ひんやりとした空気で鼻先が冷たくなり、北風に思わず背中を丸めてしまう冬がやってきました。肌寒いこの季節は、ハートフルなミュージカルが恋しくなります。家族や友人など、大切な人とのつながりを感じられるようなミュージカル映画を観ると、心がぽかぽかとあたたかくなりますよね。寒い冬におうちで観たくなるような心あたたまるミュージカル映画を3つご紹介します。

『グレイテスト・ショーマン』

実在した興行師のP・T・バーナムをモデルにした主人公を、映画版『レ・ミゼラブル』でジャン・バルジャンを演じたヒュー・ジャックマンが好演しています。愛する妻と娘たちに囲まれてつつましく暮らしていたバーナムは、フリークスのサーカスや欧州オペラ歌手の全米ツアーなどの奇抜な興行をプロデュース。ショービジネスの世界において大成功を納めます。

暮らしは裕福になっていきますが、バーナムは段々と家族を顧みずにショーにのめり込んでいってしまいます。そんな中、サーカス小屋が火事で焼失。失意のどん底に落ちたバーナムに寄り添ってくれたのは、彼のおかげで居場所を見出したサーカスの団員たちでした。

ショーマンとして奮闘するバーナムが、家族の大切さに気づくミュージカルシーンの「From Now On」は、故郷に帰りたくなるような懐かしさをくすぐる歌です。大団円のラストシーンは、胸があたたかくなること間違いなし。

『アナと雪の女王/家族の思い出』(短編映画)

『アナと雪の女王』のその後を描いた約22分の短編映画です。原題は『Olaf’s Frozen Adventure』で、雪だるまのオラフがメインで活躍する物語になっています。

アレンデール王国にはクリスマスにそれぞれの家が家族の伝統にならって過ごすという風習がありました。アナとエルサは、お城の門を開けてから初めてのクリスマスを盛大にお祝いしようと国民をお城に招いてパーティーを開催。

しかし、国民は伝統的なクリスマスをそれぞれの家で過ごすためにすぐに帰ってしまいます。幼い頃に離れて暮らしていたアナとエルサには家族で過ごしたクリスマスの思い出がなく、少し寂しい気持ちになるのでした。そんな姉妹の様子を見ていたオラフは、2人のためにクリスマスの伝統を見つけようと王国中を探して回ります。

北欧のぬくもりを感じるクリスマスのモチーフが登場するので、観ているだけでクリスマスムードを味わえます。国中の家々を回り、クリスマスの伝統を探すオラフの姿が愛しいです。フィナーレでアナとエルサがデュエットする「あなたといるだけで」は、姉妹の美しいハーモニーに心があたたまります。

『ピートとドラゴン』

古いディズニー映画から、少し珍しい作品を選んでみました。『ピートとドラゴン』は、孤児の少年ピートと姿を消すことができるドラゴンのエリオットとのふれあいを描いたミュージカル映画。実写とアニメーションを融合して作られています。

意地悪なゴーガン一家に働かせられていたピートの唯一の友達は、心優しいドラゴンのエリオット。ピートはノラという優しい女性に出会い彼女の家で暮らし始めますが、イタズラ好きのエリオットが村や学校で騒動を起こします。ピートを可哀想に思ったノラは、ピートと心を通わせて養子にならないかと誘うのでした。優しさのお礼に、ピートとエリオットは遭難したノラの恋人・ポールを探すことに。しかし、ドラゴンの噂をききつけた医者がエリオットを捕獲しようと企みます。

この作品の魅力は、登場人物たちの心のふれあいを描く優しい音楽。冒頭に流れる「Candle On The Water」は、「道にさまよっているあなたをろうそくの灯りのように導いてあげる」という歌詞がまるでピートを優しく見守るエリオットの愛情そのもの。包容力があってあたたかい気持ちになれる曲です。

さきこ

肌寒い季節にぴったりな心があたたまるミュージカル映画を3つ紹介しました。あたたかい部屋でホットココアを飲みながらハートフルなミュージカル映画に癒される時間は、何よりも格別。寒い冬はミュージカルで心をぽかぽかにあたためてみてはいかがでしょうか?