2021年公開の『イン・ザ・ハイツ』に加え、制作予定の映画版『ウィキッド』の監督として名が上がっているジョン・M・チュウ。次々とヒット作を連発し、ハリウッドでその名を轟かせているチュウ監督作品の魅力に迫ります。

『クレイジー・リッチ!』で記録的大ヒット

中国出身の父親と台湾出身の母親の間に生まれ、カリフォルニアで育ったチュウ。学生時代に制作した短編映画がスピルバーグ監督の目に留まったことからキャリアをスタートさせます。

『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』やダンス映画『ステップ・アップ2』などで順調にキャリアを積み上げたチュウ監督ですが、その代表作は2018年公開の『クレイジー・リッチ!』。キャストの大半がアジア系の俳優で構成された映画はハリウッドでは珍しく、記録的な大ヒットとなりました。

特徴は「ダンスナンバー」と「彩色」

チュウ監督作品の特徴といえば、鮮やかな彩色を含むカットと、キレの良いダンスナンバー。直近の監督作『イン・ザ・ハイツ』でも、大勢のダンサーがラテン音楽に合わせ踊るシーンがふんだんに取り入れられていました。製作陣に名を連ねる映画版『ウィキッド』についても、そのファンタジックな世界観にふさわしいショットが期待できそうです。

また、チュウ監督作品の最大の魅力は、視覚や聴覚に訴えかける壮大なシーンを入れつつも、その中で揺れ動く登場人物たちの機微も的確に捉えるところ。『ウィキッド』についても、オズの国らしい魔法の表現にこだわりながらも、主人公たちの繊細な関係性を際立たせたいと意気込みを語っています。

Akane

ハリウッドの新世代を代表するチュウ監督。ミュージカルファンにとっては長く親しめる名となりそうです。