ミュージカル『マチルダ』は、イギリスのトップ・ミュージカルの1つ。2012年に、イギリス版のトニー賞と言われるローレン・オリヴィエ賞で、主演女優部門をはじめ7つの部門で受賞という快挙を成し遂げました。2013年にはブロードウェイに進出、トニー賞でベスト脚本賞含む4部門に輝きました。そんな世界に愛されてきた大ヒットミュージカルが、ついに2023年3月、待望の日本人キャストで初上演です！今回は『マチルダ』の製作発表の様子をお届けします。(詳しくはこちらの記事から)

痛快でファンタジー溢れるミュージカル『マチルダ』に、個性豊かな日本オリジナルキャストが集結！

製作発表には日本オリジナルキャストが勢揃い。なんといっても注目なのは、1000名以上の応募の中から、海外クリエイティブスタッフによる厳しいオーディションを勝ち抜き、選ばれたマチルダ役の4名。嘉村桜良さん、熊野みのりさん、寺田美蘭さん、三上野乃花さんです。4人はマチルダの衣装に身を包み登場。4人のうち半数は、初ミュージカルや初舞台作品ということで、少し緊張した面持ちでした。

その他にも、マチルダの通う学校の厳格な校長、ミス・トランチブル校長役の大貫勇輔さん、木村達成さん、小野田龍之介さん。マチルダの担任で良き理解者のミス・ハニー役の咲妃みゆさん、昆夏美さん。マチルダの両親、ミス・ワームウッド役の霧矢大夢さん、大塚千弘さんと、ミスターワームウッド役の田代万里生さん、トレンディエンジェルの斎藤司さんが登壇しました。

4人のマチルダを、後ろから暖かい表情で見守る咲妃みゆさんと昆夏美さんは既にミス・ハニー先生のよう。咲妃さんは、「Wキャストの昆夏美さんと一緒に手を携えて、マチルダの良き理解者であるミストハニーを作り上げていきたい。マチルダの4人を愛して敬意を持って演じたい」とコメント。

咲妃さんのご両親は学校教諭なんだそう。幼い頃から両親が奮闘する姿をずっと背中を見てきたと言います。「両親が長年勤めてきた仕事に形は違えど向き合うことができることを幸せに思います。両親にも太鼓判を押していただけるような先生を作り上げられたら」と意気込みを語りました。

本作を生で観劇したことはないものの、「海外で観た友人たちが全員“マチルダが1番良かった”と言っていたのが印象的だった」と昆さん。当時作品について調べた時には、「私がやれる役は無い」と思っていたそうですが、日本初演キャストを務めることに。

その巡り合わせに驚きながらも、「ハニー先生は、今まで演じてきた役と少し離れているので、まだ引き出しが多分ない状態からのスタート。期待でいっぱいです」と話しました。

ミス・トランチブル校長は、トリプルキャスト。

大貫勇輔さんは、ウエストエンドで見た時に、素晴らしい衣装・セット・構成、そして振り付けに感動したと話します。中でも印象に残っているのが、ミス・トランチブル校長がリボンを振りながら歌い踊りまくる姿。

「肉襦袢も付けて踊るので、どんな動きになるかわからないが、得意な身体表現を生かして作っていけたら」と言う大貫さん。『北斗の拳 〜フィスト・オブ・ノーススター〜』での機敏な動きも記憶に新しい、大貫さんの身体能力が存分に生かされたミス・トランチブルの誕生が楽しみです。

「世界中がワールドカップに盛り上がってますけれども、最高のスタメンでミュージカル『マチルダ』を日本にお届けできると思います」と話したのは小野田龍之介さん。「以前観劇した時は、まさか自分がこの役で、あの姿で作品の一部になるとは思ってもみなかった」と言います。

「『マチルダ』にミス・トランチブルとして携わる上で一番楽しみは、生徒たち、ミス・ハニー、マチルダといかに対峙できるか。非常に戦い甲斐のある子供が揃ったなと思ったので、（ミス・トランチブル校長の）3人でこの子供たちに立ち向かっていきたいと思います」と語りました。

木村達成さんは、「校長先生をやるような人柄ではないんですが、このような校長なら、出来るかもしれない」と思ったそう。「特徴的な扮装、そして厳格な表情がしっくりくるようなトランチブルを作りたい」と語りました。

マチルダのことを全く省みず、社交ダンスに夢中な母親、ミス・ワームウッドを演じるのは霧矢大夢さんと大塚千弘さん。
霧矢さんは、ビジュアル撮影の時にコーディネーターの方に「自分が世界で一番美しいと思っている。そして、実は違うんだよ」ということを強調して伝えられたそう。

「マチルダをほったらかしてまで、社交ダンスに一生懸命で夢中。大人がそれだけ熱中して取り組むものがある姿を、愛おしいなと思って観ていただけたら」とコメント。また、ビジュアル撮影がマチルダの後だったので、派手なビジュアルでの初対面にマチルダ達には恐れ慄かれてしまったというエピソードも話してくれました。

「マチルダは小さな天才」は、子供の頃にワクワクしながら読んだ本だったという大塚さん。

「まさか自分が意地悪な母親役で舞台に立つとは」と、マチルダに自分を投影して読書していた頃には想像できなかった現実に驚いた様子。

大塚さんは、オーディションの時に、「ミス・ワームウッドは、遠くから歩いてくるだけで、空気の色が変わる役」だと言われたそう。「撮影で衣装とメイクを付けた時、気持ちが何倍にも膨らんだ。少し歩くだけで空気が変わるような存在ということを存分に楽しみながら、マチルダちゃんたちをいじめたいと思います」と気合十分でした。

天才少女マチルダの実の父親。理不尽で欲深いスーパーインチキ詐欺師のミスター・ワームウッド。
インパクトの強い、リーゼントが特徴的です。とあるシーンで、マチルダにイタズラされ、さらに奇抜な髪型になるんだそう！

トレンディエンジェルの斎藤司さんは、「悪いお父さん役ということで昨日のW杯でもドイツを応援していたら、きちんと痛い目を見ました」と、今から役作りはバッチリな様子。しかし、2児の父親ということもあり、面倒見が良い斎藤さん。舞台の去り際には、マチルダ役の4人に手を振るなど、役とは正反対の優しい部分が溢れていました。

田代万里生さんは、「ロイヤルシェイクスピアカンパニーの皆さんが僕と斉藤さんを同じ役にしたことが奇跡」と、まさかのダブルキャストに驚いたことを明かしました。

表情や動きから溢れ出る四者四様のマチルダ像

マチルダ役の4人は、マチルダの好きなところについて質問を受けました。
嘉村さんは「どんな大人にも正しくないことは正しくないと言える勇気のあるところ」、熊野さんは「どんな大人にでも勇敢に立ち向かうところと、とても素晴らしい仕返しを思いつくところ」。

寺田さんは「悪いことは悪いと言えるかっこいいところ」、三上さんは「酷いお母さんお父さんに意地悪をされているけれど、立ち向かっていたずらをやり返す力強いところ」と答えました。

そんなマチルダ役4名による「Naughty」のパフォーマンスが、製作発表の最後に行われました。

5歳とは思えない知能と想像力を持つマチルダ。そんな彼女を全く理解せず日々辛く当たる両親に、仕返しを試みながら歌う楽曲です。
「不公平な人生でも、行動して変えられるのは自分だけ」というマチルダの強い意志が込められています。

パフォーマンスで見えてきたのは、冷静な印象の熊野マチルダに、悪戯っ子な表情で一つ一つの動きも力強い印象の三上マチルダ、表情や動きから聡明さが垣間見える嘉村マチルダ、読書好きの少女という印象にぴったりな寺田マチルダと既に四者四様のマチルダ像。1曲の中だけでも表情や動きからキャラクターが滲み出ていたので、上演がとても楽しみです。

また、アフタートークイベント“ミスター・ワームウッドの部屋”が開催決定。ミスター・ワームウッド役の田代さんと斉藤さんのお二人がホストとなって共演者とアフタートークを行います。
そして、非売品のカンパニーTシャツ付きチケットの発売決定、一部公演ではカーテンコールが部分的に撮影出来る日があるなど、ファンには嬉しいことが盛りだくさんの公演となっています。

ミュージカル『マチルダ』は、2023年3月22日（水）〜24日（金）にプレビュー公演、その後、3月25日（土）〜5月6日（土）まで東京・東急シアターオーブにて上演です。チケットの一般発売は11月30日（水）開始です。公式HPはこちら。