2023年10月に帝国劇場で幕を開けるミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』。ロアルド・ダールの原作小説『チョコレート工場の秘密』を元にしたミュージカル版の日本初演にて、堂本光一さんがウィリー・ウォンカを演じます。豪華共演キャストも解禁され、製作発表が行われました。

日本版『チャーリーとチョコレート工場』の世界を彩るキャストが決定!

2013年6月にイギリス・ウエストエンドで初演を迎えたミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』。12月にはウエストエンドの週間チケット売り上げ最高記録を達成する人気ぶりで、2017年1月までロングラン上演されました。

2014年にはローレンス・オリヴィエ賞で衣裳デザイン賞、照明デザイン賞を受賞。新作ミュージカル作品賞、ミュージカル主演男優賞、ミュージカル助演男優賞、装置デザイン賞、振付賞にノミネートされています。

2017年4月からはブロードウェイで改編上演され、その後全米ツアー、オーストラリア公演、他を経て、現在は全英とアイルランドをツアー上演中。そして2023年10月、日本に初上陸を果たします。

謎に満ちた天才ショコラティエのウィリー・ウォンカを演じるのは、『SHOCK』シリーズでミュージカル単独主演記録を更新し続ける堂本光一さん。そして日本版翻訳・演出を手がけるのは、意外にも帝国劇場に初登場となるウォーリー木下さんです。

そして気になる豪華共演キャストが解禁!ゴールデンチケットを引き当て、ウォンカのチョコレート工場で驚くべき体験をする少年チャーリーの母親・バケット夫人役を演じるのは、観月ありささんです。

そして、チャーリーと共にチョコレート工場に足を踏み入れる子供達の保護者には個性豊かなキャストが集結。肥満児オーガスタスの母親で、バイエルンで肉屋を営むグループ夫人役は、森公美子さんと鈴木ほのかさんがWキャストで演じます。

何でも1番でないと気が済まない娘バイオレットの父親・ボーレガード氏役に、芋洗坂係長さん。ロシアの富豪のわがまま娘ベルーカの父親・ソルト氏役に岸祐二さん。コンピューターオタクで引きこもりのマイクの母親・ティービー夫人役に、彩吹真央さんが決まりました。

さらにチャーリーと共にチョコレート工場に足を踏み入れる祖父、ジョーじいちゃん役を演じるのは、帝劇初登場の小堺一機さんです。

そしてチャーリー・バゲット役には、小野桜介さん(おのおうすけ 10歳)、チョウ シさん(12歳) 、涌澤昊生さん(わくさわこうき 10歳)のトリプルキャストに決定しました。

撮影:山本春花

おもちゃ箱を「ひっくり返してぶっ壊す」?!数々の斬新な演出に期待!

製作発表には、演出のウォーリー木下さんと、出演者11名が登壇しました。出演者の皆さんは、ミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』の音楽に乗せて登場!子どもたちが小堺さんの手を引っ張って歩いたり、カラフルな衣装で登場した“保護者”たちが音楽に乗って会場を沸かせたりと、既に作品の楽しい雰囲気が溢れ出ています。

撮影:山本春花

ウォーリー木下さんは実際にキャストの一面を目の前にして「感無量」とコメント。本作のテーマの1つとして「空想すれば叶う」があると言い、行動が制限されていた昨今の情勢の中で「好きなことを好きなだけ楽しむという人間本来のエネルギーやパッションを感じる、総合芸術の作品。世界一ポップでカラフルな、おもちゃ箱をひっくり返した作品にしたい」と意気込みを語りました。

撮影:山本春花
左から涌澤昊生(わくさわこうき)さん、チョウ シさん、小野桜介(おのおうすけ)さん

チャーリー役を演じるのは、小野桜介さん、チョウ シさん、涌澤昊生さんの3名。「チャーリーはみんながやりたかった役だと思うし、みんなが憧れる帝国劇場なので、最後まで頑張って演じ切りたいです」(小野さん)、「チャーリーとして舞台に立てることがとても嬉しいです。よろしくお願いします」(チョウさん)、「野球を観るのもやるのもハマってて、オリックス・バファローズを応援しています!手をいっぱい伸ばして元気に踊りたいです!」(涌澤さん)という個性溢れる挨拶に、小堺さんは「孫をよろしくお願いします!!」とサポート。

撮影:山本春花

岸祐二さんは堂本光一さんとミュージカル『ナイツ・テイル−騎士物語−』でも共演。「また光一くんの挑戦にご一緒できること、それをたくさんのお客様に届けられることを嬉しく思います」と喜びを語りました。

座長である堂本光一さんは、チョコレート色のスーツをクールに着こなして登場!本作について「おもちゃ箱をひっくり返すどころか、ひっくり返してぶっ壊すくらいな感じですよね(笑)。とんでもない作品になるのではないかとワクワクしております。その中に人間のエゴや愛情もたくさん詰まっている作品なので、それをどうやってお客様に伝えていこうか楽しみにしております」と語りました。

撮影:山本春花

既に原作や映画、ウエストエンド版、ブロードウェイ版で様々なウォンカ像が誕生していることから、「どうやって日本版のウォンカを演じていこうか。自分はまな板の上に乗って、ウォーリーさんに捌いていただきたいなと思います」とウォーリー木下さんに信頼を寄せます。

堂本光一さんは1月に『JOHNNYS’ World Next Stage』の演出、4・5月に『Endless SHOCK』の作・構成・演出・主演、9月に『DREAM BOYS』の演出、そして10月に『チャーリーとチョコレート工場』出演と2023年は特に帝国劇場と縁の深い1年に。

「よく“帝劇の住人”なんて言われることもありますが、僕にとってはとんでもないことです。諸先輩方が素晴らしい歴史を築いてきた劇場ですから。『SHOCK』初演で立たせていただいた頃から気持ちは変わっていなくて、とにかく一生懸命、やらせていただこうという気持ちで、いつもいます」と帝国劇場への想いも伺うことができました。

作品とウォンカの人物像については既に深く考察しているようで、「紐解いていくと凄く深いストーリーだと思うんですよね。ウォンカとチャーリーの関係性については色々な捉え方があると思います。もしかしたら、チャーリーは、ウォンカの子どもの頃(の象徴)かもしれない…とも捉えられるし、先ほどインタビュアーの方に“子ども嫌いなウォンカ”と言われたのですが、そう捉えることもできるんだなと。観てくださる方々に、それぞれの捉え方を見つけてもらいたい。ブラックでウィットに富んだ言葉の裏にある何かを受け取ってもらえるように作っていきたいし、その辺が素敵な作品だと思います」と語りました。

撮影:山本春花

本作の演出に関して気になるところですが、まだまだウォーリー木下さんの頭の中にしかない、明かせない部分が多いよう。しかし、観客も“チョコレート”を体感できるような仕掛けなども構想しているのだそうです。

ウォーリー木下さんは「原作小説やウエストエンド、ブロードウェイの良い要素を組み合わせて作っていきたい。作品にあるブラックユーモアの核の部分が重要ですし、帝劇という場所で作るということも大切です。原作、劇場、スタッフ・キャストの皆さんとクリエーションすることを大事にしていきたいですね」と想いを語りつつ、「せっかくやるなら演劇でしかできないアナログな手法も使いたいし、僕らが今持っている最新のテクノロジー、舞台ではまだ使用されていないことにも挑戦してみたい。20から30くらいは斬新な演出があるかと思います」とのこと。

堂本光一さんが「僕は『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』に予算を取られていないか心配なんですけど、大丈夫でしょうか(笑)」と聞くと、ウォーリー木下さんは「『ムーラン・ルージュ』からセットを一部もらおうかなと思ってます(笑)。僕は小劇場出身なので、もし予算が足りなくなっても色々と知恵を絞って。キャストの皆さんも総動員で頑張りましょう(笑)」と答える一幕も。

撮影:山本春花

ローレンス・オリヴィエ賞で衣裳デザイン賞を獲得した本作は、衣裳や音楽も魅力の1つ。衣裳については森公美子さんも「ぶったまげます!」と興奮を語りました。鈴木ほのかさんはロンドン版の楽曲を既に聞き込んでおり、「ウォンカの歌う「ピュア・イマジネーション」(Pure Imagination)というメインテーマの楽曲がとても素晴らしいんです。他にもヒップホップがあったり、キャラクターに合わせた特徴的な楽曲がたくさん登場します」とミュージカル楽曲の魅力を語りました。

ミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』は10月9日から31日まで帝国劇場にて上演。2024年1月4日から15日まで福岡・博多座、1月27日から2月4日まで大阪・フェスティバルホールにて上演されます。公式HPはこちら

Yurika

もし堂本光一さんがゴールデンチケットを5枚だけ配れるとしたら?という質問に対して、堂本さんは「僕とフライングをするというのはいかがでしょうか?」と素敵な回答!ワクワクする楽しい仕掛けと個性豊かなキャラクター像、そしてブラックユーモアがふんだんに盛り込まれた本作は、まさにミュージカルの真髄を味わえる作品となりそうです。