1970年代を舞台に、復讐屋グループ「タリオ」を描いた『INDESINENCE』シリーズ。2月22日から上演がスタートする『INDESINENCE Case:Beautiful Vermilion Ways』で主演を務める三田麻央さんに、本作の魅力と、舞台への想いを伺いました!

物理的にも精神的にも強い主人公に「共感ばかり」

本作は、2021年に上演された、密室ミステリーを描いた『INDESINENCE』の前の時系列となる物語。第1弾の後の時系列となる『INDESINENCE Case:Dry Crimson Thistle』が2月15日から上演されており、『INDESINENCE Case:Beautiful Vermilion Ways』は2月22日から上演と、シリーズ作品としても楽しめます。

撮影:山本春花

−まずは作品と演じる役について教えてください。

「1970年代を舞台に、復讐をテーマにした作品です。私が演じる南上宮陽子(ナガミヤヨウコ)は、自分の家族をバラバラにした詐欺師を追っているのですが、誰かに頼るのではなく、自分が強くなって自分が復讐をしよう、という芯の通ったかっこいい女性です。私自身、強い女の子が好きなので、憧れの存在です」

−役柄に共感する部分はありますか?

「共感ばかりですね。特に、誰かに頼るのではなく、自分でやってしまうところ。物理的に強くなろうとするところも、共感しますね。私もなりたかったけれど、運動神経悪いのでなれなかったので(笑)。1970年代で女性の地位がまだ低かった時代に、男女関係なく、自分はこの道を進むんだという意志が強いところに、“めっちゃかっこいい!こういう生き方がいいんだよなぁ!”とずっと思って演じています」

撮影:山本春花

−1970年代が舞台ということで、現代との違いを感じるシーンはありますか?

「喫煙所ではないところでも、みんなタバコを吸っているんですよ!分煙だぞ今は!って違いを感じました。女性への扱い方もそうですね。でも本作で出てくる女性キャラクターはみんな芯の通った強い女性たちばかりなので、こちらも元気づけられます」

−物理的にも強い女性、ということでアクションシーンもあると伺いました。

「剣を使ったアクションは経験があったんですが、己の体一つで戦うのは初めてなので、難しさを感じています。アクションを練習するだけの日もあって、真冬なのに汗だくでした。長いシーンではないのですが、最初の型から学んでいったので苦労しました」

撮影:山本春花

−演出やセットでの見どころは?

「舞台ならではの演出が見どころです!別のシーン・登場人物なのに同じセリフがシンクロしていく演出が、グッと惹き込まれるんです。セットもCase:Dryと同じなのに別の場所に感じるような使い方になっているので、演劇好きの方がとても楽しめるものになっていると思います」

−『Case:Dry』と通して楽しめるポイントもあるのですね?

「『Case:Beautiful』は陽子がまだタリオのメンバーになっていない時の物語なので、どうやってタリオになったのか、その理由が分かるようになっています」

−どんな方におすすめの作品ですか?

「ミステリー、復讐ものが好きな方はもちろんですが、かっこいい悪役が見たい人にもおすすめです!私も戦っているのに、かっこいいな!と思ってしまうくらい。悪役がかっこよければかっこいいほど、悪に惹かれる理由が分かると思うので。今だと少しクサイと感じるような昭和の潔いセリフもかっこいいです。

また、セリフ1つ1つが伏線になっていて、最後思い返してみると、あれってあの意味だったんだ…と気づくポイントも多いと思います。見た後に情報量で疲れちゃうくらいのフルボリュームでありながら、映像を駆使してわかりやすくなっているので、ぜひ楽しんでいただきたいです」

「お芝居は無限大」。漫画好きの三田麻央が演劇ファンに勧める漫画とは?

撮影:山本春花

−多方面で活躍される三田さんから見て、舞台の魅力とは?

「ナマモノであること、同じものが絶対に生まれないことですね。私自身演じながら、その日その日の出会いで生まれる感情があります。何回見ても面白いし、観ている人によっても解釈が全く違うんです。昨年出た作品でもそういったことがあって、人それぞれで解釈が異なるなんて、お芝居って無限大だなと。色々な世界が生まれるのが楽しいなと思いますね」

−今後出演してみたい作品はありますか?

「ガッツリ敵役をやってみたいですね。完全に悪に染まりきって、最後は殺されちゃうくらいの役をやってみたいです」

−今まで観劇した中で印象に残っている作品はありますか?

「昨年出演した劇団壱劇屋のノンバーバル舞台『憫笑姫 -Binshouki-』は5ヶ月連続企画の第1弾だったので、毎月通いました。殺陣を中心に進んでいく舞台なのですが、カメラアングルの変化を人間で表現する演出が印象的で。お芝居の幅・可能性を広げてくれた、お芝居の面白さを教えてくれた作品です」

−アニメ・漫画好きでも知られる三田さんですが、演劇・ミュージカルファンにおすすめの作品はありますか?

『マチネとソワレ』という作品です。演技の天才である双子の兄と対照的に、オーディションに落ち続ける弟が、パラレルワールドで兄とライバルになるために奮闘するという物語。SF要素もあって、お芝居好きな方なら絶対に楽しめる作品だと思います!めっちゃおもろいです!ぜひ読んで欲しいです!」

撮影:山本春花

三田麻央さんが主演を務める『INDESINENCE Case:Beautiful Vermilion Ways』は2月22日から26日まで、新宿村LIVEにて上演予定。チケット詳細はこちら

Yurika

伏線も多い作品ということで、考察好きな方々も楽しめる作品ではないでしょうか?『マチネとソワレ』も読みたいと思います!