シェイクスピアの『から騒ぎ』を原作に、三谷幸喜さんが翻案・演出を手がけた『昭和から騒ぎ』が5月25日から世田谷パブリックシアターにて開幕しました。本作の舞台写真と出演者の松本穂香さんのインタビューが到着しました。
三谷幸喜がシェイクスピア喜劇の翻案上演に初挑戦
『昭和から騒ぎ』は、劇作家の三谷幸喜さんがシェイクスピアの『から騒ぎ』を翻案した作品。物語の舞台をイタリア・シチリア島から、終戦後しばらく経った日本の鎌倉に置き換え、恋愛喜劇を描きます。
三谷さんはこれまでも2012年にチェーホフの名作『桜の園』の翻訳を手掛けて以来、ロナルド・ハーウッド作『ドレッサー』、ニール・サイモン作『ロスト・イン・ヨンカーズ』『23階の笑い』、ジャン・コクトー作『声』、カルロ・ゴルドーニ作『抜目のない未亡人』と、幅広いタイプの海外戯曲に挑んできました。意外にもシェイクスピア作品には初挑戦となります。

本作に出演するのは、これまで数多くの三谷作品に出演してきた大泉洋さん、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に出演した宮沢りえさん。そして『大地』以来2作目の三谷戯曲への出演となる竜星涼さんと、三谷作品初参加の松本穂香さん、松島庄汰さん。さらに三谷さんからの信頼も厚い峯村リエさん、高橋克実さん、山崎一さんの8名です。

<ストーリー>
舞台は鎌倉にある日本家屋。東京の大学に勤めるドイツ文学研究者・鳴門先生(高橋克実)の屋敷。
ここには鳴門先生と長女びわこ(宮沢りえ)、次女ひろこ(松本穂香)、女中の明日香(峯村リエ)が暮らしている。
今日は、久々に鎌倉にやってくる旅芸人一座の話題でもちきりだ。
長女びわこは、一座の看板役者・紅沢木偶太郎(大泉洋)が昔から気に食わないようで、今日も悪口が止まらない。
そこに、何年ぶりかで公演にやってきたという挨拶に、噂の木偶太郎が花形役者となった尾上定九郎(竜星涼)と若手役者の荒木どん平(松島庄汰)を連れて鳴門家の屋敷にやってきた。
久々に顔を合わせたびわこと木偶太郎だったが、いきなり強烈な舌戦の火ぶたが!!
周りが口を挟む隙間さえ与えない2人だったが、父親の鳴門先生はそのやりとりを楽しんでいる様子。
2人の言い合いが一段落し、木偶太郎と二人になった定九郎は、熱に浮かされたように打ち明けてしまう…。
ひろこに恋をしてしまった、、、と。そこに巡回中の巡査・毒淵(山崎一)が現れて…。
顔を見ればいがみ合ってばかりのびわこと木偶太郎。
互いへの思いを静かに熱く募らせる定九郎とひろこ。
この対照的な2組の男女の行く末に、果たして、明るい未来はくるのだろうか?
松本穂香インタビューが到着!

―宮沢さんと姉妹役とのことですが、稽古場ではどんなコミュニケーションを取られていましたか?
稽古場でたくさんおしゃべりをさせていただいて、毎日いろいろなアドバイスをくださいました。「昔、自分も言ってもらって身になったことだから」とか「こうやったほうがいいよ」と具体的に優しくアドバイスをくださるので、とても助けていただいています。そうやって日々、繋がりが濃くなっていっていると思うので、それがみなさんの目にも姉妹の絆として映れば嬉しいですね。大泉さんも、いろいろと話しかけてくださって芝居以外のお話も聞かせていただいています。とにかく三谷さんと大泉さんの稽古中の攻防戦みたいな会話がとても楽しくて!
―恋愛喜劇とのことですが、「コメディ」はお得意ですか?
私は出身が大阪で、吉本新喜劇を見て育ったのですが、その新喜劇に通ずるものを感じました。新喜劇と同じように駐在さんも出て来たり、最終的にはみんなでワイワイしながら終わるハッピーエンドだというところも似ていて、昔からある喜劇の良さみたいな温かみを感じます。
でも、喜劇は大好きなのですが、演じるのは難しいとも感じています。ちょっとした言い方や間で変わってしまいますし、狙いすぎてもダメでしょうし。でも、そういうチャレンジは大好きなので、毎日の稽古がとても楽しかったです。
―最後に本作品への意気込みをお願いします。
三谷さんの脚本と演出は、一人一人のキャラクターがとても愛おしいんです。私も、その一人になって、そこに埋もれることなく楽しくお芝居をしたいと思っています。
シス・カンパニー『昭和から騒ぎ』は6月16日(月)まで世田谷パブリックシアターにて上演。その後、大阪・福岡・札幌・函館公演が行われます。公式HPはこちら