかもしれないと思いました」
新田「パペットを操演するのは初めての経験だったので、色々と動きを研究しました。ダブルキャストの方が演じているのを見て、可愛いと思った動きを共有して取り入れていました。お客様がピグレットに対して可愛いなと思うのと同じように、私も客観的にピグレットに対して可愛いなと感じていたので、お客様ともテレパシーが繋がっている感覚もありました。クリストファーロビンと同じようにプーさんたちと遊んでいるような感覚で、ショーとして観るというよりもみんながこの作品の世界の一部になれるのがこの作品の大きな魅力だと思います」
−ほんわかとした世界観の中で、大人にとっては大事なことを気付かされるようなメッセージも込められていますよね。
養田「プーさんの言葉を哲学的に感じられる方も多くいますが、プーさんは子供の頃には当たり前だったようなことを言葉にしてくれるので、原点回帰できるメッセージとも感じます。気づきをくれるけれど、気づき直しというか。不思議なことを言っているようで、実は子どもの頃に感じていた景色を思い出させてくれると思います」
新田「きっとそれは大人の皆さんだからだと思います。私は小さい頃にプーさんのアニメーションを観ていたんですけれど、その頃はスッとその世界に入り込んでいたと思うんです。でも大人になるとプーさんの言葉がじんわりと響くので、そのギャップが面白いなと思います」

−音楽の魅力についても教えてください。
養田「プーさんたちはその瞬間を楽しむ天才で、それが音楽にも込められていると思います。歌っていると純粋に楽しい気持ちになれるんです。ミュージカル俳優としても、歌う楽しさを改めて気づかせてもらった作品です」
新田「オープニングの楽曲は、大人から見たプーさんの世界の歌なのかなと思っています。大人の私たちがだんだんと子どもに帰ってプーさんの世界に入っていくような。この作品の世界に一気に惹き込まれます。アニメーションで親しまれている楽曲も多く使われていますが、ミュージカルでの歌声も良いなと思ってもらえると嬉しいです」
この森を“一緒に冒険する”気持ちで来てもらえたら

−プーさん、ピグレット/ルーとご自身が似ていると感じることはありますか。
養田「自分ではそうは思わないんですけれど、似ているねと言われることは多いです」
新田「のんびり屋さんなところが似ているよね。プーさんってプーさんタイムで生きているじゃないですか。陸矢くんもそういうところがあると思う」
養田「陸矢タイムで生きてる?!知らなかった(笑)。僕は仲間意識が強く、大切にしたいと思っているので、そこはプーさんに共感するポイントの一つです。カンパニー自体も仲間を大事にしている人が多いと思いますし、個性がそれぞれあって、それを受け入れあっているところも作品と重なると思います」
新田「ツアー中に朝ごはんを食べていると自然とみんなが集まってきて、ほのぼのした空気が流れているよね。100エーカーの森の住人たちという感じがして心地よいです。私自身がピグレットと似ているかもと感じるのは、巻き込まれ体質なところかな。周りに押されて、やるしかない!と飛び込んでいくところは、似ていると思います」
−最後に読者にメッセージをお願いします。
養田「皆さんがアニメーションや絵本で見ていた世界が実際にそこに現れて、プーさんやピグレットと会う体験ができます。ぜひ遊びに来てください」
新田「今年もくまのプーさんの世界で100エーカーの森で皆さんと遊べるのを本当に嬉しく思います。“観に来る”ではなく、“体験する”でもなく、ぜひこの森を“一緒に冒険する”気持ちで来てもらえたら嬉しいです。子どものみんなも、かつて子どもだったクリストファーロビンたちにとってもきっと素敵な体験になると思いますので、皆さんと会えるのを楽しみにしています」

撮影:蓮見徹
新作ミュージカル『ディズニー くまのプーさん』は5月10 日(土)からNiterra 日本特殊陶業市⺠会館 ビレッジホールにて名古屋公演が開幕。その後、大阪・福岡・東京・埼玉・横浜公演が行われます。東京公演は8月30日(土)から31日(日)まできゅりあん 品川区立総合区⺠会館 (8F 大ホール)にて上演。公式HPはこちら

昨年、本作を観劇し、温かい気持ちに包まれ自然と笑顔になる体験をしました。今年もプーさんたちに会えるのが楽しみです。