普段の生活の中では、あまり馴染みのない「ダブルキャスト」という言葉。劇場に足を運ぶようになると、頻繁に目にすることになります。今回は、この言葉の意味とともに、「ダブルキャスト」という制度が取り入れられる理由についてまとめてみました。
01 一人二役ではなく二人一役、それがダブルキャスト
二人一役とは、読んで字のごとく、二人の役者さんが一つの役を演じるという意味です。例えば、ある役の子ども時代・大人時代を別の役者さんが演じるようなことも「ダブルキャスト」といいますが、多くの場合は、二人の役者さんが公演ごとに交代しながら上演することを指すようです。
「あぁ、Aさんが演じる回と、Bさんが演じる回。どちらの公演を観に行こう?」なんて、悩んでしまうこともしばしば。どちらの回も観劇して、見比べることを楽しむ方も多くいます。
02 衣装や稽古が大変になるのでは?なんで「ダブルキャスト」にするの?
「ダブルキャスト」にする理由は、舞台・劇団によって様々ではありますが、そこにはいくつかのメリットがあります。まず、舞台を構成するキャスト=告知をしてくれる人が増えることで、観客数の増加が見込めます。それにスケジュールに余裕が出る分、有名な役者さんを起用しやすくなり、これも観客増加へとつながります。
また、役者さんの疲労を抑えられるので長期公演が可能となり、ダブルキャストそれぞれの演じる回を観たいという欲求も相まって、リピーターの方を増やすことができます。また、急な体調不良で降板となってしまった人の代役として、同じ役を演じている人がカバーできるという利点もあります。
前述の収益面・運営面のメリットは舞台・劇団側のものになりますが、観客側にもメリットはあります。それは、役者さんが異なることで舞台の印象はガラッと変わる、という驚きと楽しみを味わえること。機会があれば、ぜひ一度、ダブルキャストの両方の回を楽しんでみてください。