『フィスト・オブ・ノーススター〜北斗の拳〜』のマミヤ役で、ミュージカル作品デビューを果たす清水美依紗さん。先日行われた制作発表直後の清水さんに、ミュージカルへの想い、マミヤ役のこと、リリースしたばかりの新曲「Niji」のことなど、特別インタビューが実現しました!

山崎育三郎の一言が、ミュージカル挑戦の後押しに

−『フィスト・オブ・ノーススター〜北斗の拳〜』は念願のミュージカル出演だと伺いました。
清水「歌手になるための表現力を磨くという意味で、2018年にニューヨークに演劇を学びに行きました。ニューヨークで学んでいく中で、どんどんミュージカルに出たいという気持ちになっていきました」

−清水さんは昨年、山崎育三郎さん、尾上松也さん、城田優さんのIMY率いる舞台『あいまい劇場 其の壱 あくと』に出演。劇中では、歌唱シーンがありましたよね。
清水「あいまい劇場に出させていただいたきっかけも、ニューヨークで山崎育三郎さんと出会ったから。“ミュージカルをやりなよ”とすごく背中を押してくださってから、ミュージカルを本気でやりたいなと思っていました。こんなに早く『フィスト・オブ・ノーススター〜北斗の拳〜』でミュージカル作品に役で出演することが叶うとは、嬉しく感じています」

初めての役づくりに、心も身体も酷使すると実感

写真:山本春花

−マミヤという役について、どのような印象を持っていましたか?
清水「初演の時の映像を見たときに、マミヤという女性にすごく衝撃を受けました。両親も殺されて、女性としても傷ついた経験があるという重い過去を背負っているのに、自分より村の人たちのリーダーとして戦う姿が凄く素敵で、感激して…。
マミヤが感じている相手にかける強い想いや、愛を与えることで自分が強くなっていく姿を見て、すごく演じたいなと心から思った役でした」

−実際に演じてみていかがですか?
清水「実際に台詞を言って、動きがついて…となると、マミヤとして存在する大変さをあらためて稽古が始まってから感じています。
普段の自分の喋り方は、凄く落ち着いているというか…。マミヤはもっと声を張って、パッと通るような声のイメージなので、なかなか声の部分も役とつながらなかったり、立ち振る舞いもなかなか自分と繋がらない部分があったりして。
そういう意味で、マミヤの気持ちだったり、どう心を持っていくのか、理解をしていくのか、それをどう身体や立ち振る舞いにつなげていくのか。役作りは、心も体も酷使するということを凄く感じました」

−制作発表では、「壁にたくさんぶつかっている」と仰っていましたね。
清水「役作りをするというのも初めてのことなので、何にもわからない状態から見よう見まねで、皆さんがやられていることに、インスピレーションを受けて試してみるとか、自分に合うやり方を見つけているところです。今はまだスタートラインにいて、マミヤと繋がれる、マミヤと仲良くなれるような瞬間というのを本当に待ち望んでいます。
残り3週間しかなくて、急がなきゃいけないと焦ってしまう気持ちもあるので、落ち着いてしっかりと作品に対して理解した上で、楽しんでいけたら」

写真:山本春花

新曲「Niji」。恐れずに、自分を最大限に表現してほしいとメッセージ

−マミヤとは正反対と話す清水さんですが、先日リリースされた楽曲「Niji」からは、とても強さを感じました。タイトルにも曲中にも出てくる「虹」が表すことや、曲に込めた想いはありますか?
清水「多様性だったり、LGBTQの虹だったり、自分の色を最大限に表現していく。そういうことを恐れないでほしいという想いがあります。
本当にいろんな解釈で「Niji」という曲は聴けると思っています。そういう意味では今の時代に凄く合っていて、広い視野で若い方から少し上の世代の方まで聴いていただける機会になるかなと凄く感じますね。
「Niji」という曲から溢れ出るパワーだったり、私の歌声で思わず自分自身を出したくなるような、思わず踊り出したくなるようなエナジーソングになっています!」

いつか『ミス・サイゴン』のキムを…!

写真:山本春花

−ニューヨーク留学中に観て感銘を受けたミュージカルはありましたか?
清水「『DEAR EVAN HANSEN』というミュージカルです。
映画化された作品なんですけど、『DEAR EVAN HANSEN』を見たときは本当に感動しました。音楽を『グレイテストショーマン』の作曲をした方が音楽を手掛けていて、凄く壮大です。1人の少年の嘘から始まるストーリーの中で、少年の葛藤だったり、今悩んでいることだったりが全面に出るような。少年1人が歌いかけているメッセージ性に、凄く強く惹かれました。
今のSNSの時代だからこそ感じる問題だなと思います。一瞬で嘘がSNSで広がってしまって、結局みんなが敵になってしまう。一番近くで見守っていた母親だけが味方でいてくれる。今の時代に本当にありそうな作品をブロードウェイで見ることができて、良かったです。
現代音楽に近い音楽でストーリーが進んでいくのを観て、どんどん新しい作品が出てきてるんだなって感じました」

−ミュージカルで一番好きな作品はありますか?
清水「一番好きなミュージカルは『ミス・サイゴン』で、ワシントンD.Cで観劇しました。本当に素敵な作品です。観劇した時はまだ戦争は起こっていなかったけれど、『北斗の拳』の作品も、この時代だからこそ感じるものがある。観劇したことを今でもよく思い出します。
『ミス・サイゴン』のキムは、自分のロールモデルのような存在。憧れている役なのでいつか演じたいなと思っています」

−今後の清水さんの表現者としての展望はありますか?
清水「役者としてはまだまだ未熟なのですが、この『北斗の拳』をきっかけにたくさん成長したいなという気持ちでいっぱいです。もっとミュージカルの作品や、いろんな世界に飛び込んで役を演じたいと思っています。
そして『ミス・サイゴン』のキムをやりたいという目標。自分が『ミス・サイゴン』という作品を知らなかった時からキム役は合うんじゃない?と言われることが多かったんです。アメリカに行ってもキムは似ていると言って頂くことが多く、実際にワシントンD.C.で観て「やりたい」と思ったので、絶対に実現させたいです。
音楽活動としては、役として歌う美依紗とは別に、歌手として自分自身で歌う美依紗というのも見せていきたいなと感じます。ライブをやるのは凄く夢です!」

写真:山本春花

ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター〜北斗の拳〜』は、9月25日(日)〜30日(金)まで 東京・Bunkamuraオーチャードホールで上演。その後、10月7日(金)〜10日(月)には 福岡・キャナルシティ劇場で上演予定です。公式HPはこちら

ミワ

清水さん初のミュージカル作品となる『フィスト・オブ・ノーススター〜北斗の拳〜』。お話を伺い、更に清水さんのこれからの活躍がとても楽しみになりました。いつか『ミス・サイゴン』のキム役を演じている清水さんの姿を観たいです!