鴻上尚史さんのプロデュースユニット「KOKAMI@network」(コーカミネットワーク)第21回公演『サヨナラソング −帰ってきた鶴−』の上演が2025年8月31日(日)から紀伊國屋ホールにて行われます。本作に小関裕太さん、臼田あさ美さん、太田基裕さん、安西慎太郎さんの出演が決定し、キャストからのコメントが到着しました。
どんなことがあっても「生きのびること」
近年ではミュージカル『スクールオブロック』翻訳・演出や『反乱のボヤージュ』脚本・演出を手掛けるほか、小説家、ラジオパーソナリティ、映画監督など、多岐にわたる分野で活躍している鴻上尚史さん。
「KOKAMI@network」(コーカミネットワーク)は鴻上さんが毎回さまざまなキャストを迎えて作・演出(あるいは演出のみ)を手がけるユニットで、第1回公演は1999年に上演された『ものがたり降る夜』。以降、定期的に公演が行われてきました。
第21回公演『サヨナラソング −帰ってきた鶴−』は「生きのびること」をテーマとして、日本の民話「鶴女房」のその後の世界と、ある家族を中心とした現実の世界が交錯しながら展開されていくオリジナル新作となっています。
現代では売れない作家・宮瀬陽一、物語世界では鶴を助けた男・与吉を演じるのは、繊細な演技力で舞台・ドラマ・映画などジャンルを問わずに活躍し、舞台『キングダム』、『ジャンヌ・ダルク』(23年)、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』(24年)、ドラマ『あのクズを殴ってやりたいんだ』(24年)、『御曹司に恋はムズすぎる』(25年)日本版声優としてディズニー映画『モアナと伝説の海2』(24年)に出演、また4月スタートしたドラマ『波うららかに、めおと日和』『いつか、ヒーロー』に出演など多方面にわたって活動している小関裕太さん。
現代では売れっ子の作家・篠川小都、物語世界では恩返しに来た鶴・おつうを演じるのは、舞台リーディング劇『女中たち』(24年)、『ブラッシュアップライフ』(23年)、映画『雑魚どもよ、大志を抱け!』(23年)、『早乙女カナコの場合は』(25年)などがあり、昨年には写真家・川島小鳥と韓国・ソウルを舞台に撮影した写真集「ソウルメイト」を発売、今年のドラマ『御上先生』で、その存在感が話題となり活動の幅を広げる臼田あさ美さん。
現代では宮瀬の担当編集者・相馬和彦、物語世界では与吉の知り合い・馬彦を演じるのは、ミュージカルや舞台を中心に数々の人気作品で活躍し、現在上演中のミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』のほか、12月にはミュージカル『十二国記 -月の影 影の海-』への出演が控え、ミュージカル『スクールオブロック』(23年)、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ、演劇調異譚「xxxHOLiC」シリーズ、ミュージカル『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』(24年)など様々なジャンルの作品にて主要キャストを務め、その確かな演技力で存在感を発揮している太田基裕さん。
現代では篠川の息子・結城慎吾、物語世界では与吉の知り合い吾作を演じるのは、10月に『時をかけ・る〜LOSER〜』第二弾の上演を控え、『哀を腐せ』(23 年)、『演劇【推しの子】2.5 次元舞台編』、『朝日のような夕日をつれて 2024』(共に24年)、『しばしとてこそ』(25年)、オムニバス映画『Moirai』(25年)など俳優としての活動だけでなく、2020年には自身で企画・プロデュース・主演を務めた一人舞台『カプティウス』を上演するなどクリエイティブ分野にも活動の場を広げている安西慎太郎さん。
現代では宮瀬夫婦の子供・宮瀬由自、物語世界では、与吉とおつうの子供・新太を演じるのは三田一颯さん・中込佑玖さん(Wキャスト)です。
<ストーリー>
去っていくものは美しい。けれど、残されたものは哀しい。売れない作家である宮瀬陽一が残した遺書のような物語は、日本人なら誰もが知っている「鶴女房」のその後を描いた小説だった。鶴であることが夫にばれ、遠くの空に旅立った鶴が、もし戻ってきたとしたら。村の中で、二人は、どんな人生を始めるのか。だが、その物語は、小説誌の掲載を断られて、未完で終わっていた。宮瀬の担当編集者だった相馬和彦は、宮瀬の妻であり、夫と違って売れっ子作家の篠川小都に、この続きを書いて下さいと迫る。小都は、悩んだ末、夫のことを知りたくて、夫の作品に没入していく。物語は、小都の小学三年生の息子、由自と、小都の大学の後輩であり、担任の結城慎吾との関係から生まれる現実の世界と、「鶴女房」のその後の世界の二つを、交互に往復しながら展開される。テーマは「生きのびること」。どんなことがあっても「生きのびること」。
鴻上さんは「日本人なら誰もが知っている鶴女房のラストは、切なく、かっこいいものです。去っていく鶴は圧倒的に美しい。けれど、残されたものは、哀しい。もし、去った鶴が戻って来たとしたら。そして、村の中で夫と二人で生活を始め、子供までできたとしたら。どんな人生になるのだろう。かっこよく去らず、戻ってきたことは果たしてよかったのか」と語り、キャストについて「じつに魅力的な人達に集まってもらえました」と期待を寄せました。
キャストからのコメント到着
小関裕太
今回、初めてご一緒させていただく鴻上さんと、僕にとって初めての紀伊國屋ホールでの公演作品となり、とてもワクワクしています。
今作は鴻上さんのオリジナル脚本なのですが、プロットを読ませていただき、「生きる」ということを考えさせられ、この物語に飛び込んでみたいと思いました。
先日、鴻上さんとこの作品についてより深くお話しする機会をいただいたのですが、日本の舞台界を引っ張ってきた偉大な方でありながら、丁寧に同じ目線で向かい合ってくださる姿勢が印象深く感銘を受けました。
さて今夏の終わり、この作品が創り上げられた公演期間にどんな景色が見られるか、物凄く楽しみです。
観に来てくださる方の心に残るひと作品になりますように。真心込めます。
臼田あさ美
この度「サヨナラソング −帰ってきた鶴−」に出演させて頂く事になりました。私自身、演劇の舞台に立つのが 8 年ぶりということもありますし、演出の鴻上さんをはじめ、共演の皆様とも初めましてなので、全く先が見えません。足を運んでくださった方々に、楽しんでいただけるよう、日々のお稽古を大事に、心を通わせて作り上げていきたいと思います。なんて落ち着いて言葉をまとめてみましたが、やはり想像をするととんでもなく緊張するので、今はあまり考えすぎずに、作品の栄養になるようなことをどんどん吸収して頑張ります!頑張りましょう!
太田基裕
演出の鴻上尚史さんとは以前、ミュージカルでご一緒させていただきました。思慮深い方という印象で、楽しく共に作品を構築させていただきました。
今回もまたどのような作品になるのか、自分自身への挑戦、学びも得ながら、キャスト・スタッフの皆様と素敵な作品になる様、精進したいと思います。
劇場でお待ちしております。
安西慎太郎
「サヨナラソング −帰ってきた鶴−」。今、とてもワクワクしています。
脚本・演出の鴻上さんとは以前ご一緒した時にとても刺激的な時間を過ごさせて頂き、改めて演劇の面白さと可能性を肌で感じました。
キャストの皆様も全員初めましての方達なのですが、こうして新しい人々と出会えること、物語の中で役として出会える事を幸せに思います。
また、観劇者であるお客様が一生忘れる事のできない記憶に残る作品にできたらと思っています。是非、劇場へお越し下さい。
『サヨナラソング −帰ってきた鶴−』は2025年8月31日(日)から9月21日(日)まで紀伊國屋ホール、9月27 日(土)から9月28日(日)まで大阪・サンケイホールブリーゼにて上演されます。公式HPはこちら