劇団「山田ジャパン」が、人気作『9でカタがつく』を2026年3月に再演します。親子の空白、交錯する過去と現在、そして麻雀荘という空間。さて、彼らの人生にどのような「カタ」がつくのでしょうか?

劇団10周年記念公演の人気作が再演へ

2008年の旗揚げ以来、独特で哲学的なテーマと中毒性のあるユーモアで演劇ファンを魅了してきたのが劇団「山田ジャパン」。2019年に劇団10周年記念3部作として初演された人気作『9でカタがつく』を、2026年3月に再演します。

物語の舞台は、オリエンタルタウンの片隅に佇む麻雀荘「ムジナ」です。そこに集うひと癖もふた癖もある常連客の中に、自分の過去を一切語らない謎めいた青年・近田チヒロがいます。そんな彼の前に突然現れたのは、9年もの歳月をかけて息子を捜し出した母・カヨでした。

過去を捨て、現在だけを生きようとする息子と、失われた時間を取り戻そうとする母親。2人の奇妙な生活が、麻雀荘の女性オーナー・ミヨンや常連客たちを巻き込み、物語は予想外の方向へと動き出します。9年という月日が親子に残した爪痕とは何なのか。麻雀荘という特殊な場所で、彼らの人生にどのような「カタ」がつくのか、目が離せません!

【あらすじ】
ネオンひしめくオリエンタルタウン。その片隅に「ムジナ」という名の麻雀荘があった。店の常連客の中に、近田チヒロ(関哲汰さん)という謎めいた青年がいる。やたら人懐こいのだが、自分の素性に繋がる話だけは絶対にしない。常連客は興味を持って詮索するが、彼がどんな人物なのかは誰も知る由がなかった。

ある日、そんなチヒロのもとに母の近田カヨ(いとうあさこさん)が現れる。9年かけてこの場所を突き止めたカヨは、チヒロが隠していた素性をみんなに明かし、彼の生活に割り込むようにこの街に住み始める。カヨの目的は「もう一度家族をやること」だった……

9年間も離れ離れになっていた親子の間には何があったのか? そしてチヒロはなぜ過去を隠すのか?ムジナの女性オーナー、ミヨン(百田夏菜子さん)の協力を経て明らかになっていく過去と、ムジナの現在が緩やかに交差する。

これは、家族の再生に燃える母親とそれを拒否する息子、そしてそれを見守る麻雀打ちが織りなす、不思議な不思議な物語一一

役者が変われば「再演」も「新作」に?

今回の再演で注目すべきは、豪華で個性豊かなキャスト陣です。

主人公のチヒロ役には、ダンス&ボーカルグループ「ONE N’ ONLY」のメンバーとして活躍し、俳優としても大躍進中の関哲汰さんが選ばれました。初演に引き続き、母・カヨ役はいとうあさこさんが演じます。

ミヨン役には「ももいろクローバーZ」の百田夏菜子さん。さらに、劇団☆新感線でも活躍する吉田メタルさんや、今回で劇団作品への出演が5度目となる東京ダイナマイトの松田大輔さん、さくらんぼブービーのカジさんなど、安定感も実力も折り紙付きの個性豊かな俳優たちが脇を固めます。

旗揚げメンバーでもあるいとうさんは、今回の再演について「山田ジャパン、いつも“再演”と言いながら“新作”に近しいくらい違う作品になる」と語ります。山田さんが「今の言葉や感覚」で脚本をアップデートし、新たな顔ぶれがキャラクターに命を吹き込むことで、初演を知るファンにとっても、初めて観る人にとっても、新鮮な衝撃があるのではないでしょうか?

山田ジャパン2026年3月公演『9でカタがつく』は、2026年3月20日(金・祝)から29日(日)まで本多劇場にて上演されます。公式サイトでぜひ詳細をご確認ください。

さよ

山田ジャパンの作品は、思わず笑ってしまうのに、その奥底のテーマが観客に問いを投げかけてきます。「過去を頑なに拒む息子」と「なりふり構わず愛をぶつける母」という対照的な構図から、社会をどのように切り取るのでしょうか?「演劇の街」下北沢で交差する人間ドラマに、今から期待が膨らみますね。