日本でも昨年、中村倫也さん主演で上演し好評を博した『ルードヴィヒ』等が上演されている、チュ・ジョンファさんとホ・スヒョンさんのコンビの傑作『SMOKE』。2024年1月〜3月にロングラン公演が行われることが決定しました。それにあたり、全役オーディションが実施されます。

3人の登場人物が織りなす衝撃的で重厚な作品『SMOKE』

ミュージカル『SMOKE』は、天才詩人といわれながら、27歳の若さで異国の地・東京で亡くなった韓国人詩人・李箱(イ・サン)の作品「烏瞰図 詩第15号」にインスパイアされ、2016年に誕生した韓国発のミュージカルです。

登場人物は3人で、2人の青年が、目隠しをされた女性を連れて、とある部屋にやってくるところから物語が始まります。 

絶えず詩を書いている「超(チョ)」。27歳の実年齢よりもずっと大人びて見える彼は、世の中の全てを見透かしているような目をしています。

14歳で知性が止まっている「海(へ)」。純粋で幼く、27歳という実年齢よりずっと幼く見える彼は、絶えず絵を描いています。海を描きたいと思っているが、一度も海を見たことがありません。
2人は身代金で海に行くために、三越デパートの令嬢だという女性「紅(ホン)」を誘拐してきたのでした。

目隠しを外された紅は、海を見ると懐かしさの入り混じったような複雑な表情を浮かべ、「私よ、判りませんか?」と話し出します…。

扇情的なメロディとまるで謎解きをするような展開に、どんどん観客は物語の世界へと引き込まれていきます。冒頭とラストで物語のまったく違う顔を見ることになる、衝撃的で重厚な作品です。

“愛煙家”が増える注目作品、全役オーディション実施

日本では2018年に浅草九劇にて初演。2019年には、劇場・キャストを替えた2バージョンで上演が行われました。6月には“NEW CAST ver.”として東京芸術劇場シアターウエストで、7・8月には2018年キャストを中心とした“ORIGINAL CAST ver.”として再び浅草九劇で上演。

上演を重ねるたびに『SMOKE』ファン=「愛煙家」と呼ばれる中毒者を増やしている本作。2024年1月〜3月ロングランにて、ついに、オリジナルの作家であり演出家であるチュ・ジョンファさんを日本版の演出に迎え上演が決定しました!

ロングラン公演につき、全役オーディションが実施されます。劇場・公演日程詳細などは後日発表です。

作・演出のチュ・ジョンファさんは、オーディションを受ける俳優たちに向けて、「 『SMOKE』は熱い作品である。熱い想いを抱いて演じてください。沸点を通り過ぎて初めて、私達は飛翔することができるのです」とコメントしています。

作曲家のホ・スヒョンさんからは、「 イ・サンの辿り着いた境地を形にするには、3人の俳優と演出家が一体となって創作し完成度を高めていく必要があります。でないと、きっと私が作曲した最後のナンバー通称「翼」を腹落ちして歌うことは難しいでしょう」といかに『SMOKE』が難しい作品であるかが伺えるコメント。

しかし、チュ・ジョンファさんが今回演出を務めることについて、「キャスト・スタッフにとって心強い朗報だと思う。刺激的な稽古場になる予感がする」と心強い言葉も。

全役オーディション実施にあたり、まずは映像での歌唱審査となります。1分半程度1曲、「第一声から100度の沸点で自分の情熱を表現できると思う歌唱」を自身で選び、歌雨というもの。その後、通過した方は3月に第二次審査が行われます。詳しくはオーディション問い合わせ先(audition@musical-smoke.com)にご連絡ください。

ミュージカル『SMOKE』は2024年1月〜3月 上演予定です。公式サイトはこちら

ミワ

過去に演じてきた俳優の方々もオリジナルキャストとして起用されるのか、一新されるのか気になりますね。ミュージカルファンとしては必見の舞台になるのではないでしょうか。