6月2日から東京芸術劇場シアターウエストにて上演される『Shakespeare’s R&J』。シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を原作に、ジョー・カラルコさんによって脚色された作品です。日本では2005年に上演、2018年1月にはシアタートラムで上演されています。 今回、若手俳優を迎えて新たに生まれ変わります。

厳格な男子校に通う男子生徒4名が出会う、『ロミオとジュリエット』の世界

『Shakespeare’s R&J』は、厳格なカソリックの全寮制男子校で暮らす4人の生徒たちの物語。

抑圧された環境の下、4 人は夜中にこっそりベッドを抜け出し、夜ごと、読むことを禁じられているシェイクスピアの 『ロミオとジュリエット』の試演会を続けます。たった 4 人で様々な登場人物を演じ、若者の命懸けの恋を知っていくうちに、彼らは新たな自分たちを見つけていくことに…。

本作は、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』の物語と、少年たちが大人の世界を知る「学生」の時間との二重構造となっています。

ジョー・カラルコさんの脚色によって生まれた本作は、2003年にイギリスで初演。日本ではカラルコさんの演出で2005年に上演、2018年に田中麻衣子さん演出で再演されてきました。

ジョー・カラルコさんは本作について、「これは男についての劇だ。男がどんなふうに他の男と作用しあうかについての劇だ。従ってこの芝居が扱うのは、男が女に対し、セックスに対し、性衝動に対し、そして暴力に対してどういう見方をするかということである。四人の俳優たちは『ロミオとジュリエット』を演じるのでは なく、『R&J』を演じる。だから彼らはまず何よりも「学生」を演じるのだ」とコメントしています。

『Shakespeare’s R&J』では『ロミオとジュリエット』だけでなく、『夏の夜の夢』『ソネット集』などシェイクスピアの他作品からもセリフを引用しています。翻訳を担当するのはシェイクスピア全作品の翻訳を完遂した、日本を代表する翻訳家・松岡和子さんです。

そして、演出を手掛けるのは、2022年11月に演出した『ライカムで待っとく』で第30回読売演劇大賞作品賞を受賞した田中麻衣子さん。日本の近代戯曲からギリシャ悲劇やシェイクスピア等の海外古典、新作ミュージカルなど、多岐に渡って手がけています。最近の演出作品に、『パレードを待ちながら』、『A New Musical ゆびさきと恋々』、 『地熱』、『怪物/The Monster』、『Shakespear’s R&J』、『血の婚礼』などがあります。


田中さんは以下のようにコメントしています。
「口元に宿る初めての言葉、感覚、感触、震え。口にすることの喜びと煌めきと、感じたことのない衝動への恐怖。始まりはただの遊びから、やがて物語と現実の境界線が消えていき、物語の関係が現実の関係になっていく。生涯忘れることはできない、鈍く光る、たまらなく切なく哀しい、鮮明な記憶。
観客の皆さまは、4人の男子学生の匂いも眼差しも、まるで素手で触れたような体験をすることになるでしょう」

注目の若手俳優4名が集結!

2018年上演時には今や数々の舞台作品で活躍する若手俳優たちが好演。

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』や『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』に出演。6月上演のミュージカル『ダーウィン・ヤング 悪の起源』への出演が決まっている矢崎広さん。


朗読劇『ラヴ・レターズ』、ミュージカル『手紙』、劇団☆新感線『メタルマクベス』などに出演している柳下大さん。


舞台『NO.9-不滅の旋律-』や『春のめざめ』など演出家・白井晃さんの作品に多く出演している小川ゲンさん。


仮面ライダー鎧武として人気を誇り、数々のドラマや映画で活躍を続ける佐野岳さんの4名が出演していました。

今回も、 フレッシュなキャストたちが4人の男子学生を演じます。

学生1(ロミオ)を演じるのは、『火の顔』、『ドン・カルロス』など舞台での活躍も目覚ましい北川拓実さん(少年忍者/ジャニーズ Jr.)。

学生2(ジュリエット、ベンヴォーリオ、修道士ジョン)を演じるのは、NETFLIXドラマ『First Love 初恋』で10代の並木晴道役を演じ、注目を集めた木戸大聖さん。

学生3(マキューシオ、修道士ロレンス、キャピュレット夫人)を演じるのは、空想科学劇『Kappa』~芥川龍之介『河童』~に続き2作目の外部出演となる青木滉平さん(少年忍者/ジャニーズ Jr.)。

学生4(ティボルト、乳母、バルサザー)を演じるのは「MEN’S NON-NO」専属モデルとして活躍し、 ABEMA『私たち結婚しました3』出演、映画『耳をすませば』出演、ドラマ『僕らのミクロな終末』ではW主演を務め、俳優としても注目を集めている中田圭祐さんです。

若い4人の俳優によってリアルに演じられる舞台『Shakespeare’s R&J』は、6月2日(金)〜18日(日)に東京芸術劇場シアターウエストにて上演です。公式HPはこちら

ミワ

4人の男性の俳優たちだけで繰り広げられる『ロミオとジュリエット』の世界。禁じられていた物語から少年たちが何を感じながら、それぞれの役を演じていくのか、とても興味深い作品です!