世界的な伝説のロックバンド、ビートルズ。その名前を知らない人はいないと思います。では、彼らがデビューする前、実は5人編成だったことを知っていますか?2019年の初演、2023年の再演を経て、多くの観客を熱狂の渦に巻き込んだ舞台『BACKBEAT(バックビート)』が“5人のファイナルステージ”として再々演を迎えます。ビートルズ来日60周年という記念すべき年に上演されるとあって、演劇ファンはもちろん、ビートルズ好きの方や、まだ劇場体験が少ない方にとっても見逃せない体験になるはずです。

舞台『BACKBEAT』とは?初期ビートルズの史実に基づく作品

舞台『BACKBEAT』は、1994年に公開された伝記映画『BACKBEAT(バックビート)』を原作とし、イアン・ソフトリー監督自らが舞台化した作品です。舞台は1960年のイギリス・リヴァプール。わたしたちがよく知る4人組になる前、若き彼らが情熱と葛藤の中で過ごした青春の日々を描いています。

主役となるのがスチュアート・サトクリフ(通称スチュ)。絵の才能に恵まれながらも、親友であるジョン・レノンに誘われ、ベーシストとしてバンドに加入した青年です。

物語は、スチュアートとジョンの強い絆、そして芸術とロックの間で揺れ動くスチュアートを軸に展開します。そこに、ジョージ・ハリスン、ポール・マッカートニー、ピート・ベストが加わり、5人の若者たちが荒削りながらも強烈なサウンドを響かせていきます。

さらに、初めての巡業先、ドイツ・ハンブルクで出会った女性写真家アストリッド・キルヒヘアとの運命的な恋が、スチュアートの人生を大きく変えていきます。彼女との出会いによって、スチュアートは再び画家の道を志すようになりますが、バンドの人気はどんどん高まっていくのでした。

バンドが成功への階段を駆け上がっている。けれど自分の進むべき道は違うのではないか。青春の光と影、戻らない時代の切なさは、現代を生きるわたしたちの心にも深く刺さることでしょう。

【あらすじ】
1960年、イギリス・リヴァプール。絵の才能を持つスチュアート・サトクリフは、同じ学校に通う親友ジョン・レノンに誘われ、ロックバンドにベーシストとして加入する。スチュアート、ジョン、ジョージ・ハリスン、ポール・マッカートニー、ピート・ベストら5人の“ビートルズ”は、巡業で訪れたドイツ・ハンブルクの地で頭角を現してゆく。

とある夜、女性写真家のアストリッド・キルヒヘアが、自身もアーティストでありミュージシャンであるクラウス・フォアマンに連れられインドラクラブにやってくる。スチュアートとアストリッドは互いに運命的な出会いを感じ、恋に落ちる。スチュアートは彼女との出会いをきっかけに再び絵を描き始め画家の道を志すが、ビートルズは魅力的なナンバーを次々に打ち出し、評判は日に日に高まってゆく―――。

圧巻!20曲以上の生演奏が鼓動する

本作最大の見どころといえば、20曲以上の楽曲がキャストによって生演奏されることです。「ミュージカルでもない。ただのLIVEではない」と、ジョージ・ハリスン役の辰巳雄大さんはコメントしています。

翻訳・演出を手掛けるのは石丸さち子さん。ミュージカル『マタ・ハリ』(翻訳・訳詞・演出)や舞台『鋼の錬金術師』(脚本・演出)で知られています。故・蜷川幸雄さんのもとで演出助手として研鑽を積んだ後、演出家として独立し、オリジナル作品に加え、ストレートプレイからミュージカルまで幅広い作品を担当してきました。

音楽監督は、シンガーソングライターとして活動しながら、様々なアーティストへの楽曲提供やプロデュース、舞台の音楽監督や歌唱指導など、多方面で活躍している森大輔さんが務めます。彼らのタッグによって、登場人物の感情が爆発する手段としての音楽が見事に表現されるのではないでしょうか。

ストレートプレイ(歌唱を含まない演劇)と銘打ちながら、20曲以上を生演奏するという、類を見ない難易度のステージに、「令和のビートルズ」が再び挑みます。初期ビートルズならではの、荒々しくもエネルギーに満ちたサウンドは、ビートルズ世代でない人でさえも興奮の渦に巻き込んでしまうはずです。

令和のビートルズが帰ってくる!キャスト陣の情熱と覚悟

主人公のスチュアート・サトクリフ役を演じるのは、4人組男性アイドルグループ「A.B.C-Z」のメンバー、戸塚祥太さんです。繊細な演技力と華やかな存在感で、絵と音楽の間で心揺れるスチュアートを体現します。ファイナルステージについて、「様々なことを確かめる為にもしのごの言わずRock&Rollしたい」とコメントしました。

スチュアートの親友であり、バンドのリーダーであるジョン・レノンを、ミュージカル界のトップランナー、加藤和樹さんが演じます。「初演の時に『再演はもうやれないかもしれない』と思うほどのエネルギー量の歌・芝居で挑んだ」とコメント。「今回はファイナルということで、今持てる全てをビートルズに捧げます」という言葉に、並々ならぬ覚悟が滲みます。

ギターを愛するジョージ・ハリスン役には、4人組男性アイドルグループ「ふぉ~ゆ~」の辰巳雄大さん。「言葉だけではなく、魂と音でジョージ・ハリスンとして伝えていきたい」と意気込みます。単独での舞台経験も豊富な辰巳さんが見せる、若きジョージの姿は必見です。

音楽の才能溢れるポール・マッカートニーを演じるのは、ロックバンド「THE& exFUZZY CONTROL」のJUONさん。プロのロッカーである彼が奏でるベースと歌声は、この舞台の屋台骨を支えています。「この喜びと今だから感じられる思いを抱きしめながら僕達は、ROCK AND ROLLします」と、熱いメッセージを寄せました。

当時のドラマー、ピート・ベスト役を、舞台・ミュージカルを中心に活躍する上口耕平さんが演じます。パワフルなドラミングでバンドのリズムを刻んでくれることでしょう。「この作品の集大成をお届けできるという確信を持って稽古に挑みます」と語り、劇場が1つになる瞬間を待ち望んでいるそうです。

スチュアートの恋人、アストリッド役には、元宝塚歌劇団トップ娘役の愛加あゆさんが続投。そして、後にビートルズのドラマーとなるリンゴ・スター役には、新たに林翔太さんが出演。林さんは本作のためにドラムの練習をしており、その演奏にも期待が高まります。

そして見逃せないのが、歌手・俳優である尾藤イサオさんです。実は尾藤さん、1966年のビートルズ来日公演で前座を務めた伝説のシンガー。当時の熱狂を肌で知る彼が、エルヴィス・プレスリーのナンバーを歌唱する姿は、この舞台でしか見られない奇跡の瞬間になることでしょう。

舞台『BACKBEAT』は、2026年4月12日(日)、水戸市民会館 グロービスホールにてプレビュー公演を実施。その後、4月17日(金)から19日(日)まで穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール、4月25日(土)から26日(日)までSkyシアターMBS、5月3日(日祝)から17日(日)までEX THEATER ROPPONGI、5月21日(木)から24日(日)まで兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて上演されます。公式HPはこちら

さよ

夢を追いかけ、仲間とぶつかり合い、恋に悩み、そして決断する。その姿は時代や国境を越えて、誰の心にもある青春そのものだと思います。舞台『BACKBEAT』の集大成となるファイナルステージ。ぜひ劇場で、その熱を体感してください!