2023年1月に日本初の上演が決定したブロードウェイミュージカル『MEAN GIRLS(ミーン・ガールズ)』。トニー賞最多の12部門でノミネートされた、アメリカのハイスクール・カーストを描いた作品です。日本公演がますます楽しみになる作品情報や注目の日本版キャスト・スタッフをご紹介します。

人気映画を現代にアップデートして舞台化!ブロードウェイでも人気を博した学園ミュージカル

ミュージカル『MEAN GIRLS』は、2018年からブロードウェイで上演された作品です。2004年に公開され、リンジー・ローハン主演でティーンの心を掴んだ大人気同名映画の舞台化ということもあり、開幕当初から話題性は抜群。トニー賞で作品賞を含む12部門にノミネートされ、注目度の高さを示しました。

2004年の映画『MEAN GIRLS』の脚本を手掛けたのはコメディアンのティナ・フェイ。このミュージカル版でも引き続き脚本を担当し、登場する高校生たちの流行も現代版にアップデートしました。音楽は彼女の夫であるジェフ・リッチモンドが作曲し、作詞は『キューティー・ブロンド』のネル・ベンジャミンが担当しています。

スナップチャットやインスタグラムという今どきティーンの関心事を盛り込みつつ、学園モノの定番のような顕示欲やもろい友情のしるしもたくさん。学園の女王がSNSを武器にスクールカーストの上位に立ったり、「水曜日はピンクの服を着る」という謎のルールで結束したり、という可愛らしいティーンのやりとりがミュージカルナンバーになっています。

日本公演の主演は可愛らしさと芯の強さがぴったりの生田絵梨花!パワーあふれる作品にふさわしいキャスト陣

日本初上陸となるミュージカル『MEAN GIRLS』の主人公を務めるのは、ミュージカル経験の豊富な生田絵梨花さん。動物学者の両親を持ち、アフリカで家庭教師から教育を受けて育ったケイディ・ヘロンを演じます。学園の女王が取り仕切るチームの仲間に入れてもらったことをきっかけに、生来の自分らしさからイケてるアメリカン・ガールへと変化していくケイディ。その純真さはまさに生田さんにぴったりですし、変化した後の姿は舞台上では今までクラシカルな人物を演じることが多かった彼女の新たな魅力を引き出してくれるでしょう。

初めての学校生活になかなか馴染めないケイディに声をかけ、友人となるジャニス役は『ヘア・スプレー』などで大活躍の田村芽実さん、その相方のゲイボーイ、ダミアン役を幼少よりミュージカル出演が豊富な内藤大希さんが演じます。

肩で風を切って校内を歩く学園の女王・レジーナ役には華のある舞台姿が印象的な石田ニコルさん。彼女が仕切るグループ「プラスティックス」のメンバー、グレッチェン役には『ミス・サイゴン』エレン役の松原凜子さん、同じくカレン役にはミュージカル初挑戦の仮面ライダーヒロイン、松田るかさんが名を連ねます。揃ってピンク色の服で登場するときの華やかさが楽しみな3人です。

ケイディが一目惚れするアーロン役には小野塚勇人さん(劇団EXILE)、クラスの友人ケヴィン役は中谷優心さん、デュバル校長役は黒須洋嗣さん、ノーバリー先生、ジョージ夫人役には壮一帆さんが出演予定。コメディ要素たっぷりの本作にふさわしいキャストが揃い、パワフルな歌と踊りと笑いに満ちた舞台を届けてくれそうです。

信頼の厚い小林香演出!翻訳協力にはブロードウェイ版出演者の高橋リーザも参加

日本公演の演出・上演台本・訳詞は、ミュージカルからディナーショー、テーマパークのパレードまでを手掛けてきた演出家の小林香さんが担当。最近では『モダン・ミリー』『BERBER RENDEZVOUS』など、女性を主人公にした作品を多く手掛けています。会見では出演者の個性を語り始めたら止まらない一面も見せるなど、俳優や作品のうまみを引き出すことに長けている印象があり、『MEAN GIRLS』での手腕も楽しみのひとつです。

加えて、翻訳協力で参加している高橋リーザさんも今回注目したい制作スタッフのひとり。というのも、彼女は『MEAN GIRLS』のブロードウェイ公演に開幕当初から出演しているオリジナルキャストなのです。

幼少から歌って踊ることが好きで、高校からアメリカに拠点を移し、ミュージカル俳優として必要なスキルを学んだ高橋さん。渡米時からの目標だったブロードウェイ作品への出演という夢を『MEAN GIRLS』で叶えました。アンサンブルとジャニス役のアンダースタディとして、約4年ものあいだ、この作品に出演。この作品はコロナ禍で再開を待たずにブロードウェイで終演してしまいましたが、今回、日本公演の翻訳協力として再び作品に携わり、出演者の目線で、アメリカらしさ満点の学園物語を日本の観客に届けようとしています。

日本初演となるブロードウェイミュージカル『MEAN GIRLS』は2023年1月30日(月)から2月12日(日)まで東京建物Brillia HALLにて上演。土日は完売していますが、平日公演はまだチャンスがありそうです。

福岡公演はキャナルシティ劇場にて2023年2月17日(金)から2月19日(日)、大阪公演は森ノ宮ピロティホールにて2023年2月23日(木祝)から2月27日(月)まで。上演日数が限られているため、各プレイガイドの先行抽選など、早めのチケット入手がオススメです。作品の最新情報は公式ホームページをご覧ください。

Sasha

ミュージカル版はサウンドトラックでしかチェックできていない筆者ですが、ハロウィンの仮装にセクシーさを求める「SEXY」という楽曲がお気に入り。かなり攻めた歌詞と衣装と振り付けのハイテンションなナンバーで、日本公演でこのシーンがどうなるのだろうかと楽しみにしています。